◆JERAセ・リーグ ヤクルト5―4巨人(14日・神宮)

 巨人はヤクルトに競り負け、連勝が2で止まった。右肩のコンディション不良などで出遅れていた山崎伊織投手(27)が今季初登板初先発し、6回途中5安打3失点。

白星こそつかなかったが、進化して帰ってきた姿を見せた。7回1死二、三塁から代打で出場した坂本勇人内野手(37)が3号3ランを放って試合を振り出しに戻したが、直後に救援陣が勝ち越しを許し、天敵・山野に今季5戦4敗。前半戦の大きな山場となる9連戦は、黒星発進となった。

 思わずしゃがみ込み、地面に手をついた。熱投を続けていた山崎が、最後に力尽きた。山野との同学年対決に一歩も引かず、0―0で迎えた6回。2死一、二塁から赤羽、セデーニョの連続適時打で均衡を破られた。「取られないようにと思っていた先制点を与えてしまった。1点で止めないといけなかったのにズルズルいってしまった。反省です」。懸けていた分、感情もあふれた。

 昨年10月1日の中日戦以来、286日ぶりのレギュラーシーズン。

開幕から81試合、3か月半遅れの初陣だった。1軍合流は4日前。ハマスタでの激闘をベンチ裏から見て、一気に胸の鼓動が聞こえてきた。戦場に戻ってきた実感。「初回が終わってだいぶ緊張も取れた」。糸を引くような初球の150キロに、準備が詰まっていた。

 直球は今季の実戦最速153キロ。スケールアップを証明した。150キロのシュート、148キロをマークしたフォークと各球種が一気に高速化。左打者のボールゾーンから食い込むフロントドアのツーシームに、バックドアのスライダーも高精度で、5回まで散発2安打。自己最多11勝した昨季よりも相手の脅威になる可能性を示した。

 肩の異変を訴えたのは開幕前の3月7日。

故障班合流の頃には数メートルも投げられない状態で、患部の不安が消えるまでに1か月半かかった。球団も復帰過程で最善を尽くし、何度も確かめ、万全を期して5月の2軍戦に送り出した。だが初回、トレーナーも「予想外の」緊急降板。感じたことのない張りがあった。「まじでごめん」。代わりにマウンドへ向かった松浦に裏で頭を下げた。

 あと数球遅れていれば長期離脱。選手生命も危ぶまれていたかもしれない右肩違和感。あの時2球でタイムを要求した勇気ある決断で、前半戦での1軍昇格が実現した。支えてもらった人たちに言い続けていた。「前より進化した状態で復帰します」。リハビリ期間に肉体改造し、体重は昨シーズン中から6キロ増の87キロ。

見違える体を作り上げ「真っすぐが走った」とスピードアップにつなげた。

 1週間前に戸郷が負傷。当初の登板日を変更し、チームのため中6日で9連戦の先陣を切った。球数は今年最多の96。制限いっぱいまで出し切り、橋上監督代行も「思い描いた以上。初登板と思えないぐらいよかった」と頼もしそうに見つめた。代打・坂本の一時同点3ランで黒星は消え「(次は)チームが勝てるよう頑張ります」と顔を上げた。奪首に向けて欠かせないエースの帰還。溜め込んできた力は、まだ十分ある。(堀内 啓太)

 ◆山崎の今季ここまで

 ▼3月15日 「右肩コンディション不良」で故障班合流。

 ▼5月3日 2軍・広島戦で実戦復帰するも初回2球で緊急降板。「右肩違和感」で再び故障班へ。

 ▼6月6日 本格的なブルペン投球を再開し33球。

 ▼ 同13日 G球場で打撃投手を務めて41球。最速146キロ。

 ▼ 同16日 約1か月ぶりの実戦形式ライブBPで打者6人に22球。最速149キロ。

 ▼ 同24日 3軍プロ・アマ交流戦のSUBARU戦で1か月半ぶりに実戦復帰。1回7球で1安打0       封。最速151キロ。

 ▼ 同30日 2軍・ヤクルト戦で公式戦復帰登板。先発で3回2/3を4安打1失点。最速152キロ。

 ▼7月7日 日本ハム2軍との3軍練習試合に先発し、7回94球で1安打0封8K。

3打席立って2度       バントも企図。

 ▼ 同10日 1軍合流。

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