サイトのオーナー、ウィンさんは「歌うことが大好き」という普通のオバさん、いや、天使の歌声を持つと評判の高い歌手。既に9枚のCDをリリースしている。最新アルバム「ダンシング・クィーン」は、ABBAの曲をカバーした彼女の自信作。ここでは笑わない林家パー子が、歌詞カードを見ずに最後までABBAを歌いきったような感じ、とだけ申し上げよう。
これはコミック・ソングではない。彼女はいたってまじめに歌っているらしい。2003年ニュージーランドの音楽雑誌「ニュージーランド・リスナー」にも紹介され、地元では有名な歌手らしい。最近の彼女は、病院や老人ホームで精力的にリサイタルを開き、新しい曲を練習時間がないほど忙しいらしい。「らしい」ばかりで申し訳ないが、正直言ってニュージーランドは遠いので、確かめようがない。
なんでこんなニュージーランドのマイナーなサイトが、急にホットになったのかと言うと、彼女がアメリカのケーブルテレビ、コメディ・セントラルの看板アニメ「サウスパーク」に出演したから。
最新シーズン9のエピソード903。いつものごとく、純真無垢とは言いがたい小学ガキんちょ4人組が、大人社会の矛盾と不正を鋭く突っ込むというパターンだが、今回は、アメリカ版スター誕生リアリティー番組「アメリカン・アイドル」と、これまたプロボクサー発掘素人参加番組「コンテンダー」をおちょくりまくっている。
ウィンさんは、ガキんちょ4人組のプロモートで「アメリカン・アイドル」に出場するはずが「コンテンダー」に出てしまい、ボクシングのリングの上でボコボコにされながらも、けなげに最後まで歌いきる。それを聞いていた司会のシルベスター・スタローンに気に入れられ、彼の息子の結婚式で歌うことになり、ハッピーエンドというストーリー。相変わらず恐れを知らないアバンギャルドな笑いが最高。
しかし今回、このエピソードを支えていたのは、ひとえにウィンさんの歌声。中華風オペラとでも言うのか、クリスタルの輝きとたたえられたABBAも、彼女が歌うと本歌が分からなくなるくらい個性的。もう降参です。参りますたですだ。
その後、彼女は本当に存在するのか、それともサウス・パーク制作者が創作したものなのか、サウス・パークのサイトでも議論が分かれていたけれど、どうやら実在の人らしい。
彼女のサイトは1日1万ヒットずつくらいの速さでカウントが増えている。そのうちメジャーデビューということになるかも。さあ今のうちに、チェケラ!(チン・ペーペー)