老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、遺族年金が年金生活者支援給付金の収入判定に含まれるのか知りたい方からの質問です。

■Q:遺族年金をもらっています。年金生活者支援給付金の「収入」の要件に含まれますか?
「68歳の女性です。自分の老齢年金のほかに、夫が亡くなったため遺族年金を受け取っています。年金生活者支援給付金には年金収入などの所得基準があるそうですが、非課税の遺族年金も『年金収入』として含めて判定されるのでしょうか?」(ゆうこさん)

■A:遺族年金は非課税のため、年金生活者支援給付金の収入・所得の判定には含まれません
年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入や所得が一定基準以下の人を対象に、年金に上乗せして支給される給付金です。

老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、次の3つの要件を全て満たす必要があります。

・65歳以上で、老齢基礎年金を受給していること
・同一世帯の全員が市町村民税非課税であること
・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が一定の基準額以下であること

2026年10月からの基準では、昭和31年4月2日以後生まれの人の場合、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が82万6500円以下であれば「老齢年金生活者支援給付金」、82万6500円を超え92万6500円以下であれば「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象となる可能性があります。

ここで注意したいのは、年金生活者支援給付金の判定では、受け取っている年金の全てが収入として含まれるわけではないという点です。

老齢基礎年金や老齢厚生年金などの老齢年金は、公的年金等の収入金額として判定の対象になります。一方、遺族基礎年金や遺族厚生年金、障害年金などの非課税の年金は、収入・所得の判定には含まれません。

また、老齢年金以外に給与所得や不動産所得などがある場合は、それらも含めて基準額以下かどうかを確認する必要があります。


ゆうこさんは、自分の老齢年金のほかに遺族年金を受け取っているとのことですが、遺族年金の受給額を収入に加える必要はありません。

したがって、前年の老齢年金収入とその他の所得の合計が基準額以下で、老齢基礎年金を受給していることや、同一世帯の全員が市町村民税非課税であることなどの要件を満たしていれば、年金生活者支援給付金の対象となる可能性があります。

遺族年金を受け取っているからといって、年金生活者支援給付金の対象外になるわけではありません。ご自身の老齢年金収入やその他の所得などを確認し、判断が難しい場合は年金事務所などに相談してみましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
編集部おすすめ