もうかれこれ20年近く前のことになりますが、SILVAの『HEY!HEY!HEY!』初出演時におけるトークが忘れられません。「姉御肌タレント」として一世を風靡した彼女のターニングポイントは、まさにこの番組におけるダウンタウンとの絡みにあったと記憶しています。


いうまでもなく、『HEY!×3』に出演するゲスト・アーティストは、司会のダウンタウンにおいしくイジられてナンボの存在。たとえしゃべりがうまくなくても、篠原ともえやGackt、一人だけイカついスピッツのギタリストのように、何かイジリやすい「引き」が一つでもあればいいのです。

『HEY!×3』初登場で爪痕を残したSILVA


そういった意味でSILVAは、引きの強いキャラをもっていました。加えて、大物お笑い芸人2人を相手にしても、臆することなくキャラを通せる度胸も据わっていました。

トークの序盤、浜田に「君はどこの子なの?」と聞かれると、「東京です」「バリバリ江戸っ子」「23歳です」と質問以上の答えを連射。
このガツガツ感に付け入る隙ありと察知した浜田は「ピチピチです」と発言したSILVAに対し、「全然(そんなこと)あれへんな!」と少々キツめに突っ込み、松本も「ヘソもよう見たらうっすら毛生えてる」と被せます。つかみはバッチリです。


下ネタ連発にダウンタウンも爆笑


そこから、SILVAの経歴について話題が移ると、一気にトーンダウン。浜田が「どういうバイトしてたの?」と聞いてきたものの、「バーとか、コンビニとか…」と、なかなか話に弾みがつきません。

このままでは盛り上がらないと直感したのか、SILVAは「バーとか、コンビニとか、エッ、エッチじゃない……恋愛してました」と回答。どう考えても、確信犯的言い間違いです。しかし、この賭けともいえる一言によって、会場は笑いに包まれます。

そこから一気にギアチェンジしたSILVAは、「彼氏とガンガンヤッてます」「SかMかといえば、Mです」と下ネタを連発。挙句の果てには、「今日もして来ました」と暴露し、これにはダウンタウン2人とも腹を抱えて笑っていました。


結果として、浜田には「こんなやつおれへんかったもん!今まで!」と言わしめ、松本からは「ええ根性してる」と評価されるという、新人タレントとしてこれ以上ない爪痕を残したのでした。

『すけスケシルバ』という冠番組も持っていた


もともと高校卒業後から歌手活動をしていたSILVAでしたが、すぐには芽が出ませんでした。20歳過ぎから「姉御肌キャラ」として少しずつ認知されていき、この『HEY!×3』や同時期にスタートした『SILVAのオールナイトニッポン・コム』での活躍を機に一気にブレイク。

次々とメディアへ登場するようになり、ついには島田紳助とユースケ・サンタマリアもレギュラー出演していた『すけスケシルバ』という、フジテレビ23時台の冠番組を持つまでになっていました。『HEY!×3』出演から、わずか半年後の出来事です。

一度目の結婚はわずか3ヶ月で離婚


しかし、本業の歌手活動は振るわず、オリコン最高位は、5枚目のシングル『ヌード』と6枚目のシングル『ヴァージンキラー』の23位。この2枚を発表して以降、一時期はクラブDJをやってみたり、2008年~2011年までの3年間は、ニューヨークへ留学したりしていたといいます。


また、私生活のほうでは、2002年に一般男性と結婚するも、わずか3ヶ月で離婚。その後、2015年に再婚を発表し、同年12月には無事第一子を出産したようです。

現在41歳で、すっかりいい年齢になっているSILVA。いつの日かまた、かつての彼女のような若くて活きの良い下ネタ女子が、大物のおっさんタレントをタジタジにするところが見てみたいものです。
(こじへい)

※文中の画像はamazonよりヌード