<第1戦 マイナビカップ 最終日(1日競技)◇12日◇成田ゴルフ倶楽部(6290ヤード・パー72)>
将来ツアーで活躍することを目指す若手女子ゴルファーが経験を積むための場を提供するトーナメントとして、2019年に始まったマイナビ ネクストヒロインゴルフツアー。22年は年間12試合を開催する予定で、第1戦マイナビカップが12日に成田ゴルフ倶楽部(千葉県)で行われた。

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ハーフ9ホールを終えた時点で、2000年生まれのプラチナ世代・鬼塚貴理をはじめ4人が1アンダーで首位タイ。それを1打差のイーブンパーで中野なゆら2位タイグループ4人が追う団子状態での折り返しだった。それをまず抜け出したのは2位タイグループにいた識西諭里だった。13、14、17番でバーディを獲り3アンダーでフィニッシュ。
だがドラマが待っていた。識西のふたつ後ろの組を回る中野なゆが、11番でバーディを獲りチャンスをうかがっていた。
そして16、17番と連続バーディを奪取し、3アンダーフィニッシュ。識西と並び、決着はプレーオフにもつれ込んだ。
18番ホールで行われたプレーオフは、1ホール目に中野がバーディを獲り、昨シーズンから念願だった優勝を手にした。「ピンチもチャンスもありましたが、きょうは粘ったゴルフができました。厳しいパーパットが入ってくれました。練習時間を増やした効果だと思います」と、中野。
上がり3ホールは、ティイングエリアでボールを置くときに震えっぱなしだったという。それほどの緊張感の中、見事な粘りを見せたわけだ。
厳しい場面で中野を助けた練習とは?
「パターヘッド1個分の間隔で半径2メートルの円周上にボールを置き、連続で中心のカップに入れていく練習をしました。カップを外したら同じ場所から3回入るまで続け、次のボールに移動するというやり方です。きょうは、この練習の効果がすぐに出ました」
そしてマネジメントの強化も課題だった。池田勇太と練習ラウンドを行う機会を得、多くのことを学んだという。
それもこの日のラウンドで生きた。「17番のパー5はセカンドが残り220ヤードでした。2オンを狙えない距離ではないのですが、風やグリーン周りのバンカーを考え、残り95ヤードにレイアップしました」と、中野。狙いたいけれど、その気持ちを抑えて攻め方を考えることができたのだという。
昨シーズンのマイナビネクストヒロインゴルフツアーでは年間のポイントランキングで6位。安定した成績を出していた結果だが、優勝には手が届いていなかった。
だが、成長した粘りのゴルフで中野は優勝を手にした。「社会人になって優勝がなかったので、本当にうれしいです。両親やスポンサーさんに、いい報告ができます。みなさん、ありがとうございました」と、満面の笑顔で締めくくった。
次戦は第2戦マイナビカップ(21日・富士桜CC)に出場する。レベルアップした中野の2週連続優勝に期待したい。
マイナビネクストヒロインゴルフツアーで2週連続優勝した選手は、まだいない。(文・河合昌浩)

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