◆JERAセ・リーグ 中日4―0阪神(26日・バンテリンドーム)

 大粒の汗を流しながら、常に表情は変わらなかった。40歳の涌井が6回5安打無失点で4勝目。

横浜高の恩師、渡辺元智さんが17日に亡くなってからの初登板。「プロに入る土台をつくってくれた方。少しでも供養になったら」。最速149キロと衰えぬ直球に多彩な球種を操り「守備にも助けられ、いい試合だったのでは」と、うなずいた。

 通算170勝。同校の先輩の松坂氏の日米通算に並んだ。「家に帰ってかみしめたい」。04年のドラフト1巡目で西武入りし、2年間はともにプレー。「とても追いつける人じゃないと思った。投球も人柄も、あの人にしかないものがある。簡単には超えられない。並べたことは、すごくうれしい」。

しかも、同門の伊藤将との投げ合い。OBの現役最年長として「横浜高校の野球はすごいんだぞと、まだまだ見せたい」と誓った。

 亡き恩師について、初めて口を開いたベテラン。訃報については「本当なのかな。実際に報道が出た後も信じられなかった」と振り返った。歴代5位タイ、甲子園51勝の名将から授かった財産は胸の中。「もういろんな人が(感謝の言葉などを)言っているし、別に言わなくても。横浜高校はみんなそういう気持ちを持っていることが伝わればいい」と静かに弔った。

 チームは今月2度目の5連勝。3位と1・5ゲーム差に迫った。最大12・5差から逆転は現実的。投手陣最年長はまず「流れを継続できて良かった」と語った。

前回3位の20年はコロナ禍で開催のなかったCS。14年ぶりの進出が期待されるが「阪神が優勝を決めているわけでもない。3位を目指すより、CS争いというよりも勝つだけ」と原点を強調した。全国屈指の名門で育ったプロ22年目。投球にも言葉にも、貫禄が漂った。(安藤 理)

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