W杯効果でビールが爆売れ…… スタジアムでは29万杯超を販売...の画像はこちら >>

ビールの売り上げは順調だが…… Photo/Getty Images

特需でも覆せない世界的なビール離れ

ワールドカップは世界中のサッカーファンを熱狂させ、開催地ではビールの売り上げも急増した。しかし、その熱狂だけでは世界のビール業界が抱える課題を解決するには至らないようだ。



米『AP』によると、今大会ではアメリカ各地でビール需要が急増。フィラデルフィアでは6試合で約29万杯のビールが販売され、ボストンでは試合日に樽が空になるほどの盛況ぶりだったという。

ボストン・ビア・カンパニーの創業者ジム・コック氏は、スコットランド代表戦の日には緊急配送を実施したことを明かし、「12秒に1杯のペースでビールを提供していた」と振り返った。

一方で、業界全体を取り巻く状況は決して明るくない。アメリカではビール消費量がこの10年間で減少傾向にあり、カナダや欧州でも同様の流れが続いている。健康志向の高まりや節約意識の強まりに加え、ノンアルコール飲料や“ウェルネス飲料”への需要拡大も背景にあるという。

それでも今大会の開催都市では、バーやレストラン、スタジアムなどでのビール販売が前年同期比14%増を記録。全米ベースでも4%増加するなど、ワールドカップが大きな経済効果をもたらした。

大会スポンサーのABインベブは世界40カ国で約20万件のパブリックビューイングを支援し、モルソン・クアーズもマーケティング費用を大幅に増額するなど、各メーカーは大会需要の取り込みに力を入れた。

しかし、業界では「この盛り上がりが大会終了後も続くか」は未知数との見方が強い。実際、メキシコやブラジルの敗退後には関連企業の株価が下落する場面もあり、代表チームの勝敗が消費行動に大きく影響する現実も浮き彫りになった。

それでも関係者は、2028年ロサンゼルス五輪など今後の国際スポーツイベントに期待を寄せる。
コック氏も「ビールは1万年以上にわたって人類とともに歩んできた。これからも人々が集まり、時間を共有する場には欠かせない存在であり続ける」と語り、ビール文化の底力に自信を示している。

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