とんかつは美味しい。美味しいけど、食べるたびに悩んでいることがある。
それは、切り分けられたとんかつのどの部分を「しめ」として最後に食べるか、ということだ。

皆さんはこのジレンマをどのように解消しているのだろうか? まわりの人に調査してみた。

調査の結果、「最後に端を食べる」人と「最後に真ん中を食べる」人は、だいたい半々くらいの割合で存在しているようだ。「最後に端を食べる派」の主張としては、「端から順番に食べないと気がすまないので、必然的に端を最後に食べる」といった律儀な人から、「衣のカリカリ感が好きで、最後にカリカリ感を味わいたいから」といった、カリカリ支持派の意見が多かった。

反対に「最後に真ん中を食べる派」の主張としては、「一番おいしいところを一番最後に食べたい」「大きなところを最後に食べて満足感を味わいたい」といった意見がある一方、「衣のカリカリ感を熱いうちに味わいたいので、まず最初に両端を食べる」という意見もあった。

いろいろ聞いてみた結果、とんかつの食べ方は、「真ん中が好きか、端が好きか」と、「好きな部分を最初に食べたいか、最後まで残したいか」という2つの好みによって分けることができそうな感じであった。


また、まったく別の意見として、「お肉の脂がどこにどれくらいあるかを見て、脂の乗り具合が絶妙な場所を最後に残す」と、入念に脂身リサーチを行ったうえで食べ方を決めるという本格派がいることも判明。まさにとんかつの食べ方は生き様そのもの(?)なのである。

ちなみに、とんかつの“プロフェッショナル”である、とんかつ専門店「かつ辰」の店長さんにお聞きしてみたところ、「一般的には、一番おいしい部分はやはり真ん中になります。私がお客さんだったら、料理が到着したときが一番揚げたてですので、一番おいしい真ん中を、一番おいしい状態で食べますね」とのことで、プロの視点から見ると、最後よりはむしろ最初が肝心のようだ。

結論としては、おいしいとんかつの食べ方は、試行錯誤を重ねながら自分自身で見つけるしかないということだ。そんなことを考えてたら、あー、とんかつが食べたくなってきた。

(珍満軒/studio woofoo)