株の街である日本橋兜町は夏になると親子連れの姿が多くなる。夏休みに金融・投資セミナーが開催されるためだ。

東京証券取引所が開く「シェア先生の親子経済教室」や楽天証券が13日に主催した「親子で学ぶ資産づくりスクール」では親子で「お金と投資」について向き合った。参加者からは「こどもNISA」に高い関心が寄せられた。


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「お金」について子供と向き合うためには?まずはコミュニケーション

 「ちっちゃいことは気にするな!ワカチコ、ワカチコ!」――東京証券取引所の2階、独特な重厚さを醸し出す東証ホールにお笑い芸人のゆってぃ氏と子供たちの声が響き渡った。楽天証券が8月13日に主催した「親子で学ぶ資産づくりスクール」の一幕だ。


 ゆってぃ氏とともにFOX UNION代表・元TBSアナウンサーの国山ハセン氏と6児の父であり家計再生コンサルタント・マイエフピー代表の横山光昭氏とのトークセッションで「お金との付き合い方」を探った。


夏休みだから親子で考えるお金と投資 「こどもNISA」どう活用?
楽天証券撮影

 もともと子供のころから預貯金が好きだったというゆってぃ氏。それでも一児の父となった今、「子供にお金についてどのように教えればよいのか分からない」という。月に一度、家の収入や支出、貯蓄額から投資額までを議論する「家族マネー会議」を開いている横山氏は「いきなり難しい話ではなく、子供の気持ちを探りながらコミュニケーションが重要だ」と説明した。


「ちっちゃいことは気にするな」が決めぜりふでも生活費や移動費、毎月の収支を細かくメモに取っているというゆってぃ氏に国山ハセン氏が「ものすごくちっちゃいことを気にしているじゃないですか!」と突っ込む場面もあった。


 対して「日頃のお金との向き合い方が重要」と横山氏が説きながら子供の夢や貯蓄・投資など幅広いテーマを話し合い、会場の親子も大きくうなずく場面もあった。


20分で満席の「シェア先生の親子経済教室」、手触り感を重視

 東京証券取引所が夏に開く「夏休みシェア先生の親子経済教室」は小学生向けの会は申し込み受付開始から20分で定員に達するほどの人気ぶりだ。申し込み開始から1時間で満席になったという中学生向けの会を覗いてみると、経済や株式会社、取引所の仕組みを身近な例えから体系的に学ぶものだった。


 例えば、参加型のロールプレイでは参加した中学生が会社の社長に扮(ふん)し、東京証券取引所社員のヒントを得ながら株式の発行、企業の運営、投資家への利益配分を行う。投資家役の他の参加者はもらえる配当や株式について考え、模擬取引も学ぶ。


夏休みだから親子で考えるお金と投資 「こどもNISA」どう活用?
楽天証券撮影

 東京証券取引所の金融リテラシーサポート部の吉田貴弘課長は「手触り感を重要視して経済教室を運営している」と説明する。


 身近にある商品を購入するとどのようにお金が回っていくかなどを参加者が考えるパートもあり「自分たちの暮らしに関係する株式のベーシックな知識を得られる場にしたい」とも話す。目に見えにくい金融取引だからこそ「親子での会話の材料などでお金と投資の話の日常化につながれば」と期待を込める。


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楽天証券撮影

「投資に親しんでほしい」親からのメッセージ、多くが気にする「こどもNISA」

 セミナーや経済教室の参加者に直接話を聞いてみると、いずれも親御さんが「子供に投資に親しんでほしい」との思いから申し込みをしたと話す。インフレの時代だからこそ投資との向き合い方を幼少期から教えたいとの思いもあった。子供からは純粋に「楽しかった」との声が多く、東京証券取引所内をタブレットやスマホで熱心に写真を撮る子も多かった。


夏休みだから親子で考えるお金と投資 「こどもNISA」どう活用?
トウシル&メディア編集部撮影

 親御さんの多くが気にしていたのは2027年1月から始まる「こどもNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」だ。小学生の男の子とシェア先生の親子経済教室に参加したあるお父さんは「私自身が投資の世界に入ったのは(2023年に新規投資・口座開設が終了した)ジュニアNISAからです」と話す。ところが、「こどもNISAとの詳細な違いがまだきちんと理解できていません」という。


 こどもNISAは2027年1月から始まる新たな非課税投資制度だ。0~17歳までの子供名義で開設でき、年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円となる。


 ジュニアNISAは上場株式も投資可能だったが、こどもNISAは「長期の積み立て・分散に適した一定の投資信託」のみだ。

こどもNISAでは一定の要件の下、子供の年齢が12歳以降は引き出しが可能となり、18歳になると自動的に現行のNISAに移行する。


夏休みだから親子で考えるお金と投資 「こどもNISA」どう活用?
出所:楽天証券

 楽天証券の資産づくりスクールに参加した親御さんからは「こどもNISAを始めるだけでなく子供と一緒に投資をやってみようと考えている」や「投資の話は子供にしていたもののNISA口座はまだつくっていなかったのでさっそくつくろうと思う」と前向きな声があった。直接インタビューした親子からも「こどもNISAは活用したい」という意見が聞かれた。


 かつて日本では「お金の話はタブー」という風潮があった。しかし現代では、中学校の公民で経済の仕組みや貯蓄、投資などを教えるようになり子供にとっても少しずつお金や投資が身近になりつつある。残り少ない夏休みだが、改めて身近なお金や将来の投資について、親子・家庭で考えてみる機会を設けてみてはいかがだろうか。


(中山 桂一)

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