こんにちは! 
エキレビのロリコン担当たまごまごです。

さて突然ですが。

小学生の時、好きな女の子の笛をペロペロした(元)男子は手を挙げてください。
えっ、ぼくですか? 
うーん、気になったことは多々ありますが、実行したことはありません。
ぼくの性の芽生えは5年生位だったと思います。それまでは男女入り乱れてワイワイと泥だらけになって遊んだものですが、ちょうどそのくらいから「女子と遊ぶなんて!」とか言って距離を取って男同士で遊んだものです。
だって、クラスの女子見たらよくわかんないけどドキドキしたんだもの、一緒になんていられないわい!

人によっては性の芽生え、ヰタ・セクスアリスを感じた時期に差はあると思いますが、男性なら小学校高学年から中学生くらいでしょうか。女性はもうちょっとはやくて小学中学年くらいから芽生えたりしますよね。

で、この時期の「クラスメイト」の存在って強烈にでかいんですよ。
例えば、河原に落ちてるエッチな本よりも、クラスメイトの女子のぱんつの方が興奮するんです。「興味ねえよ!」とか言いながら。
最近河原にエロ本落ちてないよね。

それからウン十年。
あの時のまま時間が止まって大人になった男性は、少女たちがあたかもクラスメイトであるかのような錯覚に陥って「ロリコン」と呼ばれるようになるのでした。

ソースは僕です。
残念なことに、時間は止まらなかったんだけどね。

まあこれは極端ですが、小学校で感じた異性へのトキメキは、妄想で飾り立てられ増幅されるというもの。
それを描いたのが、この『無邪気の楽園』です。
一巻発売時は、ロリコンのぼくはそりゃ大喜びで予約したんですよ。
着替え! 水遊び! 身体検査!
小学校のハプニングエロが見られるなんてー、とニヤニヤしていたんですが、読んでみるとどうもうちょっと違う。

もちろん基本のウリはエロコメディです。
しかし、正確にはロリコン向けじゃないんです。

基本の設定がちょっと変わっています。
主人公は、同窓会に行ったうだつのあがらないダメな成人男子。
彼は周りのクラスメイトが、女優、警官、議員、医者などどんどん手に職を付けて上に登っていくのをまざまざと見せつけられて、すっごいへこむんです。
才能もねえ金もねえ、日々の暮らしはほぼニート。
ああ俺ほんとダメ人間じゃん。
あの時のクラスメイトの女の子たちは、あまりにも美しく、自分の手の届かないような存在になってしまった。
彼が呆然としていたとき、ふとプールに落ちてしまいます。すると、彼の心は成人男子のまま、小学5年生の時期に戻ってしまいます。
シチュエーションを作るための設定なので厳密さはないです。

強烈な女子力を持った元クラスメイトの女性たちも、小学生だとまあなんともガードのゆるいこと。

ここが面白いんですが、彼女たちのガードのゆるさはほどよくリアルで、ほどよくファンタジーなんです。
たとえば、同じ教室での水着の着替え。
これ今はほとんどないと思いますが、昔は結構当たり前だったんですよ。ねえ成人男子のみなさん?
ここで出てくるのがタオルにゴムがついたてるてる坊主型の着替えタオル。羞恥心は当然あるんです。
しかも男子は馬鹿だからか、自分のパンツ頭にかぶったりしてギャーギャー大騒ぎするんですよね。
ここはすごい生々しい。

で、問題はその着替えタオルからどのくらい見えるか、です。
実際は小学生とはいえ結構ガードしてるはずなんですよね。でも所詮子供だからガードは今より遥かに甘いのも間違いない。
さてどのくらい甘いんだ、どのくらい見えるんだ?
ここを想像力で補うのがこのマンガです。大人の側からしたら「ありえないよな、丸見えだったんじゃないの」くらいの感覚だと思います。
それを、そのままマンガにしたのがこの作品なんです。

主人公はロリコンではありません。
どこにドキドキするかというと、ガードの甘い無邪気な女の子達を見ながら「この子大きくなったら、あんな美しくて立派になるんだよな」と大人側の方なんです。

これ多分、完全ロリコン視点だったら、ぼくみたいなロリコンが喜んだだけで終わっていたでしょう。。
しかし大人が過去を、当時の性への憧れという視点で振り返る作品だから、共感を多く呼びました。
一巻は驚くほどの大ヒット。アマゾンランキングでは一位、書店でも枯渇しっぱなしというすごい事態になりました。

この作品がロリコン向けじゃなくて、ノスタルジックを感じたい大人向けであるのは、作中でお姉さんのエッチを覗き見てしまう回が何回かあるところからもわかります。
ロリコン向けならそんなの邪魔でしかないんですよ、そのシーンは。
そうじゃない。子供時代に垣間見た大人の世界、というのを描写したんです。
作者もこう述べています。

「これは自称大きいお友達にシンパシーを感じて頂いた結果であることに間違いありません。しかし実は私も編集部も『無邪気の楽園』を特殊な趣味の漫画だと思って作ってはいません。『ノスタルジックエロファンタジー』略して『ノスエロ』とでも呼んでおきましょう。コドモの頃に意味もわからず女子のパンツが見たく鳴ったり、教室の縦笛を頬張りたくなったり、ブルマや水着の喰い込み直しが妙に気になって凝視したりetc…。好きとか恋だけでは説明の付かない女子に対するモヤモヤが健全で善良で常識的な価値観を持った皆さんにもあった筈です」

もしこれを否定する人がいたら、過去の子供時代の感覚を否定することになってしまうでしょう。
あるんです。あったんです。
おっきいおっぱいのほうが好きで、今は忘れかけているかもしれないけど、クラスメイトにときめいた日々が。
外見はエロファンタジー。そんなのねーよ!ってくらいの回もありますが、そのくらいの妄想はクラスの女の子でしたな、というのが詰まっています。

おそらくこの漫画は、いろんな漫画賞関連には引っかからないタイプの作品でしょう。
ジャンルに分けるなら「エロ」の箱に入れられるでしょうしね(18禁じゃない一般作ですよ)。
でもそれじゃあちょっともったいない。ただエロで引っ張ってるわけじゃあない。
絵柄もあわせてリアルとファンタジーをごたまぜにした、男子が抱えていた性の目覚めがいっぱいに詰まったこのマンガ、ロリコン以外の人にこそ読んで、笑いながら子供時代を思い出して欲しいのです。
感覚としては、子供時代に少年漫画のちょっとえっちなシーン見てドキドキした、あの感覚ですよ。
子供時代の性の感覚は、肯定してもいいんだ。

ところで余談ですが、北海道はブルマとスクール水着採用する地域が非常に少なかったため、僕は幼少期、転勤族だったにもかかわらず見たことがありません。
くそう!くそう! ブルマでノスタルジックに浸りたかったよ! 誰か記憶を分けてくれ!

雨蘭 『無邪気の楽園』2巻

(たまごまご)