中国のアリババ、テンセント、百度、京東、拼多多、美団などのIT企業が「AI(人工知能)+」を積極的に導入している、と国営メディアが報じた。各社の財務諸表によると、IT企業の業績が全体的に回復。

成長の新エンジンが始動し、発展の新原動力が力を蓄えている。

中国網によると、AI広告技術プラットフォームのアップグレード後、テンセントの広告事業の正確な推薦能力が大幅に上がった。2023年第4四半期の売り上げは前年同期比21%増の297億9400万元(約6256億円)で、四半期ベースで過去最大となった。

百度の成長もAIが新原動力になっている。23年の文心一言の使用量と文心大規模モデルのAPI使用量が高い伸びを維持した。23年12月末現在の文心一言のユーザー数は1億人以上だ。

中国数実融合50人フォーラムの胡麒牧副秘書長は「AI分野の新たな競争が始まった。各IT企業はAI分野への投資を拡大し、大規模モデルの開発、訓練、応用シーン拡大で突破口を模索し、自社事業の持続的な成長を目指している」と述べた。

中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副部長は「IT企業は事業最適化および調整を踏まえた上で、新技術を導入し新たな事業成長源を切り開き、収入源を豊富にした」と指摘。「特に一部の企業は研究開発費を増やし、AI技術により事業モデルを改善し、生産性を大幅に上げた」との見方を示した。

国内のネットユーザー数が飽和化に向かう中、多くのIT企業が海外市場を積極的に開拓し、新たな成長の場を模索している。京東集団の許冉CEO(最高経営責任者)は「当社はグローバル化のチャンスに注目してきた。

京東物流は世界で90弱の保税倉庫と海外倉庫を設立した。管理面積は90万平方メートル。多くの海外取引先と中国海外進出ブランドにサービスを提供している」と語った。

中国網は別の記事で日本の「AI+」にも言及。「中国や米国と比べると、日本には大規模モデル開発の有力資源がない。そこで日本のテック企業はAI応用の開発に専念している。

例えばChatGPTの既存の大規模モデルを使って具体的な応用ソリューションを開発し、日本の各分野の実際の問題を解消している」と続けた。

さらに「業務フローの最適化、人手不足への対応、ビジネスモデルの革新、利用者の体験性の向上、企業の競争力の強化、新たな価値の創出といったさまざまな目的により、日本の各業界がAI応用に目を向けている」と説明。「特に消費者向けの業界でAI応用が最も目立つ。こうして日本では種々の『AI+』が誕生している」と紹介した。(編集/日向)