「プリキュア」は中学生の少女たちが、変身して悪と戦う話だ! シリーズによって「プリキュア」の数がふたりだったり四人だったり六人だったりする。「絶対に諦めない!」という信念を胸に秘めて、自らの肉体のみで悪と戦う。
どんなに傷つけられても、折れずに立ち向かう、こんな素晴らしいアニメが毎週日曜日の朝八時半から放映されてきて、今年で七年目になる。まさか知らない人はいないだろう。

今放送中の「ハートキャッチプリキュア!」から、プリキュアに興味のなかった大人のファンが増えてきて、今まで以上に注目を浴びている。
初代の「ふたりはプリキュア」から見続けている俺としては、どこか寂しい気持ちもあるが、シリーズ全体が活性化しているのは非常に嬉しい。

『炎の転校生』『アオイホノオ』の漫画家、島本和彦さんも「プリキュア」の放映時間になると、ツイッター上で「プリキュア」を応援し、キャラクターの名前や必殺技を叫んだりと完全に「プリキュア」にハートキャッチされている大人のひとりだ。

プリキュアは女児向けの作品なので、家で見ることはできても劇場まで足を運んで見に行く勇気がないという大人のファンのために企画されたイベントもあった。

今年の3月に行われた「朝までプリキュア!オールナイト上映会」だ!

歴代「プリキュアシリーズ」の映画を半日かけて夕方から朝まで上映する。時間が時間なので子どもは参加できない、いわゆる18禁状態。こんな大人のためのイベントはもちろんこれが初めて。いったいどんなことになるのか、はしゃぎすぎるファンがいるのではないかと、参加する大人は期待と不安が半分だったが、何事もなく進行していった。

「映画 Yes!プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ♪」のキュアドリームがみんなのコールでシャイニングドリームに変身するシーンでは、大人たちによる盛大な「ドリーム! ドリーム!」の大合唱。今までこの映画が上映されてきたどの劇場よりも大きな声援を受けていただろう。


出演声優によるトークコーナーも盛り上がり、上映会は無事終了した。最後に「ふたりはプリキュア」から「Yes!プリキュア5GoGo!」までプロデューサーを務めた、鷲尾天さんが壇上にあがり「みんな本当にいい子たちです。ここにいるみんなもプリキュアです!」と挨拶し、大きな拍手で締めくくられた。終了後には鷲尾さんに挨拶、握手するための列まで出来ていたほどだ。

「オールナイト上映会」から4ヶ月、あの時の感動と興奮を忘れられない大人たちが集まり、ひとつのイベントを企画した。
それが「プリキュアオールスターズDX2ブルーレイ上映会」だ!

7月21日に歴代全ての「プリキュア」が出演している「映画プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!」のDVD/BDが発売された。

そこで「プリキュアシリーズ」初のブルーレイが発売されることを記念して、有志による上映会が開かれたのだ!

上映会といっても、誰かの家に集まり友だち同士でワイワイ鑑賞するのではなく、試写室を借りての本格的なものになっている。
募集はmixiのコミュニティや、ツイッターでの呼びかけによって行われ、38人もの大人の「プリキュア」ファンが集まったのだ! この会場にいる人はみんな「プリキュア」好きの仲間、そう考えると自然とテンションが上がってくる

イベント当日、女の人たちがキュアホワイトや水無月かれんのコスプレをしていたり、スクリーン前に「プリキュア」の変身グッズや人形を置いている人たちもいた。一七体のプリキュアの人形は色とりどりでキラキラkawaii!

映画の中で、ミラクルライトというアイテムで「プリキュア」たちをパワーアップさせるシーンがある。これは実際にライトを振って映画に参加できるようになっているのだ。
だが、劇場では中学生以下の子供にしか配られないため、大人は心のなかでしか「プリキュア」を応援できない。大人が応援すると、親御さんに不審がられる可能性が大きい。
本当は俺たちだって応援したいのだ!

しかし! 今回の会場には大人しかいないのだ。参加者にはあらかじめライトが渡されており、「プリキュア」たちがピンチになり、妖精たちが応援するシーンになると、みんないっせいにライトを振り出した。レポート漫画担当の渡りに船は一番に「プリキュアに力をー!」と叫んでいた。

もう劇場公開が終わってしまった作品だったので、試写室の大きなスクリーンで見ることができ、感動のあまり泣き出してしまう人もいた。俺も泣いていた。「プリキュア」が格好良すぎるからいけないのだ。


イベント終了後「楽しかった。また参加したい」と多くの人が言っていて、仕事で行けなかったけど次回があるならぜひ行きたいという声も多くて、上映会イベントは大成功といえるんじゃないだろうか。


主催のたすくさんに今回のイベントについて聞いてみた。
「オールナイト上映会の、プリキュアのためだけに夜を明かした、合宿のような雰囲気をまた味わいたいという気持ちがずっとあったんです。そうしたら、『プリキュアオールスターズDX2』がブルーレイ化されると聞いて、これは家でひとりで観るのではなく、プリキュアファン大勢で観て喜びを共有したいと思い上映会を開きました。今回来てくれた人や、TCC試写室の方、上映の許可をくれたポニーキャニオンさんには本当に感謝しています」
俺もブルーレイ自体は買っていたのだが、みんなで見たくてこの日まで我慢していたのだ。


俺たちはこれからもずっと「プリキュア」を応援していく! だから、東映さん。二回目のオールナイトイベント開催と、過去シリーズのブルーレイ化、ぜひお願いします!(加藤レイズナ/イラスト:渡りに船)