◆第108回全国高校野球選手権大会第6日 ▽1回戦 明徳義塾1─2x日南学園(10日・甲子園

 2002年夏の優勝校で2年ぶり24度目の出場となった明徳義塾(高知)が、日南学園(宮崎)に逆転でサヨナラ負けを喫し、2年ぶりの白星はならなかった。

 馬淵史郎監督(70)にとっては、春夏通算40度目の甲子園。

中盤までは名将の読み通りに推移した。試合前に「機動力を使っていきたい」と得点の形をイメージすると、初回に盗塁を絡めて先制。3、4番を中心に左の強打者がそろう日南学園対策として「左ピッチャーの方が抑えやすい」と背番号10の藤本優善(2年)を先発に起用すると、快投でゲームメイクした。

 1点リードで終盤に入る試合巧者ぶりを見せたが、1-0の7回に犠飛で同点とされ、9回にエース右腕の田宮諒太郎投手が2死から3連打を許してサヨナラ負けを喫した。

 馬淵監督の一問一答は以下。

 ―試合を振り返って。

 「似たようなチームですからね。最初の方はうちにちょっとツキがあるような感じでね。やっぱもうミスするとダメですね、甲子園はね。ミスなしだったら勝っとった試合ですからね。甲子園はちょっとしたミスでね、やっぱり流れが変わるというのを感じましたね」

 ―5回にチャンスがあった。

 「あの辺りでもう1点欲しかったですね。

ライト前ヒットで突っ込んでもらいたかったのをランナーコーチが止めたでしょ。あれ大きかったと思うけどね。まあ分かりませんけどね、アウトかセーフは。2アウトで次が左バッターだけにね、勝負してもらいたかったですけどね。ランナーコーチに言わすと、エースの子がライトだったから、肩強いからちょっと無理かなと思ったと。それは判断ですから仕方ないですけど、同じアウトになるなら、突っ込んでアウトになった方がいいと思いますけどね。結果論ね」

 ―試合展開について。

 「あと一押しが。うちが追加点取れるチャンスが何回もあって取れずに、中盤あたりからすごく嫌な感じになってきてるんですよね。向こうは向こうでしのいでしのいで点をやってない。俺たちのペースになるんじゃないかという。あの辺が勝負のあやでしょうね。

なかなか自分との戦いですよね。まあ、まだまだやることが足りないんでしょうね、この勝負を勝てないということは。最後の点の取られ方はもう流れでしょうね。あれ先っぽで三遊間打たれたんですけどね。いい当たりじゃないんですけど、流れ的に。2アウトランナーなしからあそこまで持っていったら、やっぱり非常に嫌な展開ですよね。まあ実力は似たようなもんです。今日帰って、明日から練習やります。ああでもない、こうでもない言うて考えるよりは、新しいスタートした方が踏ん切りがつくんですよ。毎年そう思ってます」

 ―9回2死走者なしからの難しさ。

 「やっぱホッとするんだろうかね。もう1人、もう1人。

甘いところに行ったんでしょうね。3人目に代える選択肢はなかったからね。もううちは3人目だったら、1年生の松本というピッチャーなんですけども。この舞台で1年生を行くかということでね。僕はタイブレークのことを考えていたんですよ。いろんなことを考えていたらサヨナラになった」

 ―新チーム結成からの歩み。

 「でも、よくやったと思いますよ。この新チーム結成してから長打力もない、140キロを超えるピッチャーもいない。ちょっとした隙を突いてなんとかバントを絡めて、“ザ・高校野球”じゃないけど。まあ、いい素材が入ってくれるに越したことはないですけどね。スカウト合戦みたいになってね。そういう選手が集まった時は強いし、集まらなければ、とかいうようなのは、僕は高校野球は衰退していくんじゃないかと思いますけどね。

やっぱり、ちっちゃい子でも、しっかりしたキャッチボールからやって、野球の面白さを教えて、体がちっちゃくても、足が遅くても、肩が弱くても頭使ってやれりゃ、高校野球まではできるんだという。そういうようなことを僕は常に言っているんですけど。プロ行けそうな子が3、4人入ってくれればそんなこと言わないかも分かりませんけどね(笑)なかなかね、監督っていうのは来た人間で何とかせないかんという。そういう点ではよくやったと思いますよ。一時はちょっと甲子園無理かなと諦めた時期もあったんですけど。それでも一生懸命やれば、ここまではやれるというのを証明したと思いますけどね」

