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 茨城県が、県内44市町村を巡るスタンプラリー機能を備えたパスポート型パンフレット「IBARAKI PASSPORT」を制作します。


 2026年10月上旬からの交付を予定していますが、その見た目はどこかで見覚えのあるもの……。



 それもそのはず。大井川和彦知事は8月6日の定例記者会見で、「群馬県の思いっきりパクリと言われてしまうかもしれませんが、狙ってやっております」と堂々宣言。


 群馬県が5月から交付している「GUNMA PASSPORT」を、あえてそっくりに作ったことを明かしました。

■ デザインも大きさも「意図的に同じ」

 「GUNMA PASSPORT」は、群馬県が2026年5月1日に交付を開始したパスポート型パンフレット。群馬県の歴史や文化、温泉、グルメなどを紹介するとともに、県内35市町村を巡ってスタンプを集める仕掛けが盛り込まれています。


 交付開始直後から人気が集中し、初日のうちに新規発行の受付を終了。フリマサイトへの出品も確認されるなど、大きな話題となりました。


 そんな群馬版の登場から約3か月。発表された「IBARAKI PASSPORT」のイメージは、濃い青色の表紙に金色の文字やイラストをあしらったものとなっています。


茨城県知事「あえてパクる」と堂々宣言 群馬パスポートを公認パクリ、「IBARAKI PASSPORT」交付へ
「IBARAKI PASSPORT」の施策説明


 会見で毎日新聞の記者から「まさにデザインも群馬とうり二つ」と指摘されると、大井川知事は「意図的にしています」と即答。


 さらに「大きさも全く同じ大きさなのですか」と確認されると、「はい。意図的に同じです」と答えました。


 一方、中身については「内容まではパクっていません」とのこと。茨城県の魅力を紹介する情報を掲載し、県内44市町村を巡ってスタンプを集める仕組みを設けます。


 全市町村を巡った人には、最後に県庁などでコンプリートを示す“ご褒美”のスタンプを押してもらえる仕掛けも予定されています。

■ 「なぜここまで丸パクリ?」記者が直球質問

 もっとも、会見で記者の質問が集中したのは、パンフレットの具体的な中身よりも「なぜそこまで群馬に寄せたのか」という点でした。


 時事通信の記者は、普段から「差別化」という言葉を使うことの多い大井川知事に対し、「この気持ちいいまでのカーボンコピーのものを作ってきて、その心境に大変私は興味がある」と切り込みます。


 続けて、「なぜここまで丸パクリしようと思ったのですか」と直球の質問を投げかけました。


 すると大井川知事は、群馬版について「非常に企画として優れている」と評価した上で、「今、群馬で大変話題になっているこのタイミングでパクるからこそ大きな反響を呼ぶのではないかな」と説明。


 さらに、この日の会見の中で直前に発表した別の観光施策よりも「このパクリの事業にものすごい質問が集中している」と、まさに目の前の記者たちの反応を引き合いに出し、「必ず世の中でバズるなというのはもう明らかだったと思います」と自信を見せました。


 そして、


 「県民の郷土愛を高める一つの方法としても、非常に面白い、有効な取組じゃないかなと思いましたので、あえてパクることで差別化していきます」


 と、“パクリ”そのものをPR戦略として活用する考えを明かしました。

■ 群馬と茨城、実は“未開の地”仲間?

 これで終わらないのが、この日の会見。


 時事通信の記者からの質問で、群馬版がネット上の「グンマー帝国」「未開の地」といった自虐的なネタとも親和性が高かったことに話が及ぶと、大井川知事は映画「翔んで埼玉」に言及。


 群馬だけでなく茨城も作中で「未開の地」として扱われているとして、「そういう意味では共通点があるのかなというふうに思っております」と話しました。

■ 群馬県知事にも事前に“パクリ”を相談

 とはいえ、茨城県が何の断りもなく群馬県の企画を“丸パクリ”したわけではありません。


 大井川知事によると、全国知事会で群馬県の山本知事に会った際、事前に、


 「茨城県でも群馬と同じパスポートをやらせていただきますけれども、よろしいでしょうか」(茨城県・大井川知事)


 とお願いしたとのこと。


 すると山本知事は、


 「ああ、どうぞどうぞ、やってください。今では、群馬県はあのパスポートがないと入れませんからね」(群馬県・山本知事)


 と冗談交じりに快諾したそうです。


 いわば“本家公認”のパクリということになります。

■ 最後は「詳細は、群馬県に聞いてください」

 「IBARAKI PASSPORT」は、県民には県内の魅力を再発見してもらい、郷土愛の向上や身近な地域を巡るマイクロツーリズムの活性化につなげる狙いがあります。


 一方、県外から訪れる人には、茨城を「知る」だけでなく、実際に「訪れる」、そして県内を「巡る」という行動につなげ、滞在時間の延長や観光消費額の拡大を目指します。


 交付は無料で、2026年10月上旬に開始予定。発行部数は現時点では未定で、申し込みや交付方法などの詳細については9月ごろに発表するとしています。


茨城県知事「あえてパクる」と堂々宣言 群馬パスポートを公認パクリ、「IBARAKI PASSPORT」交付へ
「IBARAKI PASSPORT」の施策説明


 また、群馬版では申し込みが殺到したほか転売も発生したことから、大井川知事は「しっかりとそれを踏まえた対策も考えていきたい」としています。


 そして会見の終盤。茨城新聞の記者からスタンプラリーの詳細を改めて尋ねられ、大井川知事は、各市町村を巡ってスタンプを集め、最後にコンプリートスタンプをもらう仕組みも群馬版にならっていると説明しました。


 その上で最後に放った一言は、


 「詳細は、群馬県に聞いてください」


 と、最後はまさかの“本家”への丸投げまで飛び出しました。

■ 群馬、茨城の次は?全国に広がる可能性も

 最後まで徹底した“群馬リスペクト”を貫いた「IBARAKI PASSPORT」。


 大井川知事は他にも会見の中で、「そのうち、全都道府県でパスポートが出てくるのではないか」と予想していました。群馬、茨城と続き、今度は両県の間に位置する栃木、さらには全国へと「ご当地パスポート」が広がっていくのでしょうか。


 少なくとも「あえてパクることで差別化」という狙いは、発表直後から大きな注目を集めています。

<参考・引用>
茨城県「知事定例記者会見における発言要旨260806」
観光いばらき(@kanko_ibaraki)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026080701.html
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