ところてんが抹茶、ざくろ、コーヒー味に!?
見た目もつゆの味も立派なデザート、でも、つるりと口にすべりこむ食感は、しっかりとところてんです。
以前、Bitで「ご当地トコロテン事情」という記事をご紹介したが、先日、新宿の某店・和モノコーナーで見つけたのは、四角いパックに入った、ずいぶん上品で洒落た「ところてん」。

京都の老舗・濱長本店が製造する、抹茶味、ざくろ味、コーヒー味(各263円)などの色とりどりのデザートである。

こんにゃくゼリーなどは、様々な味があるが、ところてんは独特な風味があるだけに、やわらかな味わいは出しにくいのではないか。
気になったので、購入し、実際に食べてみた。

パックの中には、それぞれいっぱいに淡い赤、濃い茶色、緑の液体が入っていて、添付のカッターフォークでフタをあけると、甘いつゆがちょっぴり溢れ出るのが難点ではある。
とはいえ、色とりどりのつゆに浸った細長いソレは、まさしくところてん。この場合、ひたひたのつゆを飲みながら、ところてんを口に流し込むような感じだろうか。

ざくろ味は、ほのかな酸味のざくろジュースが、ところてん特有の風味と合って、実にさっぱりしている。

抹茶味は、少し塩気と青臭さのようなものもあったが、抹茶の渋みが自然で、甘いものが苦手な人にも良さそうだ。
コーヒー味はというと、これはそのまんまコーヒーゼリー! やっぱりコーヒーのような香りの強いものだと、風味は消されてしまうようだ。

他に、吟醸酒ところてん、ワイン味のところてんなどもあるようだが、それにしても、温度管理などが非常に難しいといわれるところてんで、甘すぎず、ちょうど良いやわらかさを保ち、色味も美しく保つのは、至難の業のはずだ。

寒天やこんにゃく、ゼリーでは味わえない、独特の涼菓、色とりどりの「ところてん」。
これから夏本番、暑い日のデザートにいかが?
(田幸和歌子)