いよいよ春到来! 春といえば、衣替えはもちろん、部屋の模様替えをしたくなるシーズンでは!? 今回はそのヒントにもなりそうな本をご紹介。今年3月に発売された『パリのティーンガール』ジュウ・ドゥ・ポゥム著)は、パリに暮らす13歳から18歳までの10代の女の子たち、16人の部屋を紹介したもの。

新学期&新生活に!  10代のパリジェンヌたちに学ぶ部屋づくり

といっても、部屋のインテリアだけではなく、ファッションやメイク、学校のことなども紹介されていて、今どきの10代パリジェンヌたちのライフスタイルが垣間見られるところも興味深く、とても楽しめる。

まず、表紙で紹介しているのは、セレーストさん(15歳)の部屋。カラフルに飾られた壁には、よく見ると紙袋がいくつか並んでいる。中には日本語で“八つ橋”と書かれたものも。その配色とデザインが不思議なほど他のインテリアとよくマッチしてます!

セレーストさんもそうだけれど、他の女の子たちの部屋にも多く見られたのが、コラージュした雑誌の切り抜きにポストカード、自分や友達の写真など。モノクロ写真とカラーのイラストなどの組み合わせが絶妙なアンジェラさん(18歳)や
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白と黒をベースにしたインテリアに、ハート型に写真を飾っているキアラさん(15歳)など、飾り方にもそれぞれのセンスがきらり。

新学期&新生活に!  10代のパリジェンヌたちに学ぶ部屋づくり

「日本やパリに関係なく、写真を飾るのはこの年ごろの子たちの特徴かもしれませんね。日本ではそのひとつがプリクラでは? パリにもプリクラがあったら、ティーンの部屋にたくさん貼られているんじゃないかと思いました」と話してくれたのは、本書の編集者・田島香子さん。

また、ルーシーさん(13歳)のように、マニキュアと香水も、パリのティーンズたちにとっては必需品のよう。
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同じくジュウ・ドゥ・ポゥム著の『パリの子ども部屋デコ・アイデアブック』ではキティちゃんのアイテムをよく見かけたけれど、今回はなし。田島さんからはこんな意見が。

「たしかに、子ども部屋のときにはジブリやキティちゃんなど、日本生まれのキャラクターをたびたび見かけましたが、特に女の子はこのぐらいの年齢になると、アニメやキャラクターは卒業している感じがしますね」

なるほど。
キャラクターは子どものもの、という意識が欧米では強いのかも。こちらのエマさんの部屋も13歳の部屋とは思えないほど、シンプルに洗練されていて、統一感もばっちり。
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パリのティーンズには、日本人より大人っぽいイメージを勝手に持っていたのだけれど、本書に登場している女の子たちも実年齢より落ちついて見える子が多いように思う。田島さんの印象は?

「フランスの子どもたちは小さな頃から、きちんと自分の意見を持つことを教えられています。そうやって育ってきているパリっ子たちばかりですから、ファッションやインテリアについても、自分なりの好みや考えがあることが感じられました。どんな洋服を着たいとか、どんな色が好きなのか、どんな部屋にしたいのか、なにを飾ったり、ピンナップしたりしたいのか。
自分らしさを表現することができるし、その考えや思いを伝えることも上手だなと感じました」

たしかに、アートに夢中というロワさん(16歳)の部屋からも、彼女なりの好みやこだわりが強く感じられる。

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ちなみに、今回参加したティーンガールたちは、お母さんが何かしら物づくりしている方々とのことで、その影響も大きいよう。リメイクや、お金をかけずに部屋の小物を作ることも、お手のものといった感じ。日本でも人気のアーティスト、ナタリー・レテさんの娘さん、アンジェールさん(18歳)の部屋の壁には、自身が8歳のときにお母さんを真似して描いたイラストが! お母さんの作品でもあるカーペットとの相性も抜群。
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ところで、日本の10代の女の子たちとの共通点は? 田島さんに聞いてみると、「日本のティーン雑誌をおみやげに贈ったとき、みんな、きゃあきゃあ言いながら、夢中になって見ていたので、メイクやヘアスタイル、ファッションといった、おしゃれにまつわる感覚は日本の女の子たちと共通するところがたくさんありそうです」とのこと。

今まさに10代の女の子たちは、本書のティーンガールの部屋やライフスタイルに共感したり、刺激をもらったりするだろうし、もちろん20代以上でも、おしゃれに模様替えするためのコツやヒントをたくさんもらえるはず。
それに、自分の10代の頃を思い返して比べてみるのもなかなか面白い。いろいろな楽しみ方ができて、新学期や新生活をスタートする人にもおすすめの一冊です!
(田辺 香)