◆2026/27明治安田J1▽第1節 G大阪4―3浦和(7日・パナスタ)

 2026―27年のJ1が7日に開幕し、浦和はG大阪に3―4と競り負けた。曺貴裁新監督を迎えて臨んだ初陣で黒星発進となったものの、数的不利を跳ね返そうとするチームに、変化の予兆が確かに見えた一戦となった。

 試合は浦和が1点リードで迎えた前半22分、MFサビオがこの日2枚目のイエローカードを受けて退場となる。数的不利を強いられた浦和は、前半のうちにG大阪に逆転を許してしまう。

 しかし、後半に入るとチームは息を吹き返した。4―3―3からサビオ退場後は4―4―1で耐えていた布陣を、後半から3―4―2へと大胆に変更。DFラインの数的同数を受け入れた上で、前からのプレスを敢行した。

 「W杯でも10人になったからといって、絶対に負けるわけではない。後半、1点を返さないといけない中で、前半と同じやり方をしていると、相手のシュートミスを待つ展開になってしまう。そうではなく、ラインを高くして、後ろを同数にしても行く、という戦術の変更をしたことがうまくいった」

 曺貴裁監督が明かしたこの戦術的変更が的中し、浦和は後半に2点を奪い、一時は逆転に成功する展開を作り出した。

 指揮官の描いた狙いを、選手たちはピッチ上で見事に体現した。右ウィングからポジションを移した金子は右ウィングバックとして何度もクロスや突破を仕掛け、中央でのダイビングヘッドでゴールをこじ開けた。また、前線や中盤でマルチな役割をこなした渡辺は2アシストをマークした。

 その渡辺は、自身の決定機逸などを悔やみながらも、この試合で見えた確かな光にも言及した。

 「ビハインドになった時の戦い方、チームの推進力、気持ちの部分は少なからず変えてきたものを発揮できたと思う。開幕戦の黒星で、それがまた変わってしまわないようにチームとして戦っていきたい。もちろん、勝たなきゃ意味がないんですけど、その部分を変えていけるだけのメンタリティー、技術を持った選手は多いと思うので、下を向かずにやっていきたい」

 さらにDF宮本も、チームの確実な変化に手応えを口にする。

 「前に出て行く力や、ボールをもらって前を向いてひとり剥がす、取られたボールを違う選手が取りに行く。当たり前のことかもしれないですけど、今まで僕らがおろそかにしていたところはあると思うので、曺さんになって大きく変わってきた部分かなと思います」

 その上で、終盤の2失点による逆転負けを悔やみつつも、チームの進化を前向きに捉えた。

 「アウェーで逆転されたら、ずるずる行ってしまうのが今までの僕らだった。結局勝たなきゃいけないけど、10人になっても一度逆転する力、点が決まらなくても常に前向きに攻撃し続ける姿勢を貫き続けるとか、まだ曺さんのサッカーをまだ1か月間しかやっていない中で、ここまでできたことはポジティブだと思う。一歩目は踏み出せたと思いますけど、これからずるずると後退しないように、一歩一歩前を向いて歩いて行きたい」

 試合には敗れたものの、指揮官の「選手たちは躍動感を出して戦ってくれた。1人少ない中で、相手ゴールに向かう姿勢を失わなかった浦和レッズの新しい一歩を確信することができた」という言葉通り、この一戦は新体制の浦和が目指すアグレッシブなスタイルの芽吹きを十分に感じさせるものだった。

 敗れこそしたが、19歳MF笹、22歳DF工藤、南野と若手の躍動も見られ、シュート数ではG大阪の11本を上回る18本を放ったこの試合。そして苦境に屈せず前を向き続けた90分間は、これまでの浦和のイメージを覆す確かな変化の予感に満ちていた。この敗戦を糧にどう成長を遂げ、次節以降のピッチでどんな躍動を見せるのか。

新シーズンでの真価が試されるのはここからだ。(金川 誉)

編集部おすすめ