映画『かもめ食堂』にも登場した幻のコーヒー
(上)これがジャコウネコ。<br>(中)パッケージも金色で高級っぽい。<br>(下)糞から取り出すため、大きさや形も不揃いなところがリアル
先日、紹介した「彩りコーヒー」のナッシュビル・カーズさんのサイトで、もうひとつ気になっていたのが「アラミドコーヒー」なるもの。なんと! ジャコウネコの糞から取り出したコーヒー豆ということでビックリ! 糞って……そんなものを飲んでだ、大丈夫なんですか?

ナッシュビル・カーズの担当者・渥美さんによると、ジャコウネコというのは果物と一緒にコーヒー豆を好んで食べるらしい。
しかし、コーヒー豆は消化されないのでそのまま糞に混じるわけだが、排泄されるまでに一緒に食べた果物のエキス等がジャコウネコの体内で豆にしみ込み、えもいわれぬ風味をつくりだすのだとか。
しかも、当然のことながら野生のジャコウネコのことなので糞をする場所が決まっているわけではない。それを人間が根性で探し出し、糞からコーヒー豆だけをひと粒ひと粒とり出して焙煎したものがこの「アラミドコーヒー」というわけなのだ。
人間が飲んで汚なくないのか? 衛生的に大丈夫なのか聞いてみたところ、
「高温で焙煎し、さらに高温でドリップするので衛生的にはまったく問題ありません」とのことだった。

実はこのコーヒー、昨年話題になった映画『かもめ食堂』の中でも登場していたそうですよー。小林聡美演じるかもめ食堂の女主人が、おいしいコーヒーを入れるためのおまじないとして教えてもらう言葉「コピ・ルアック」。
それが実はこのコーヒーのことで、確か小林聡美、もたいまさこ、片桐はいりらが3人でこの“幻のコーヒー”を味わう場面もあったと思います!!

ところで、気になるお値段だがその年の収穫量や円相場などで変わってくるので、今年の価格はまだわからないとのこと。参考までに、去年のお値段は50gで2,500円(5杯分)。一見、高価に思えるお値段だが、1杯500円と考えると意外にお手ごろなのではないでしょうか。
今年の入荷時期などはまだ未定だが「お客様からのご要望があれば、ぜひお応えしたい」とのこと。ちなみに、もちろん渥美さんはこの「アラミドコーヒー」を味わったことがあるそうだが、「自然な甘みがあって、なんともいえずまろやか。舌の上でころがるような感じ」と表現しておられました。
やはり、コーヒー好きなら死ぬまでに1度は味わってみたい逸品のようです。
(野崎 泉)

「ナッシュビル・カーズ(Nashville car's)」HP