入学式シーズン。
かつては入学初日といえば、「誰か知り合いが同じクラスにいるかな」とドキドキした人が多かったろう。
だが、今は「入学式前にすでに知り合いだらけ」という状況も珍しくないらしい。

理由は、SNSやTwitter。

まず高校に合格した日から「春から〇高生」などと、LINEの「プロフィール機能」の「ひとこと」などに記載したり、Twitterやフェイスブックなどでアピールする子たちが多数いて、それらを頼りに、同じ高校に通う予定の子たちがフォローしたり、グループを作ったりと、集っていく。

入学前にカラオケやプリクラ、お泊まりなんてケースも!


4月から都立高校に通う女の子は次のように話す。
「LINEで入学予定の高校の新入生グループに入ったら、みるみるメンバーが増えていって、100人くらいになった。学年全体で300人程度なのに。しかも、スマホを放置しているときや、夜寝ている間に、トークが1000件超えていてビックリした。
盛り上がってトークしているのは5~6人で、基本はみんな既読スルーだらけだけど(笑)」
入学前にLINEグループで知り合いになる人が多数いて、その中から個人的なやり取りに発展したり、仲良くなったりするケースも多数あると言う。

また、都内の私立高校入学予定の子は、「入学前にもう集まった」と言う。
「入学前に同じ高校の新入生のLINEグループでプリクラやカラオケに行った。別の学校では、もう何度も遊んでいる人たちもいるし、一部はお泊りしている人たちまでいて、ビックリした」

SNSのグループを「面倒くさい」と思う子も


ただし、こうしたSNSのつながりに抵抗感を示す子も、もちろんいる。
ある県立高校入学予定の男子たちは言う。
「LINEは中学のときからやっているけど、仲良し男子グループ内だけ。クラスや学年、学校など、人数の多いものは関係ないやりとりが大量にきて、読むのが面倒くさいから、次々に退会した」
「高校のLINEのグループがあるらしいけど、仕切ってるのは、人数が多い大学付属中出身者たちだと聞いた。
面倒くさそうなので、招待をスルーしてる」

入学前から「炎上」トラブルになるケースも!


さらに、SNSが原因になり、入学前にすでに他者から「ウザいヤツ」扱いされたり、トラブルに発展したりしているケースもあるそうだ。
都立高校入学予定の女子たちは言う。
「LINEグループの中で、どの塾に行っていたとか、過去問は何冊やったとか、VもぎやWもぎ(民間業者の高校入試用模擬テスト)の判定がどうだったとか、入試の結果が〇点だったとか、プチ自慢大会になっているのを見ると、自己顕示欲の塊ばかりが集まっているのかと不安になる」
「なぜかグループ内で自分の偏差値の低さ自慢で競っている男子たちがいて、正直ひいた」
「LINEのグループでは話さず、Twitterで自分の点数自慢を回りくどい言い方でしている人がいて、いつの間にか同じ高校の先輩たちに見つかり、フルボッコにされていた。入学前に『炎上』を経験するなんて恐ろしい……」

SNSつながりが盛り上がるピークは入学前!?


こうした高校入学前のSNSやTwitterのやりとりは、実は毎年、どこでもあるようで、都内の大学に通う女子はこんな話をしてくれた。
「いるんですよね、毎年、TwitterとかLINEで成績自慢したり、はしゃいじゃったりしているやつ。しかも、実際に高校で会ってみると、たいしたことなかったり、意外とおとなしかったり。実は高校の先生たちもTwitterなどはチェックしていて、『困ったものだ』と話しています。
ただ、LINEのグループなどは、1日にトークが何百件とか千件超えとかになるのは、高校入学前くらいのもので、入学後は忙しいから、やりとりは徐々に減っていくもんです。しかも、トークしているのはほんの数人だけで、2年生くらいになると、どのグループも退会、退会の嵐。ちなみに、『入学前にSNSとかですでにグループができちゃってる』とか、『入学前にみんな知り合いになっている』と焦る必要はないですよ。結局、LINEつながりで集うのなんて、ほとんどなく、実際に会って仲良くなった人たちで一緒にいますから」

良くも悪くも、SNSの盛り上がりは高校入学前がピークというケースは多いよう。

SNSのグループに入っていないから、ケータイやスマホを持っていないからといって友達ができないわけじゃない。むしろ注意したいのは、SNSやTwitterではしゃぎすぎて「炎上」を招き、入学前に有名人になってしまうこと。
それも長い目で見れば、大切な社会勉強になるとはいえ、誰もが身をもって学ぶ必要のあることではないのも事実だ。新入学の皆さん、ご注意を。
(田幸和歌子)