アンタ、なにモン? ナゾのキャラ「フーモン」
左上から「リンゴフーモン」「落花生フーモン」「うなぎフーモン」。見かけたら、とりあえずツッコんでください。「コイツ、なにモン!?」
ちょっと前に、ギフトショーで気になるキャラクターを見つけた。その名も「ふしぎなフーモン」。

「ご当地シリーズ」として、青森はりんご、茨城は納豆、千葉は落花生など、様々なかぶりものをしている。
キティちゃんにも、ミッフィーちゃんにも似た可愛い雰囲気。だが、ずいぶんすっとぼけた雰囲気にも、無邪気にも、大胆不敵にも見える。
で、アンタ、誰だっけ?

問い合わせ先の株式会社ジー・アローズにたずねてみたところ、
「これは『ふしぎなフーモン』といいまして、ライセンシーさんを探しているところなんです。某家電量販店さんでノベルティとして使われてたこともあるんですよ」
とのこと。
なんだ、全然知らないヤツだった……。

それにしても、どこかで見たことがある気がしたのは、シンプルさゆえ?

ご当地シリーズは単なる一例で、もともとは1年半前、何のかぶりものもしない状態で、「誰が見ても可愛く感じる2頭身キャラ」として作ったものだという。
それが、「風水タオル」を作った際、衣装を着せてみたら、それが「思いのほか、似合っちゃった」のが、いろいろやらせたくなったきっかけのよう。
名前の「フーモン」は、そのまんま「WHO(誰)?+MON(関西弁の“なにもん”?)」。つまり、「アンタ、なにもんやねん?」ということらしい。
「まず一言目に言われるのが、『いったい何者?』ということ。『話すことできる?』『男なの? 女なの?』と聞かれ、作っていくうち、社員もみんな気になってしまって、『コイツ、友達いてんのか? できんのか?』なんて心配も出てきちゃいました……(笑)」

本当は、涙を流したり、怒ったり、いろいろやりたかったそうだが、あえて「無表情」にした。
その理由は?
「表情がないと、見る人の気持ちによって、寂しく見えたり、怒って見えたりするものでしょ?」
これはキティちゃんやミッフィーにも通じる手法だ。と思って、思い出したのが、昨年5月に急逝した画家・石田徹也の遺作集の中の、こんな言葉である。
「結局絵って見る人によるんです。どんな風にでも。その人の生きてきた時間とか、その時の感情とかで、絵は絵じゃなくなるんですよ」(月刊「かもめ」2001年11月号より)

シンプルな丸い顔、姿は、何にでも変幻自在で、どんなかたちにもハマりやすい。どんなアレンジも可能だし、見る人の想像力をかきたてることもできる。

そんな便利さからか、現在、絵本化の話や、お土産屋さんのグッズにも……という話がきているのだとか。
「ご当地キャラ」として、圧倒的なシェアを誇るキティちゃんに、今後、どこまで迫ることができるのか、「ふしぎなフーモン」。
(田幸和歌子)