切手は舐めても大丈夫?
(上)切手の鳥は意外とリアル(下)最近ではシール式の切手も
あっという間に今年も残りわずか。年賀ハガキや年賀切手の販売も始まった。
毎年この光景を見ると、一年の経つ早さに驚くと同時に以前から抱いている切手に関するひとつ疑問を思い出す。
そう、「切手は舐めても大丈夫か?」ということ。

この疑問を持っている人は結構いるんじゃないかと思う。郵便局には水が含んだスポンジが置いてあるから「水に濡らすのが正式なのかなぁ」とか、そもそも「舐めるなんてあんまりきれいじゃないよなぁ」なんて思いつつも、簡単なのでついペロッと舐めて貼ってしまう。周りの人に聞いてみても、わざわざ水につけるより舐めて貼る人のほうが断然多い。受け取る立場で考えると、水で濡らしてほしいというのが本音ではあるが、そこはお互い様。でもよく考えてみると舐めているのは『糊』である。普通に考えるとあまり体にいいとは思えない。やっぱり気になる!

切手のことなら郵便局へ。ということで、横浜郵便サービス案内センターに問い合わせてみた。すると「切手の裏面についている糊は、特に人体に影響ございません」とサラリ。

そもそも切手に糊がついたのは、明治5年発行の竜銭切手の一部からだそう。
初期の切手はデンプンなどが原料で湿気に弱くすぐにくっついてしまうという欠点があったため、昭和33年1月から現在のポリビニルアルコールを主成分とした切手に変更。こちらは湿気に強く人体にも無害。現在では世界中で使われているとのことなので、海外からハガキを出すときもペロッとやっても安心なわけだ。

じゃあ、普通の糊はどうなのか。そこでお馴染みのスティック糊『プリット』のメーカー、コクヨのお客様相談室に相談してみた。今度は「プリットに有害物質は含んでおりませんが、誤って口に入れられた場合はすぐに水で口の中を良く洗ったり、吐き出したりしてください。多量に飲み込まれた場合は、ムリに吐き出さず、すぐ医師の手当てを受けてください。」という模範回答。まあ、有害ではなくても食べ物ではないので当然といえば当然の回答か。普通の糊を舐めることはまずないだろうから、あまり心配する必要はなさそうだ。

とりあえず切手の糊は舐めても大丈夫とわかって一安心。ただ年賀切手ように大量の場合は、濡れたスポンジを用意して一気に貼るほうが早いかもしれないけどね。
(古屋江美子)
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