 ―勝てば、沖縄尚学と横浜(神奈川)との対戦だった。

 「なんとかね、どんな勝ち方でも勝って、次の沖縄尚学と横浜の勝者とどんな試合ができるかやってみたかったが、なかなかそこまでいかなかった」

 ―その試合の勝敗予想を。

 「いやあ、分かりませんね。どうなのかね。五分じゃないですか。うちは去年横浜とやって1勝1敗だったんです。織田くんには完璧に抑えられた。

沖縄尚学の比嘉監督はピッチャーを教えるのがうまいですからね。どういうふうにいくのか。面白いですよ。この試合は気楽に見れるわ、もう!(笑)」

 ―今後について。

 

 「もう僕も、そろそろ引退なんてね。何にも考えていないけど。まだ今年立てるのかなと思ったけど。まあまあ、あと2年はやろうと思ってますよ」

 ―エネルギーの源は?

 「野球は面白いですよ。面白いし、男が一生をかけてやってもいいスポーツだと思っています。ちょっとしたことで、大きく変わったりするんですよ。やればやるほど面白いスポーツ。野球ほど面白いスポーツはないんじゃないかな。

気力と体力が続く限り。後進も育っているし、あと2年ぐらいはやってね。最後バトンタッチしたい。辞めるんやったら、辞める年に公言しますから。今年で辞めるって」

 ―あと2年というのは記念大会を目指して?

 「今年の1年生がかなり有望なんです。彼らが3年になった時に、全国優勝を狙おうと、1年生には言っているんですよ。まあまあの素材がいる。特別じゃないですよ。これを鍛えたら面白いんじゃないかなって選手が複数おるし。来年入ってくる選手で、いいのが入ってきたら、ミックスしたら、1年生が 3年生になった時は、そこそこかなと。しかもセンバツは記念大会。ということは四国3校ですから。 2校じゃない。なんとか粘りついてでも、3校に入ってセンバツに出ればですね。その年で僕はけりをつけて。体は全然大丈夫なんです。気力もあるんですけれども。あと2年間はやりましょう。あと 2年のうちに、何回甲子園に出られるか。 1回も出てこれへんか、それはわからんけど。精いっぱい頑張ります」

 ―引退後のことは?

 「女房からは『あんたいつまでやるの?』と言われています。日本一周、温泉巡りをしたいですね。全部チェックしてますから。BSで秘湯を。いろんなところの高校野球を見て回りたいですね。ぶらっとね。何も言わずに外野からチラッと見てね。80まで生きれたらええと思ってるんじゃけん。ほんならもう、あと10年はやっぱりやりたいことをやっとかんとね」

 ―今のスカウト競争をどう考えるか?

 「スカウト競争を聞いたらもう、すごいですね。監督が自ら行くんじゃなくて、スカウトマン的な人もおるみたいで、その人らがファンなのかどうなのか、いろんなところから情報が入るんでしょうけど、すごいですもん。うちら、そんなのないですよ。僕はね、ここ 7年ぐらい 1回も行ったことがないんです。もう行かない。行ったって負けるから。ダシに使われるだけなんですよ。相手に『明徳も来てるらしいですよ』とか言われて、それやったらね、行かんとこうと。だからウチに入ってくるのは大体、OBの子どもとかOBの紹介。長年、毎年 1人ずつぐらい来てるようなチームの監督さんとか代表が『これは明徳向きですよ』とか。『あれ、いいじゃないですか』『あれどうなんですか』『いや、あれは大阪のどっかなんですよ』とか言われて、もう腹立つ(笑)。明徳に来て野球コツコツ、いろんなことを教えていったらね。野球の面白さもわかるし。『野球はこういうスポーツなんだ』ということがわかり出したら、子供たちは将来、指導者になれると思う。ちょっとしたことで、こんなに野球って変わるんだっていうことが分かったらね」

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