「絶対に応援クラブを変えてはいけない?」 “複数クラブを愛す...の画像はこちら >>

好きなクラブは…… Photo/Getty Images

増え続ける“好きなクラブ”

英国紙『The Guardian』が、サッカーファンにとって永遠のテーマともいえる「応援するクラブを変えること」をめぐる読者の声を紹介している。

きっかけとなったのは、「サッカーファンは応援するクラブを変えることがあるのか」という同紙の記事。

これに対し、複数のクラブに思い入れを持つファンや、「一度応援すると決めたクラブを変えるべきではない」と考えるファンから、さまざまな意見が寄せられた。

その中で紹介されたのが、イングランドのミルウォールを応援するマイケル・オピッツ氏の体験だ。

オピッツ氏にとって、メインとなるクラブはあくまでミルウォール。家族の多くもミルウォールを応援しており、自身も同クラブが3部リーグまで降格する姿を見届けてきたという。

しかし、そこで気持ちが揺れた。

より高い技術を持つプレイを目にし、トッテナムやアーセナルを応援する友人たちの影響も受けるようになった。本人は「彼らは私が両クラブに好意を持っていることを決して理解してくれないだろう」と記している。

さらに、ドイツの家族からフライブルクのユニフォームを贈られたことで、同クラブも“ドイツで応援するチーム”になった。セルティック・パークでチャンピオンズリーグのチケットをプレゼントされたことから、セルティックにも思い入れを持つようになったという。

現在はスコットランド国境地帯に住み、地元クラブのガラ・フェアリーン・ローヴァーズにも注目している。

「どのチームを応援しているの?」と聞かれると、オピッツ氏は少し恥ずかしそうに「ミルウォールだけど……」と答えるという。

そして最後には、「私はただサッカーが大好きなんだと思う」と締めくくっている。


一方で、別の読者からは真逆の意見も寄せられた。

ニール・ベイジ氏は、人生の中で妻を変えることも、政治的な考えや宗教観が変わることもあるとしながら、「サッカーの忠誠心だけは決して変えてはいけない」と主張。成功しているクラブに乗り換える「栄光追随主義」は、ファンとして許されない行為だという厳しい考えを示した。

さらにQPR(クイーンズ・パーク・レンジャーズ)のファン、アリエル・J・フリードランダー氏も、50年間にわたってクラブを応援してきた経験を紹介。

父親と一緒にスタジアムへ通った思い出があり、監督や選手、会長が入れ替わってもクラブへの愛情は変わらなかったという。

「昇格も降格もある。カップ戦ではなかなか勝てない。それでもファンは残る」

そんな積み重ねこそがクラブのアイデンティティーを作り、ファンがクラブに命を与え、クラブがファンに希望を与える――。フリードランダー氏は、長年苦しみながらも応援を続けることにこそ、サポーターとしての意味があると訴えている。

応援するクラブは一つでなければならないのか。それとも、サッカーそのものを愛するからこそ、複数のクラブに心を動かされるのか。

英国で交わされた議論は、クラブへの「忠誠心」と、サッカーを楽しむ自由のどちらを重視するのかという、ファンにとって永遠に答えの出ない問題を浮き彫りにしている。

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