東ハトの本が企業研修のバイブルに
(上)真っ赤な表紙が印象的。(下)ナビゲーター役の、ラブとピースとお菓子を愛するハトオトコさんです。
一時期、企業研修のバイブルとして「チーズはどこへ消えた?」が話題になりましたが、今こんな本が話題になっているのを知ってました? 老舗お菓子メーカーの東ハトが昨年、出版した『お菓子を仕事にできる幸福』。「仕事とはなにか?」という永遠のテーマにとってもわかりやすくアプローチしているので、たとえば保険会社などお菓子に関係ない会社の研修でもテキストして採用されたりしているのだとか。


2003年にいちど倒産した東ハトですが、その後民事再生法により復活。サッカーの中田英寿選手を役員に迎えるなど大幅な組織改革を行い、その後は「キャラメルコーン」パッケージの大胆リニューアルや「暴君ハバネロ」などの大ヒットをとばすなど注目を集めているのは周知の通り。
その飛躍の影には、社員全員がバイブルとしてもっていたこんな本の存在があったのです!!

東ハトの広報担当の方にさっそくお話を聞いてみたところ、もともとは倒産後、意気消沈する社員を元気づけ新しい時代へのビジョンを共有しようという目的でつくられた本とのこと。当初は手づくりのポップアップ式「飛び出す絵本」スタイルで、社員全員へのクリスマスプレゼントとして配本。それがしだいに社外でも話題となり、日経BP社から「一般向けの本にしませんか?」という話があって現在流通している廉価バージョンとして出版されることになったのだそうだ。

「ハトオトコ」という東ハトの化身? のようなキャラクターが登場し、読者といっしょに仕事や仲間、社会での意義などを 考えていくという内容。
「組織ではなく、チームになろう」という一文がとっても印象的で、会社というとイコール上下関係と思いがちですが、この本のように1人1人が対等なプロとしてチームワークで仕事ができたらホント理想的ですよね〜。
「会社が人間だとしたら、あなたの会社ってどんなヤツ?」 なんて、ちょっとドキッとするような一文も……。
現在もこの本は東ハトの新入社員全員に社訓として配られるほか、社員はいつもデスク周りなど身近なところに置いて日々、愛読しているということでした。

実は私、いわゆる「自己啓発本」というのが大の苦手だったのですが、この本にはまったく押し付けがましいところがなく素直にす〜っと心に響きました。とってもかわいらしくてセンスがいい本なので、就職や転職をした友人などにプレゼントしたりするのもイイかも。仕事をする意味や目的を見失っている人はぜひ! 人生変わるかもしれませんよ。

(野崎 泉)