まずは何も考えずに、次のリンクをクリックしてください。ワンクリック詐欺なんかじゃないし、音も鳴らないから、オフィスでも大丈夫。
でもお昼前に見たら、けっこう破壊力があるかな。

http://bit.ly/fInNVT

準備ができたら、いいですか? せーのっ! どーん。

どうです? ずらりと並んだカレーレシピの一覧。しかも護衛艦だの、掃海艇だの、見慣れない名前も並んでいる。これ、実は海上自衛隊のファミリー向けサイトで、各部隊の名物カレーのレシピ一覧ページなんですね。

海上自衛隊でカレーを食べるのは、旧帝国海軍以来の伝統。
毎週金曜日はカレーの日なんです。肉も野菜も米もバランス良く食べられるし、洋上勤務では曜日の感覚を失わないようにする効果もあるんだとか。んでもっていつしか「おふくろの味」ならぬ、艦船や基地ごとに「こだわりの味」が育まれていったんですねぇ。

というわけで、僕もさっそく台所で作ってみました。いろいろ迷いましたが、リストの一番上にある「しらせシーフードカレー」に決定! 砕氷艦「しらせ」の名物メニューで、イカ・エビ・あさりがたっぷり入っているのが特徴。南氷洋でもこのカレーを食べていると思うと、ちょっと親近感がわいてきます。


ちなみにカレーライスって家ごとに、いろんな小技や隠し味がありますよね。でも筆者は「市販のカレールーの箱に印刷されている説明書き通りに作るのが一番美味しい」((C)ためしてガッテン)と固く信じております、はい。一方で「しらせシーフードカレー」は、けっこう手間暇がかかるんですよ。

詳しい作り方はリンク先を見てもらうとして、魚介類を湯通しして、ベーコンと共にバターと白ワインで炒めたり、サフランライスを炊いたり。残念ながら近所のスーパーにサフランがなかったので、サフランライスは早々に却下。香辛料のガラムマサラも同じく却下です。
いやー、こだわってますね、このあたり。

一方で味付けは市販のカレールーを使用し、隠し味に牛乳と醤油とケチャップとウスターソースと、おまけにインスタントコーヒーまで投入。このあたり、細かいんだか、大ざっぱなんだか、うーん大丈夫かという疑念もちらほら。

また、野菜の量が多いんですよ。平均的なレシピの2倍はあるんじゃなかろうか。ご飯の量も4人分なのに米3~4合と、ちょっと多め。
考えてみれば、自衛官って究極の肉体労働で、文字通り体が資本だったりしますよね。野菜たっぷりカレーになるのも納得です。逆に家庭で作る分には、量を調節してもいいかもしれません。

さてさて、鍋を火にかけて野菜が煮えてきたら、僕の好きな「ザ・カリー」(ハウス食品)のルーを投入。先に軽く煮ておいたシーフードを入れて、隠し味の調味料もどぼどぼっと目分量で投入。なんだかんだで、いつもの2倍くらい時間がかかってしまいました。


でもって肝心のお味はというと……いつもの味より、ちょっとマイルド。隠し味の牛乳に加えて、バターもたっぷり入れたので、優しい味わいになってます。その影でかすかに香るインスタントコーヒー……。逆に「ザ・カリー」本来の香りは飛んじゃってるので、もっと一般的なカレールーの方が良かったかもしれません。

ちなみにカレーを食べるのが旧海軍以来の伝統なら、その海軍を育んだ横須賀は「カレーの街」としても有名です。中でも横須賀名物ドブ板通りの入り口にある、「魚藍亭」のよこすか海軍カレー館は、横須賀に来たなら一度は行ってみたい名物店。


特に明治41年の海軍レシピに忠実な味を再現した「元祖よこすか海軍カレー」は、一見ただの野菜カレーにしか見えないんですが、これがホントに味わい深くてコクがあり、美味しいんですよ。明治の海軍サンって、意外にグルメだったのかもしれません。地方の方のために、ネット通販もありますよ。

ちなみに海上自衛隊の名物カレー、全種類を制覇してみたいと思ったのは、僕だけではないはず。とりあえず一品ずつ、自宅でチャレンジしてみようかな。(小野憲史)