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コナン・ドイルも騙された「妖精写真」 捏造と判明してもなぜ人を魅了?

2018年1月18日 13時30分 ライター情報:石水典子
1917年、イングランド北部にあるコティングリー村に住む女の子エルシー(当時16歳)と、その従姉妹であるフランシス(当時9歳)がエルシーの父親から借りたカメラを使って、妖精の写った写真を2枚撮影することに成功します。3年後、この写真に関心を持った神智学者のエドワード・L・ガードナーが新しいカメラを渡すと、女の子たちはさらに3枚の妖精写真を撮りました。

コティングリーの妖精写真の中の1枚「フランシスと妖精たち」 画像提供:名古屋大学 教養教育院 プロジェクトギャラリー「clas」


この妖精写真についての論文を『シャーロック・ホームズ』シリーズで知られる人気作家のアーサー・コナン・ドイルが執筆し、雑誌に掲載したことでイギリス中に知られ話題になったといいます。

その後フランシスが真相を告白し、偽造写真であったことが判明しました。それは単純なトリックで、絵本を模写した妖精のイラストを切り抜き、近くにあったキノコにピンで留めて撮られただけのものだったとか。60年以上もの長い間、人を騙し続けたということでギネスブックにも載ったそうです。それにしても、作りものの妖精を撮ったフェイクだと分かっていても、なぜか魅了される写真です。

この妖精事件を取り上げた企画展「コティングリー妖精事件と神智学者ガードナー」が、名古屋大学 教養教育院 プロジェクトギャラリー「clas」で開催。同展では騒ぎの発端となった5枚の妖精写真(複製)に加えて、コティングリー以後に撮影された別の妖精写真やガードナーの調査資料などが展示されています。100年前の妖精事件を取り上げたきっかけとは何だったのでしょうか? 展示を企画した千葉工業大学の浜野志保先生に話を伺いました。

妖精写真に、あのコナン・ドイルも騙された


ーーまずコティングリーの妖精事件について教えていただきたいのですが、なぜこの写真は信じられ、騒動になったのでしょうか?

浜野先生「ガードナーやドイルという著名な大人が関わったことで写真の信憑性や話題性が増したこと。そしてこの時期がヴィクトリア朝時代から続いていたイギリスでの妖精ブームの末期に重なっていたことも関係しています」

ーー撮影したのが少女だったことも影響していますか?

浜野先生「そうですね…。当然、『写真はニセモノだろう』と疑う人は多かったのですが、子どもに捏造する技術はないはずという大人の勝手な思い込みもありました。後で分かった妖精写真のトリックはとても原始的で、絵本を模写して描いた妖精のイラストを切り抜き、近くにあるキノコにピンで留めて撮影したというものでした。結果的に当時出回っていた心霊写真で見られる二重露光といった偽造の痕跡が見当たらなかったため、だんだん本物だと信じるようになっていったのです」

ーーあのコナン・ドイルが妖精事件に関わっていて、意外だったのですが…。

浜野先生「19世紀初頭から20世紀半ばまで、アメリカやヨーロッパでスピリチユアリズム(心霊主義)が流行っていて、コナン・ドイルも熱心な信奉者でした。ドイルが妖精写真について書いた記事を寄稿した雑誌『ストランド・マガジン』のクリスマス号は大反響を呼び、発売してから3日で売り切れるほどだったそうです」

ーー妖精写真はフェイクだと、もう知られているんですよね?

浜野先生「大変な騒ぎになったため関わった大人に迷惑をかけないようにと、ガードナーやドイルなどが亡くなった後の1981年に、フランシスが作家のジョー・クーパーに初めて真相を告白しています。ただ2人とも5枚目に関しては撮影した記憶がないと言っています。フランシスに関しては妖精を見たことは真実だったとも主張しているんですね」

ーーなるほど…どちらにせよ、それほどの騒ぎになると当事者は大変そうですね。

妖精が日光浴する繭が写っているとされる、5枚目のコティングリーの妖精写真 画像提供:名古屋大学 教養教育院 プロジェクトギャラリー「clas」

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ライター情報: 石水典子

現代美術、メディアアート、骨董・民藝品、壁のシミまで、造形物をこよなく愛するライター

コメント 1

  • 温州ミカン 通報

    御大ド○ルさんは少女は嘘を付かないと信じたかったって彼の研究者は分析していたとか。御大アニメ監督の宮○駿さんも後輩の庵○監督にそう指摘されていたとかw

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