なぜ男の無謀告白は“告ハラ”と呼ばれてしまうのか?

絶対に両想いではないのに、自分の気持ちにけじめをつけるため、告白をした経験をお持ちの方はどのくらいいるでしょう。
悪く言えば、相手の気持ちを考えない自分勝手な行為ともいえますが、これを“告ハラ”と称して取り上げた記事が、ネットでは話題を呼んでいます。


イチかバチかの告白は、告白された女性に負担を感じさせ、時には暴力とまで思わせることもあるという主旨の記事です。
筆者も振り返ると「なぜこのタイミングで告白してきた!?」と落胆するような告白シーンがいくつか思い出されます。今思えば「好意を抱いてくれてありがとう」と思えますし、別にそれを告ハラとまでは呼ぶ気もありません。しかし、なぜ見込み違いの告白に男性は走るのかについては、しっかり考える必要がありそうです。


「デート3回目神話」にとらわれ無謀な告白に走る男性


男性が無謀な告白に走る理由を考えると、いわゆる恋愛マニュアルに描かれている“セオリー”が、逆に恋愛経験の乏しい男性の心を乱し、無謀な告ハラに走らせているように思います。
たとえばよくあるのが“3回目のデートで男性側から告白せよ”という「デート3回目神話」です。一般的にいいなと思った相手との関係がダラダラ続くと、恋愛関係に発展する前に関係がマンネリ化してしまう。
そのため脈があるのなら熱量の高い3回目のデートあたりで告白せよというのが、このテクニックの理論です。
しかし、ここで重要なのは、いわずもがな3回目という回数ではなく“脈あり”と“高い熱量”です。相手の脈などを見定めることのできない男性が、やみくもに3回という数字にこだわり、「どっちつかずの関係が長引くなら、自分の熱量の高い今、告白してしまおう」と告ハラに走っている可能性はありそうです。


女にとって好きじゃない告白はどういう意味がある?


告ハラというセンセーショナルな言葉に、多くの男性が衝撃と反発を感じているようですが、好意を抱いていない男性からの告白されると、女性は実際にどんな気持ちになるのでしょう。

「仕事関係など、男女の関係以外につながりがあると、告白された後にやりにくさを感じます。断った後の距離感はどの程度に保とうかとか。周りの人に悟られないようにしようとか。
そういう迷惑がつきまとうという意味では、社内での無理打ち告白は、告ハラと言えるかも」(34歳・企画職)

「以前友達の紹介で知り合った男性が、知り合って1回目のデートで告白してきました。彼いわく、会った時からいいなと思ってくれたそうで、今日のデートで好意を確信したからってことですが……2回目の再会というスピード感についていけなかったし、自分の好意だけを基準に告白してきた点には、自分勝手さを感じました」(31歳・出版関係)

彼女たちの話を聞いていると、ハラスメントとまでは言わないものの、「迷惑を感じた」という感覚を確かに覚えます。男性の中には、告白されることを1つの勲章のように嬉しく思う人がいるようですが、男女の感覚の違いも、告ハラという言葉を生み出す要因になっていそうです。


告白の前に3つの脈ありジャッジを


そもそも男性側の関係性の見誤りが、原因の1つでもある告ハラ被害。3回目神話など目安になるテクニックは巷に触れていますが、大切なのは「告白すれば付き合えそうか」という、女性側の“脈”をしっかりと事前に判断することが大切です。
脈ありの判断基準は数多あると思いますが、個人的には1回のデートで全部確認できる以下の3つの行動をすることが、オススメです。


1:デートの最中、次のデートに乗り気か
脈の1つ目の判断基準は、次回のデートの誘いに女性側がどの程度関心を示すかです。それも可能なら、次回は昼の映画鑑賞とか、近場の観光など、デートの最中に今とは種類の違うデートに誘ってみるのが良いでしょう。
そこで話題が盛り上がらないor彼女が乗り気ではない場合、あなたといろんな場所に出かけたいという希望がないことが証明されます。
ちょっと飲みに行くくらいなら付き合うけど、それ以上はいいかな……と思う、女性の微妙な心理に気づけます。

2:二軒目の誘いに乗ってくるか
飲み会デートが盛り上がったら、可能なら二軒目にも誘ってみましょう。この場合の二軒目は、カフェなどノンアルコールの場でも、ゲーセンなどのちょっとした立ち寄りでもOK。

女性側が、あなたともっと一緒にいたいかを見定めることが大事なので、誘う場所よりも小さな誘いに乗るか断るかが大切になります。
注意点としては、翌日の予定が早かったり、体調がすぐれなかったりすると、女性は好意があっても容赦なく断ってきます。相手の状態を聞き出し、適切なジャッジをおこないましょう。

3:さりげない手つなぎを拒否しないか
最適な脈あり判断の1つに、さりげない手つなぎがあります。お酒の勢いを借りながらトライするのが、ハードルも低くてオススメです。たとえば階段を上る際、リードするふりをして手をつなぐとか。
人ごみではぐれないために手をつなぐとか。拒否されても大事にならないシーンでチャレンジすれば、万が一拒否されても、その後の関係が険悪になることはありません。

3つのお試し脈あり診断をご紹介しましたが、そもそも筆者は「自分の気持ちにケリをつけるための告白」はあまり推奨しません。たとえば引っ越しとか退職とか「このままだと会わなくなり関係が終わるから告白」というのはありですが、思いつめたから告白したというシチュエーションには、自制心の弱さしか感じません。

告ハラと安易にハラスメント認定するのもどうかと思いますが、恋愛が男女の心のコミュニケーションであるのなら、告白もすでに心のコミュニケーションの入り口です。一方的な気持ちを伝えることは、ご自身のエゴが出ている。
そんな謙虚さを忘れずに、進みたいですね。
(おおしまりえ)