この行事は下北半島の西側にある青森県佐井村で行われている。神社に集まった人々は、はしでおわんをたたきながら「めしーっ」「しるーっ」と奇声を張り上げ、ただただ食べまくる。「おこもり」は江戸時代から続く伝統行事で、漁を妨げる鯨を退散させるために始めたのが起源ともいわれている。白いご飯に、豆腐とキノコのすまし汁、ゼンマイのあえもの、たくあん、というのが定番。
この佐井村の他にもお米をたっぷり食べるという地域がある。
石川県の輪島市久手川町に伝わる「もっそう祭り」。
「もっそう」は円筒形の木の枠で、約五合のご飯をこの枠につめておわんにもって食べることからこの名がついた。そして、何故先人の苦労かというと、この祭りはもともとは藩政時代の厳しい年貢の取り立てに、隠し田で作った米を役人の目を盗んで食べたのが始まりとされているからなのだ。こちらの方は「おこもり」とは違ってちょっとお上品。お椀に盛られた五合のご飯はさすがに食べきることは難しいので祭りの後は各自重箱に入れて持ち帰るのだそうだ。
やっぱり日本人とお米はきっても切り離せないものなのだなぁ。