スペインが誇る強豪クラブのレアル・マドリーは世界的スター軍団だ。
今季からジョゼ・モウリーニョ監督がチームを再び指揮することになった。
「スペシャルワン」を自認する63歳のモウリーニョ監督は、プロ選手としては大成できなかったが、強烈な個性とカリスマ性で指揮官として成り上がった人物だ。
2010~2013年にもレアルを率いたが、当時キャプテンだったイケル・カシージャスとの間に遺恨を残すことになった。
カシージャスはレアルの生え抜きで、キャプテンでもある絶対的守護神に君臨していた。だが、モウリーニョ監督は彼を控えに降格させる人事を強行した。
当時のサッカー界を揺るがす衝撃的な出来事だったが、それはチームに悪夢のような状況を作り出すことになったようだ。
『BBC』によれば、モウリーニョ監督やカシージャスや当時の当事者たちが『Netflix』のドキュメンタリーでこの件について語ったという。
スペイン代表のキャプテンでもあったカシージャスは、レアルの宿敵であるバルセロナの選手たちと良好な関係を築こうとしていたが、モウリーニョ監督はそれも気に食わなかったようだ。
カシージャス
「ジョゼと自分の関係は冷え切っていた。
あの数年間で限界まで追い詰められ、最後には糸が切れてしまった」
サミ・ケディラ(当時レアル所属のドイツ代表)
「イケルはレアル・マドリーのレジェンドであり、すべてのサポーターから愛されていた。
監督は彼をベンチに追いやり、口も聞かず、メディアで彼の悪口を言った。だから、ロッカールームは悪夢のような状態だった。
その後、ジョゼと非常に多くの選手との関係性は壊れた。
クリスティアーノ・ロナウド、カシージャスやセルヒオ・ラモスらスペインの選手たちも。そういう選手たちはロッカールームの雰囲気において極めて重要な存在だった」
モウリーニョ監督
「最初の3回、キャプテンだったカシージャスと話したが、真っ先に彼が言ったのは、『代表選手の休みをもっと増やしてほしい』ということだった。
2回目に話した時は『あなたが望む時間帯だと、マドリッドの渋滞がひどいから、練習時間を1時間遅らせてほしい』だ。
そして、3回目は『僕らはホテルには行きたくない。試合当日に集合して、スタジアムに直接向かう方がいい』だ。その短期間で彼らがあまったれていると分かった。
私には受け入れられないことがあり、それはこれからも絶対に受け入れない。
誰かが私をリスペクトしないなら、それは問題だ。私はこう言う。『バルセロナとレアル・マドリーだ。代表チームに行けば、やつらにキスしてもいいが、今は違う。これは戦争なんだ』と」
試合前に集中するためにホテルに泊まることについて、選手たちは拘束時間が長くなることを嫌がっていたそう。
カシージャスはチームを代表する形で進言したはずだが、モウリーニョ監督はその要求を快く思わなかったという。
また、ライバルチームの選手と仲良くすることにも嫌悪感を抱いていたようだ(モウリーニョ監督はもともと通訳兼コーチとしてバルセロナにもいた)。
筆者:井上大輔(編集部)
画像提供:Getty Images

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