少女MANGAブームの次は“YAOI”!?
(上)アニメ・フェスタでのコスプレ (下)やおいマンガ出版記念サイン会の模様
アメリカでのマンガ人気はもうブームではなく、すっかり定着しちゃった感じ。大手書店「バーンズ・ノーブル」には、ティーンズ小説のコーナーの隣にMANGAコーナーがドドーンと設置され、すっかり平積みベストセラーの仲間入りになっちゃってる。

どうやら出版業界のマンガ・ダイスキのトレンドはまだまだ続き、日本のマンガを全部見せちゃうぞ! っちゅうつもりではなかろうか。

と言うのも、以前少年・青年マンガがアメリカンガールたちに人気だと書いたのだが、今目覚しいのは少女マンガの人気。日本で話題の「のだめカンタービレ」も、まんま「NODAME」で紹介されてるし、「少女革命ウテナ」も結構人気なようだ。
しかしそれらも表の流行。今はやおいマンガが裏流行なんだそう。

先日NYの紀伊国屋書店で初のやおいマンガ出版記念サイン会が行われ、たくさんのアメリカンガールたちが、作家の方の作品とサインを求めて集まってきていた。

居合わせたアジア系アメリカ人の女の子に話を聞いてみると、やおいマンガはネットではすでにすごい人気なんだそうだ。ちょっと著作権ギリギリなんだが、自分たちで翻訳してネット上で回し読みしている熱狂的なファン・サークルがあったり、チャイナタウンに行けば、日本語から中国語、そして英語へ翻訳された、いわゆる海賊版のものも手に入るらしい。なかなかのオタクぶりじゃないかい。

でもなんでそんなに「やおい」がいいのぉ?
更につっこんで聞いてみると、「ストーリーがいい。絵もきれい」「実際にはこんな男の子たちはいないけど、彼らが恋愛で悩むところがいい」「女の子同士の恋愛ものだとちょっと引いてしまうけど、男の子同士なら楽しんで読める」とのこと。そんなのありえなーい的バーチャルなところが、熱中させるポイントなのかもしれない。


ある批評家は、アメリカでは同性愛に関しては、ちょっと慎重に扱わなくてはならんのだが、ディープなラブストーリーを繰り広げる「やおい本」は、恋愛には興味津々だけど、まだちょっとこわーいと思ってるお年頃の女の子たちの、格好の恋愛指南書的存在になっていると、分析する向きもある。
いずれにせよ、アメリカの女の子たちにも人気があるのは確かなようだ。

今、少年マンガ、少女マンガ、やおいマンガと、長年にわたり進化・分化を遂げてきた日本のマンガのトレンドを、アメリカのマンガ業界は猛スピードで追いかけていき、そして浸透させてきている。
そうすると、次にアメリカで流行るのは、やはり「課長島耕作」か? 「ヒゲとボイン」あたりかも。
(チン・ペーペー)