ゲストは、住友ベークライト株式会社 フィルム・シート営業本部 P-プラス・食品包装営業部の下重勝則(しもじゅう かつのり)さん。1911年に日本初のプラスチック製造を手がけて以来、日本のプラスチックの歴史を牽引してきた住友ベークライト。

特殊なフィルムでお肉をぴったり包み込む「スキンパック」は、真空状態でお肉のおいしさをキープするんだとか。フードロス削減や食品業界の働き方改革にも貢献する、住友ベークライトの取り組みをうかがいます。

日本のプラスチック工業のはじまり

西田 「ベークライト」という社名は、とてもかっこいい響きですね。どんな由来があるんですか?

下重 世界ではじめてプラスチック樹脂を発明したベークランド博士にちなんで、日本でも「ベークライト」という商品名になったんです。

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西田 住友ベークライトは、プラスチックをつくる会社としてはじまったんですね。

下重 1911年に日本ではじめてプラスチックを製造しました。日本のプラスチックの歴史は、わたしたちからはじまったんですよ。

西田 100年を超える歴史を誇っていると。住友ベークライトの手がけるプラスチックは、どんなところに使われているんでしょうか?

下重 主力製品は「半導体封止材」です。みなさんの目に触れる機会はなかなかないですが、電子製品の基板の上から、半導体を包んで保護する素材をつくっています。

“肌”のようにぴったりくっつくフィルムで、お肉をよりおいしく長持ちさせる

住友ベークライト株式会社ホームページより引用

西田 パソコンのCPUなどを包んでいる、黒い部分ですね。

下重 おっしゃるとおりです。世界シェアではトップを誇っています。

“肌”のようにお肉に密着

西田 世界に誇る技術力の住友ベークライトは、食品包装の分野でもすばらしい技術を持っているとうかがいました。

下重 フィルムやトレーの上に食品を載せてパックする「スキンパック」のフィルムを手がけています。名前のとおり、肌が身体をぴったり包むように密着するのが特徴です。

“肌”のようにぴったりくっつくフィルムで、お肉をよりおいしく長持ちさせる



西田 ふつうのパックだとできてしまう“すきま”がうまれないと。やっぱり特殊なフィルムを使っているんですか?

下重 はい。スキンパックのフィルムには、酸素を遮断する素材やお肉に密着しやすい素材など、いくつかの層が組み合わされています。

西田 フィルムは透明ですごく薄いのに、何層も重なっているんですね。おどろきました。

下重 加熱して柔らかくしたフィルムをお肉に添わせて空気を抜くと、フィルムがぴったりくっつき、真空状態になるんです。

西田 なるほど。真空状態でパックすると、どんないいことがあるんですか?

下重 いちばんは、お肉が空気に触れないことです。酸化しないので、賞味期限が長くなります。

西田 長持ちするんですね。

下重 メリットはそれだけではありません。フィルムがお肉にしっかり密着しているので、ドリップ(肉汁)が出にくいんです。

西田 おいしさが逃げていかずに、旨味をキープできると。

下重 ドリップが出てくると、雑菌が繁殖しやすくなります。それを防ぐことで、お肉がより長持ちするんです。

“長持ち”でおいしさにも働きやすさにも貢献

西田 お肉が長持ちすると、熟成してよりおいしくなりそうですね。

下重 おっしゃるとおりです。うま味成分の「遊離アミノ酸」がだんだんと増えていくので、よりおいしく味わえます。

“肌”のようにぴったりくっつくフィルムで、お肉をよりおいしく長持ちさせる

西田 賞味期限が伸びてフードロスを減らせるだけでなく、熟成が進んでおいしくなるという“おまけ”までついてくると。

下重 さらには、食品業界の労働力不足を解決していく可能性も感じています。

西田 どんなふうに役立つんでしょうか?

下重 スキンパックで賞味期限が伸びると、お店でお肉を加工・包装する頻度を減らせます。だから、精肉スタッフの方々の忙しさを軽減できるんです。

西田 真空状態でおいしさがキープできると、まとめてパックしておけますもんね。今後の目標はどうお考えですか?

下重 数年後には、お店に並ぶお肉の3割ほどを、スキンパックで包装してお届けしたいです。

西田 これからますます、スーパーの売り場でスキンパックを見かけるのをたのしみにしています。

“肌”のようにぴったりくっつくフィルムで、お肉をよりおいしく長持ちさせる

(TBSラジオ『見事なお仕事』より抜粋)

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