7月31日から8月2日まで開催された『LOVE&PEACE TIFプロレス』。世界最大のアイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)』の会場内にリングを常設する、という史上初の試みでたくさんのアイドルファンから注目を集めた。


【写真】髙木三四郎がプロレスにスカウトしたいアイドルたち【4点】

昨年、マレーシアで開催されて大成功を収めたアイドルとプロレスの合体イベント『LOVE&PEACE』は日本発のポップカルチャーであるアイドルとプロレスを世界に発信するもので、TIFが世界各地で展開しているプロジェクト『TIF ASIA TOUR』の協力で実現した。まさに今回のTIFプロレスがその逆輸入版で、東京女子プロレスとTIFに出演する多くのアイドルたちがリング上でクロスする唯一無二の激アツステージとなった。

最大の注目はNGT48清司麗菜のプロレスデビュー戦。時間差入場バトルロイヤルという変則的な試合形式での初陣となったが、数分間だけのファイトとはいえ、非凡な才能というか、ハッキリ言って「逸材」ぶりを発揮。1分間だけではあるがアイアンマンヘビーメタル級王座を戴冠するおまけつきで、完全に「TIFプロレスのヒロイン」に輝いた。

この闘いっぷりには、今大会の仕掛け人のひとりであるサイバーファイトの大副社長・髙木三四郎も「とにかく体幹が素晴らしい! 昨年の『LOVE&PEACE』に出演していただいたことがきっかけでお声がけさせていただいたんですが、想像以上でしたね。ぜひ、これからもプロレスを続けてほしいです」と大絶賛&ウエルカム宣言。さらに「清司さんはもちろんですが、ほかにもぜひプロレスにスカウトしたいアイドルがたくさんいましたよ! リングを常設して、アイドルとプロレスの距離感が縮まったことで、TIFプロレスは次の世代のスカウティングの場になりましたね」。

興奮さめやらぬTIFプロレスのバックステージで髙木三四郎に「スカウトしたくなってしまったアイドル」の名前を3人ほど挙げてもらった。そこにはちょっと意外な名前もあった。順不同で紹介していこう。

・アマンダ(KLP48)

初日の時間差バトルロイヤルに特別参加し、見事にアイアンマンヘビーメタル級王座のベルトを巻いてしまったアマンダ。
マレーシアではあまりプロレスがメジャーなコンテンツではないため、ひょっとしたらプロレスについてなにもわからないままリングに上がり、チャンピオンになってしまった可能性もあるが……。

「とにかく彼女は“陽キャ”なんですよ。リングに上がっただけでパッ!と明るくなる。これって天性のものだと思いますし、KLP48の中ではいちばんプロレス向きなんじゃないですかね。10月31日と11月1日にはマレーシア・クアラルンプールで『LOVE&PEACE』の第2弾が開催されるので(当初は今年5月に開催予定だったが、国際情勢を鑑みて延期されていた)、また、ぜひリングにあがって欲しいです。マレーシアは多民族国家なので、いろいろな国の人に受ける可能性も高いんじゃないか、と。プロレスをやることで、世界にその存在をアピールできるかもしれません」

・双葉しおり(コングラッチェ!)

彼女は正式にプロレスに参戦したわけではなく「with双葉しおり」という形でセコンド的にリングに登場したら、闘いの渦に巻きこまれてしまったパターン。結果、一瞬だけだがアイアンマンヘビーメタル級王座のベルトまで手にしている。そんなカオスの中で髙木三四郎の「プロの眼」は一瞬の煌めきを見逃していなかった。

「正直な話、彼女のバックボーンとかスポーツ歴は知らないんですけど、今回、リングに上がってもらったとき、ウチの山下実優(東京女子プロレスの強さの象徴と呼ばれるトップ選手)が彼女に対して蹴りの構えを見せたんですよ。普通のアイドルだったら、すぐさま逃げるじゃないですか? でも双葉さんは逃げたり避けたりしなかった。なんなら蹴りを受けようとしていたんです。
さすがに山下も寸前で蹴るのを止めましたけど(笑)、そのリング度胸というかね、もうプロレスに対する適性を感じまくりましたよ、あの一瞬で。彼女が本格的にプロレスをやったらどうなるのか、すごく興味があります。プロレスへの適性という意味では虹のコンキスタドールの的場華鈴さんにも感じましたね。

なんだかんだで3人には絞れない(苦笑)。やっぱりね、アイドルってダンスを徹底的に学ぶわけじゃないですか? ダンス経験者はプロレスにアジャストしやすい、というのが僕の持論なんですよ。実際にDDTのリングでは武知海青(THE RAMPAGE)がプロレスラーとして大成功しているし、東京女子プロレスでいえばSKE48のメンバーだった荒井優希がチャンピオンにまでなった。そういった成功例もあるので、どんどんスカウトしたくなるんですよね~」

・北澤百音(NGT48)

彼女は直接、リングに関わったわけではない。アイアンマンヘビーメタル級王者だったポコたん(DDT所属のゆるキャラ)の頭部に楽屋で触れていたところ、レフェリーが3カウントを数え、まさかの新チャンピオンに。24時間いつでもどこでも(つまりプロレスの試合外でも!)王座が移動してしまう、このベルトの存在は今回のTIFプロレスでは大きな鍵となった。何人ものアイドルがほんの一瞬だけだがチャンピオンになっていったが、その中でなぜ北澤百音なのか?

「彼女がチャンピオンになったとき、当然、チャンピオンベルトを渡そうとしたんですけど、彼女は『いりません!』と言って逃げ出したんですよ(笑)。それでもレフェリーがベルトを渡そうとしたら『不審者!不審者!』って叫んで(笑)。プロレス側の人間からしたらチャンピオンベルトをいらない、と拒絶する姿があまりにも新鮮すぎて、逆にこの子、面白いな、と。
まぁ、17歳のアイドル(大会当時。現在は18歳)からしたら、それが当たり前の反応なんでしょうけど、ほかのアイドルはみんな喜んでベルトを巻いていましたからね。この感覚でプロレスに触れたとき、なにかが生まれる予感がしてます」

あくまでも髙木三四郎が「スカウトしたくなった」だけで、ここで名前を挙げたアイドルたちが今後、プロレスに絡んだり、プロレスラーとしてデビューするかどうかはまったくの未知数。プロ野球ですらドラフトで指名されても入団拒否をする選手がいるぐらいなので、スルーしてしまっても、まったく問題ない。

「でも、今回、TIFの会場にリングを置かなかったら、彼女たちの素質や才能に気がつかなかったわけで、それだけでもやった甲斐がありましたよ。以前、路上プロレスという形でTIFに参戦したことがありましたけど、やっぱりリングをちゃんと組むと見え方がまったく違う。今回はTIF ASIA TOURの方々の尽力もあって実現しましたが、このまま定例化していきたいです!」

アイドルフェスの会場にドーンとリングを組んだことで起きたアイドルとの過激な化学反応。ここから思わぬニュースターが誕生したら、女子プロレスの歴史が大きく変わるかもしれない。


(写真提供・東京女子プロレス)

【あわせて読む】TIFにプロレスが帰ってきた! NGT48・清司麗菜デビュー戦に“新アイドル王者”誕生の可能性も
編集部おすすめ