「自分は怒っていない」と思う人ほど要注意…“人の気持ちがわからない人”に共通する「感情への鈍感さ」
「自分は怒っていない」と思う人ほど要注意…“人の気持ちがわからない人”に共通する「感情への鈍感さ」

「あの人は、どうしてあんなに人の気持ちがわかるんだろう?」。他人の感情に敏感で、自然と周囲から信頼される人がいる一方、相手が困っていたり、落ち込んでいたりしても、そのサインに気づけない人もいる。

その違いはどこにあるのか。実は、人の気持ちを読み取る力と深く関係しているのが、「自分自身の感情に気づく力」だという。「自分は怒っていない」「大丈夫」と感情に蓋をしていると、他人の感情まで見えなくなってしまうこともある。“なぜか好かれる人”が身につけている「気づく力」と、その鍛え方とは。『「好かれる人」のこれだけ いつも選ばれる人に変わる非認知能力のトリセツ』より一部を抜粋、編集してお届けする

自分の感情に気づける人だけが、相手の感情を見つけられる

「あの人は、どうしてあんなに人の気持ちがわかるんだろう?」

そう思ったことはありませんか?実は、他人の感情に敏感な人には共通点があります。彼らは、まず自分の感情に敏感です。

・自分が「悔しい」と感じた経験があるから、相手の悔しさに気づける
・自分が「不安で眠れなかった夜」を知っているから、相手の不安に寄り添える
・自分が「認めてほしかった瞬間」を覚えているから、相手の承認欲求に気づける

こんなふうに、自分のなかにある感情を知っている人だけが、相手のなかにも同じ感情を見つけられます。

逆に、自分の感情に鈍感な人はどうでしょうか?

・イライラしているのに「自分は怒っていない」と思い込む
・落ち込んでいるのに「大丈夫」と蓋をする

こういう人は、相手がイライラしていても、あるいは落ち込んでいても気づきません。

自分のなかで経験していない感情は、相手のなかにも見えないからです。

私自身、SE時代は自分の感情に蓋をして生きてきました。正確には、そもそも感情というものを意識しておらず、「感情的になるのは、プロじゃない」と思っていました。

でもその結果、周囲の人たちの感情にも気づけなくなっていました。同僚が困っていても、部下が落ち込んでいても、気づけなかったのです。

感情を封印することで、人の気持ちを読む力まで封印してしまっていた、というわけです。

自分の感情に敏感になることから始めよう

職場でよくある場面を想像してみてください。

部下がミスを報告しに来たとき、自分が焦っていることに気づけなければ、つい強い口調になってしまいます。「なんで、こんなことになったんだ!」と責めてしまうかもしれません。

けれど、「いま、自分は焦っているんだな」と自覚できれば、深呼吸をひとつして、落ち着いた声で「報告してくれてありがとう。一緒に改善策を考えよう」と言えます。

部下は安心し、あなたへの信頼が深まるでしょう。

この違いは、能力の差ではありません。自分の感情に気づけているかどうか、ただそれだけの差です。では、どうすれば自分の感情に気づけるようになるのか?

気づきの好循環を生む3ステップ

感情に気づくための具体的なステップは3つあります。

ひとつ目は、体のサインを探すこと。

心の変化は体に表れます。指先が震える、肩がこわばる、呼吸が浅い、顔が熱い、などなど。まずは、こうした体に表れるサインに注意を向けることから始めましょう。

2つ目に、感情に名前をつけることです。

「イライラ」「不安」「ワクワク」など、感情を言語化して、自分のなかでラベルを貼るだけで、冷静かつ客観的に、そうした感情を抱いている自分を扱えるようになります。

3つ目は、言葉にすること。

「いま、私はちょっと焦っているな」と口にするだけでも、自分を落ち着かせられます。チームで共有できれば、相互理解も深まります。

この「感情に気づくための3ステップ」を身につけると、自分の感情に的確に気づけるようになります。

そして、ここからが大事なポイントです。気づきには「好循環」があります。

気づく→行動が変わる→周囲の反応が変わる→さらに気づく

このループに入った人は、短期間で驚くほど印象が変わります。「なぜか好かれる人」は、この好循環のなかに自然と身を置いている人のことだと言ってもいいでしょう。

あなたが最初に気づくべきは、相手の変化ではありません。まずは自分のなかにある感情に気づくこと。

それが、「気づく力」を育てるための第一歩です。

〈これだけ〉
自分のなかの感情について、自分で気づいて把握していないと、相手のそれもどんなものか想像できず変化やサインに気づけない。自分のなかにある感情に気づき、見つけて、把握しよう。

文/白石慶次 写真/shutterstock

「好かれる人」のこれだけ いつも選ばれる人に変わる非認知能力のトリセツ

白石 慶次
「自分は怒っていない」と思う人ほど要注意…“人の気持ちがわからない人”に共通する「感情への鈍感さ」
「好かれる人」のこれだけ いつも選ばれる人に変わる非認知能力のトリセツ
2026/8/101870円(税込)272ページISBN: 978-4799114377悪い人ではないのに、なぜか人との距離が縮まらない。
頑張っているのに、なぜか評価されない。

そんな悩みの原因は、性格やスキルではなく、「自分が思っている自分」と「相手に見えている自分」のズレにあるのかもしれません。
そのズレに気づかないまま頑張り続けると、努力しているのに伝わらない、悪気はないのに誤解される、なぜか周囲から選ばれない、という状態が続いてしまいます。

非認知能力とは、学歴やIQでは測れない「信頼される力」や「一緒にいたくなる力」などの見えない力のこと。
実は、私たちの身の回りでたまに見かける「なぜか、いつも好かれる人」たちは、この「見えない力」を無意識に使い、人との関係を自然に整えています。

本書は、「感じのいい人になりましょう」「気遣いができる人になりましょう」といった、表面的な振る舞いを教える本ではありません。
「好かれる」とは、媚びることでも、自分を抑えて相手に合わせることでもありません。
相手に誤解されず、安心して関われる人になることです。


20年以上にわたり、5,000名以上の人材育成やコミュニケーション・スキル研修に携わり、Apple Podcastビジネスランキング第1位を獲得したPodcast番組『学校では教えてくれない“見えない力”の授業~大人の非認知能力~』のパーソナリティも務める著者が、好かれる人がこっそり使っている「見えない3つの力」を、誰でも日常で使える習慣として解説します。

読み終える頃には、自分がなぜ誤解されていたのか、どうすれば人との距離を縮められるのかが見えてくるはずです。
「頑張っているのに伝わらない」を終わらせ、職場でもプライベートでも「好かれる」「選ばれる」「また会いたいと思われる」人へと変わるための一歩を、この本から始めてみてください。
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