「こちら山猫、ニャー!」
亀梨和也主演のドラマ『怪盗 山猫』(日本テレビ系/毎週土曜よる9時放送)がスタートした。
「こちら山猫、ニャー!」亀梨和也主演「怪盗 山猫」がいまいちつかめない
原作は神永学の「怪盗探偵山猫」(角川文庫)

『卑劣な手段で金儲けする企業から大量の資金を盗み出し、同時に悪事を暴く、天才怪盗』
亀梨が天才怪盗役を演じると聞けば、クールで安定のイケメンぶりを発揮するのかと思いきや、革ジャンにスウェット、冬でもビーチサンダルという謎コーディネート。
水虫で、いい声でも音痴……。おまけに手をまるめて「ニャー!」って猫ひろしか!

『怪盗 山猫』1話


猫のお面をかぶり、かわいいキャラで陽気に歌っているかと思えば声を荒げる。亀梨の振り切った演技と共に物語が展開していく。
山猫は正義の味方か悪人か、いまいちつかめなかった1話。

「自分の父親の不倫を暴露したせいで家族が不幸になった、だから悪事に手を染めている。悲劇のヒロインきどってんじゃねーよこのバーーカ!」

山猫を追う雑誌記者の勝村英男(成宮寛貴)を味方につけ、山猫の仕事を邪魔した天才ハッカー魔王の正体をつきとめた。まだ高校生の真央(広瀬すず)だった。

真央はIT企業の社長である父親のスキャンダル写真をネットに流出させた。家庭が崩壊。それ悪く思った真央はつぐないの意味でハッキングに手を染める。父親にデータを渡すがそれは振り込め詐欺へとつながっていた……。

正義の味方であり犯罪者であり……山猫って何者?


山猫はデータバンクの隠し金庫から大金を盗むと同時に、会社の悪事が警察にバレるようにけしかけた。金銭目的だけじゃないところが山猫流のようだ。


1話から衝撃的だった山猫VS魔王の言い合い。
「『全部私のせいだ、私がネットにパパの不倫画像のせたから、パパもママも傷つかずに済んだのにー』あはは、あーはは……なんて思ってるワケねーよな!!」

真央の心境を女性っぽくマネして、笑いとばした山猫。最後は声を荒げて怒鳴った。亀梨の甘くてやさしい声を封印。ハスキーで低い声、ずいぶんと暴力的だ。

「違う、私は何もしらなかった!」
イスから押し倒されて床に倒れる真央。
山猫は助けるどころか髪を掴んでさらに畳み掛けた。
「あんたにあたしの何がわかるの?」
「うるさい!!うるさい!!」
真央も山猫を睨みつけて叫び、頭を抱えて錯乱状態になる。
二人の掛け合いは、生で舞台をみているような迫力があった。

「おまえのコアってなんだ? 核だよ核! お前の中にある譲れねえものは何なのかって聞いてんだよ?」
女子高生だろうが容赦なく問いつめる山猫。でも罪をとがめようとは思ってない。犯罪をしたら悲しむ人がいて、いつか自分に返ってくることも知っている。
じゃあ、なぜ怪盗をやめないの……。

さらに、仲間であるはずのホソダ(塚地武雅)に銃を向けた。金欲しさに山猫の情報を警察に流していたのだ。
「山猫は人を殺さないんじゃないのか?」
「プライベートは別だ」
ニャーと猫まねをする時とは打って変わって鋭い目。4発の銃声が響き、二週間後にホソダの遺体がみつかった。裏切り者には容赦ない、山猫が怖い……。


ドラマの冒頭は、両腕を縛られ、殴る蹴るの暴行を受ける山猫の姿だった。「2013年」とある。これはどこで何とつながるのか。
2話は今夜放送!
(柚月裕実)