新卒で入社したアパレル会社を、わずか8カ月で退社し、憧れだったアイドルへの道を選んだ兵頭美波。一度は胸の奥にしまい込んだ夢を再び呼び覚ましたのは、敬愛する道重さゆみの"最後のステージ"だった。
2025年11月30日、アップアップガールズ(2)の4期メンバーとしてデビューを果たした彼女に、夢をつかむまでの軌跡を聞いた。(前後編の前編)

【写真】アップアップガールズ(2)・兵頭美波の撮り下ろしカット【6点】

――SNSを拝見すると、とにかく活動量がすごいですね。夏のイベント後には、4時間半にも及ぶカラオケ配信をされたとか。

兵頭 そうなんです(笑)。ハロー!プロジェクトさんの曲だけを4時間半歌い続けて、その翌日も朝6時半くらいから配信していました。最初はファンの方も「大丈夫?」って心配してくださっていたんですけど、最近はもう何も言われなくなりました(笑)。

――体力的には大丈夫なんですか?

兵頭 よく聞かれるんですけど、私、基本的にずっと元気なんですよ。ご飯もしっかり食べますし、グループに入ってからは、みんなでお弁当を食べる時間もあるので。それに、お仕事をたくさんいただけることが本当にうれしくて、そのまま走り続けられています。

――「アイドルになりたい」と思ったきっかけを教えてください。

兵頭 物心ついた頃からアイドルは好きだったんですが、2010年頃に道重さゆみさんをテレビで見たことが大きかったです。それ以来、「
に関するニュース">モーニング娘。に入りたい」と思うようになりました。

――何がそこまで惹きつけたのでしょうか。

兵頭 当時はAKB48さんが全盛期で、私にとってアイドルは"見るもの"でした。でも、道重さんはグループのことを真剣に考えて、自分の信念を持って活動されていて。その姿を見て、「私もこんなアイドルになりたい」と思ったんです。曲も大好きで、ただ聴くだけじゃなく、自分もメンバーとして歌いたいという気持ちになりました。

――そこで気持ちが変わったんですね。でも、周囲にはなかなか言えなかったそうで。

兵頭 そうなんです。家ではDVDを見ながら踊ったりしていたので、周りから見たら以前と変わらなかったと思うんですけど、自分の中では全然違っていて。街で事務所の方にスカウトされた時も、本当は興味があったのに、「別に興味ないです」って言っちゃったんです。
ずっと憧れていたのに、恥ずかしくて素直になれませんでした。

――スカウト経験もあったんですね。

兵頭 ありました。原宿の竹下通りでは何度か声をかけていただいたことがあったんですが、一番印象に残っているのは小学4年生の時です。舞浜のイクスピアリで声をかけていただいて。「こんな場所でもあるんだ」と驚いたのを覚えています。

――長年胸にしまっていた夢を、初めて家族に打ち明けたのはいつですか?

兵頭 高校1年生の時です。ハロプロさんの「ONLY YOUオーディション」を受けたいと思って、締め切り当日の朝に親へ伝えました。

――当日の朝ですか(笑)。

兵頭 はい(笑)。学校へ行く前に急に「受けたい」って言ったので、「当日に言うことじゃないでしょ!」って怒られました。結局、その時は書類審査で落ちてしまいました。

ちゃんと家族を説得して挑戦できたのは、2019年のモーニング娘。15期オーディションでした。

――そこから本格的に挑戦が始まったんですね。

兵頭 でも、ハロー!プロジェクトは年齢制限があるので、受けられるタイミングが限られていたんです。審査には進めたんですけど、その後は応募できるオーディション自体がなくなってしまって。「やりたいことがなくなっちゃったな」と思いました。

――大学時代は、どんな気持ちで過ごしていましたか?

兵頭 アイドルになりたい気持ちは残っていたので、いろいろなオーディションを受け続けていました。でも二次、三次審査まで進んでも、「どうせ受からないんだろうな」って、どこかで思っていましたね。大学生活に区切りをつけるため、卒業制作ではドレス制作のゼミを選びました。そして最後に作ったのが「アイドルの卒業ドレス」だったんです。ファッションショーで自分がそのドレスを着て歩いて、「アイドルになりたい自分」に区切りをつけようと思いました。

――その後は就職されたんですね。


兵頭 はい。会社でキャリアを積んでいこうと考えるようになりました。でもアイドルが好きな気持ちは変わらなくて、「なれないなら、今度は作る側で関わりたい」と思ったんです。アパレル会社ではPRとして働きながら、いつかアイドルやモデルさんと一緒に仕事ができたらいいなと考えていました。

――そこから再びアイドルを目指したきっかけは?

兵頭 道重さんが芸能界を引退されると発表したことです。8月14日のラストコンサートを観に行って、「やっぱり私は道重さんみたいなアイドルになりたかった」と、改めて気づかされました。その約1カ月後に、アップアップガールズ(2)の新メンバーオーディションが発表されたんです。しかも、本格始動のステージが、道重さんの最後のライブと同じZepp DiverCityだと知って。「これは運命かもしれない」と勝手に思ってしまって(笑)。「受けるしかない」と決めました。

――安定した会社員生活を手放すことに、不安はありませんでしたか?

兵頭 あまりなかったですね。もともと目指していた世界だったので。
家族からは「もったいない」と心配されましたし、最初は少し呆れられました(笑)。でも、「どうしてもやりたい」と伝えたら、「そこまで言うなら受けてみなさい」と背中を押してくれました。

新卒で入社したアパレル会社を11月29日に退職。そして翌日、兵頭はアップアップガールズ(2)の4期メンバーとしてお披露目された。

――加入から初ステージまでは、わずか1カ月だったそうですね。

兵頭 11月30日に加入して、初ライブが12月29日のZeppでした。本当にあっという間で、毎日レッスン漬け。でも、その忙しさも全部うれしかったです。当日は、「ついこの前まで私は客席にいたのに」と思いながらステージに立っていました。

――ご家族の反応はいかがでしたか。

兵頭 父はZeppで初めて私のステージを見たんですが、今では家でアップアップガールズ(2)の映像をずっと流しているみたいです(笑)。ツアーにも家族で来てくれていますし、本当に応援してもらえてありがたいです。


――アイドルになって、本当に良かったと。

兵頭 心からそう思います。アパレルで目指していた夢は、この先でも挑戦できるかもしれません。でも、アイドルとして経験できることは、アイドルにならなければ絶対に味わえないものです。この世界に飛び込んで、本当に良かったと思っています。

▽兵頭美波(ひょうどう・みなみ)
2002年12月31日生まれ、千葉県出身。2025年11月30日、アップアップガールズ(2)の4期メンバーとしてお披露目。新卒で入社したアパレル会社を経てアイドルの道へ。担当カラーは赤。2026年からグラビア活動もスタートし、『UP TO BOY』『FRIDAY』などに出演。特技はトランペットとリボン結び。趣味はアイドル鑑賞と日記を書くこと。

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