「今もサッカーが好きなのか、それとも……」 37年ぶりに古巣...の画像はこちら >>

英紙記者が自問 photo/Getty Images

サッカーを愛しているのか自問

「自分は今もサッカーを観に行くのが好きなのか。それとも、好きなのはサッカーそのものではなく、サッカーを観ていた頃の記憶なのか――」

英紙『The Guardian』のマックス・ラッシュデン記者が、そんな問いを自身に投げかけた。



ラッシュデン記者が訪れたのは、イングランド4部相当のリーグ2に所属するケンブリッジ・ユナイテッドの本拠地。27日のカラバオカップ2回戦で、ケンブリッジはミルウォールに0-1で敗れた。

しかし、記者にとって重要だったのは試合結果ではない。10歳だった1989年、父親に連れられて通っていたスタジアムに、友人のクライヴとともに37年ぶりに戻ったことだった。

当時、ケンブリッジはハートリプールに6-0で勝利。記者の記憶はぼんやりしているものの、友人にとってはその試合が初観戦だったという。一方、自身の初観戦はエクセターとの2-2の試合だった。

10歳の子どもにとって、試合以外にも気になるものは多かった。タバコの煙、飛び交う悪態、大声で叫ぶ大人たち。そして、パニーニのステッカーや、将来どのカテゴリーでプレイしているか――。サッカー観戦は「選択」ではなく、毎週の生活の一部だった。

37年後、2人は同じスタジアムのメインスタンドに座った。


ただし、試合は決して名勝負ではなかった。ミルウォールのジェイク・クーパーが早い時間帯に先制し、ケンブリッジもそれなりにボールを動かしたものの、最後までゴールをこじ開けられなかった。

かつては「誰のシュートが一番うまいか」といった話をしていた2人も、今では子育てや住宅ローン、家族、そして「退職」という恐ろしい話題について語るようになった。

さらに記者は、試合そのものに退屈している自分にも気づく。延長戦やPK戦を見たいとも思わず、むしろ試合後にパブで一杯飲むことを楽しみにしていたという。

そこで浮かんだのが、「自分は本当に今もサッカーを愛しているのか」という疑問だった。

それでも、スタジアムへ向かう道には強烈な懐かしさがあった。サポーターが歌うチャント、照明塔、近くのパブ、そして少年時代とほとんど変わらないスタジアムの景色。多少の改修はあっても、レンガや黄色い木製の扉、古びた回転式ゲートまで、1990年代の記憶とほぼ同じだった。

記者は現在、ケンブリッジから約1万マイル離れた場所に暮らしている。だからこそ、かつて毎週のように訪れていた場所に戻る機会はほとんどない。

だが、そこで改めて感じたのは、自分がいなくてもサッカーは続いていくということだった。


試合後には、まだ声変わりもしていないような少年たちが、ケンブリッジのユニフォームを着てスタジアムの前を走り抜けていった。自分が10歳だった頃と同じように、別の少年たちが今、この場所でサッカーに夢中になっている。

「サッカーそのもの」への情熱が少年時代と同じではなくなったとしても、スタジアムには変わらないものがある。

自分が毎週のように通っていた場所は、自分が離れてからもずっとそこにあり、新しい7歳の子どもたちがメインスタンドに座り、18歳の若者たちが北スタンドで声を上げる。

そして、たとえ何年に一度しか戻れなくても、そこは不思議なほど「家」のように感じられる。

サッカーを愛しているのか、それともサッカーを愛していた自分を懐かしんでいるのか。

その答えは簡単には出ない。それでも、スタジアムに戻れば、かつて自分の人生の一部だったものが今も続いている。その事実だけで、37年ぶりの帰還には十分な意味があった。

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