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オレンジジュースはもはや王様じゃないのか

私たちが子どもだった昭和の頃、ジュースといえば「オレンジジュース」だった。

それが近年、オレンジジュースは、ジュース界で主役の座を奪われつつあるように思う。
我が家が学校から近いせいもあり、小2の娘の友人が頻繁に出入りするのだが、お茶と水、オレンジジュース、りんごジュース、炭酸飲料などから好きな飲み物を選ばせると、オレンジジュースを所望する子はまずいない。
にくったらしいくらいに、いない。
たいていは炭酸希望で、そうでない子も「お茶!」「水!」とか言うんである。ずいぶんシブイではないか。ちなみに、オレンジジュースよりはりんごジュースを希望する子が多い。

オレンジジュースはいまや王道ではなく、むしろ少数派の飲み物になってしまったのか。
オレンジジュースの代表格・バヤリースのアサヒ飲料に聞いた。
「業界全般の数字はなく、70年代や80年代などの古いデータもないのですが、当社に限って言うと、オレンジジュースは2000年と2007年との比較で販売数はほぼ横ばいです」
と言うのは、広報担当者。
ただし、果汁の品種がいまは増えていること、近年はとろみのついたマンゴーなどの「新果汁」が売り上げを伸ばしていることから、
「オレンジジュースの販売量そのものはほぼ横ばいでも、相対的に見ると、他が伸びている分、オレンジのシェアが下がっているということにはなりますが」とのお答え。

バヤリースオレンジは健在のようだが、それでは「果汁」界ではどうなのか。全国清涼飲料工業会に聞いたところ、「『果汁飲料』という大まかなカテゴリのデータしか持っていません」。
さらに、日本果汁協会に聞いたところ、「古いデータは倉庫の中」ということで、手元にあるこんなデータを教えてくれた。
「JASマークつきの果汁に関して、年間の販売量を見ると、オレンジジュースは平成18年が31295kl、17年が34291kl、16年が4492kl。温州みかん果汁が平成18年に10474kl、17年に11953kl、16年に16115kl。柑橘混合果汁を見ても、オレンジ混合果汁を見てもやはり年々減っており、柑橘類トータルとしては、平成18年が90524kl、17年が99254kl、16年が115482klと、やっぱりずいぶん減っていますね」

さらにさかのぼって見てもらったところ、平成14年の柑橘類果汁は146662klだったというから、平成18年の90542klは、なんと約5万kl減にもなる。
そのうち、オレンジジュースは平成14年が70203kl、18年が31295Klというから、特にオレンジジュースの落ち方が著しいようだ。
「ただし、これは果汁全体のうちJASマークのついた分、約3割程度の結果ですので、これだけでオレンジジュースが減っているとは言い切れません」と担当者は言う。
とはいえ、けっこうな落ち方ではある……。

ちなみに、子どもたちになぜオレンジジュースを選ばないのか聞くと、「甘いから」「スッキリしたものを飲みたいから」という答えが圧倒的多数。やっぱり飽食の時代なのか……?

ところで、日本果汁協会によると、近年、増えているのは「レモン」くらいだそうで、それも約4400klから約5600klに伸びた程度だとか。伸びているといっても、オレンジジュースとは数字的には比べ物にならないマイナー感ではある。また、今でも大衆食堂や居酒屋、そば屋などではたいていオレンジジュースを置いている。

オレンジにとってかわる「王者」が出たわけではなく、多様化のせいなんでしょうか。
(田幸和歌子)

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