2022年のウェルパインモータースポーツは
全日本ラリー第2戦佐賀からスタート♪
ASCII.jp読者のみなさん、お久しぶりです! ウェルパインモータースポーツのコ・ドライバー、梅本まどかです。
昨年はJAF全日本ラリー選手権の愛知(新城ラリー)と群馬(モントレー)に参戦し、そのレポートを書かせていただきましたが、今年も私が継続することになりましたので、よろしくお願いします。
なお、今年はJAF全日本ラリー選手権の佐賀(唐津)と群馬(モントレー)、そしてWRC(世界ラリー選手権)のラリージャパンに参戦する予定です。

JAF全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州2022 in 唐津」は4月1~3日に開催されました。
実はウェルパインモータースポーツは、今年から全日本ラリー最高峰クラスのJN1にステップアップ! 監督や私たちクルーはそのまま、マシンはガラッと一新しました。昨年はCVTのGRヤリス「RS」でJN6クラスに参戦していましたが、今年は同じGRヤリスでも「RC」になり、MTの4WDターボ!

松井 悠監督曰く「やっぱりやるからには毎年何か変化をつけないとね~。ほかにネタもないからオレたちもJN1クラスに挑戦かな。」ということで一番上のクラスになってしまったのです(笑)。その話しを聞いたのが昨年の秋頃。監督に「梅本~、来年はJN1クラスに出ようと思ってるんだよね~」と言われ、最初はぜんぜん他人事のように「あ! そうなんですね」と聞いていたのですが、まさかそのマシンに私が乗ることになるとは思っておらず……。正直マシンに会うまで実感がまったくありませんでした。




逆に今年もドライバーを務める村田康介選手は、このマシンを3月半ばにテストしていて「いい車だよー♪」と昨年よりワクワクしてたみたい。やはり速いマシンに乗ってJN1クラスで戦えるということで、昨年よりイキイキというか楽しそうな雰囲気が助手席にも伝わってきます。


しかし、さすがはベテランドライバー。ワクワクしながらもラリーが始まるといつもどおり冷静かつ客観的にドライブしている様子で、私も安心してラリーに向き合えました。
正直なところ、いろいろな人たちに「今年のマシン速いでしょー? 大丈夫?」と言われて、ちょっと心配していたんですよね(笑)。

でも楽しかっただけではなく、悔しい部分もたくさんありました。まだマシンに慣れていないこともあって、速くなったスピードのペースノートの感覚が掴めず「もっとこうしたら良かったな」と思うこともしばしば。

さらに、この唐津はタイヤに厳しいラリーで「SS前のリエゾンで、前後ローテーションしないとタイヤが保たない」と言われていたのですが、私たちのGRヤリスはあまり摩耗せず、そのままサービスまで戻ることができる状態。それまで私は「実戦で村田選手とうまく連携して、素早いタイヤ交換ができるかな……」と内心ドキドキしていたのですが、結局私たちはタイヤ交換はなし。同じJN1クラスのライバルである他チームのクルーたちは、タイトなリエゾンの時間で一生懸命タイヤ交換しています。



まだマシンセッティングが煮詰められていないとはいえ、こんなところでも上位陣との差を感じました。
とはいえ、タイヤローテーションがない分、他のチームより少し時間的なゆとりがあってリラックスできたのも事実です。今回のラリーは走る距離やタイムスケジュールもキュッとコンパクトな印象で、リエゾン区間も余裕はなかったので、タイヤローテーション作業に慌てることがなかったのは精神的にプラスだったと思います。
「初戦は実戦テストの気持ちで。ぶつけないで戻ってきてね」と監督から強く言われていたし、「テストだからいろいろなセッティングを試しながら完走しよう」と村田選手とも話していたので、気持ちを切り替えてラリーに臨みました。

Leg1もLeg2も、最初のSSは「慎重に」というテーマで走ったため、タイムもあまり良くなかったのですが、リピートステージとなる2本目は必ずタイムアップ。走るたびに良い方向にセッティングが進み、村田選手も車両の感覚がだんだんと掴めてきているのはハッキリと感じ取れたのは素直にうれしかったです。
結果はクラス10位、総合11位に
ひとまず目標は完遂
結果、ラリーのリザルトはJN1クラス10位、総合11位でした。「無傷で完走」という目標は達成できてホントによかったと思います。今回見えてきた車両の課題は、次戦の群馬までに改善できそうなので、今から楽しみです!


無事完走でき、このようにラリーが楽しめるのも、チームの雰囲気が「ゆるふわ」なウェルパインモータースポーツの良いところだと改めて感じました。JN1クラスに参戦ともなると少しピリッと緊張したイメージがありますが、私たちのチームではあまりそういった雰囲気はなく、「真剣に向き合う」だけどラリーを「楽しむ」ことは忘れていない感じで、それはチームの武器なのかも。それぞれが考え想いを伝え、真面目な話をする時は真剣に。


でも普段は冗談をたくさん言い合うこのチームの空気感は、ウェルパインモータースポーツならでは。他の人からどう見えているのかはわかりませんが、みんなが言いたいことを冗談混じりにぶつけられてラリーを楽しめているから、適度な緊張感で無事に初戦を完走できた気がしています。
また、私たちクルーはもちろんですが、監督やエンジニア、メカニック、スタッフとの関係性や雰囲気もラリーには大きく影響します。
今回からメカニックとして2名、古川 祐さんと戸塚章紀さんが新しくチームに加わったのですが、なんとおふたりともJAF準加盟クラブ「ウェルパインモータースポーツ」のクラブ員。実は私も同じウェルパインモータースポーツのクラブ員で、他のクラブ員さんにやっとお会いできました! おふたりはラリーがやりたくてクラブ員になり、実際に去年のTGRラリーチャレンジ渋川にドライバー&コドライバーのコンビで参戦しています。ただメカニックとしては、店舗での整備士経験はあるものの、こうしたラリーメカニックは今回が初めてだったそうです。

そんなわけで、私たちクルーがレッキでサービスパークから離れている間に、早水雄一郎チーフメカニックがおふたりのために「ラリーメカニック講座」をひらいていたようです。(どんな様子だったかは、ぜひのウェルパインモータースポーツのTwitter(@WPMS_official)をチェックしてね☆)
また、タイムキーパーも務めてくれた、チームのレースクイーンである桐嶋しずく(@shizuku_drop_45)ちゃんが、ラリー直後にお誕生日を迎えるということだったので、チームでお祝いもしたんですよ♪

食べ物には強いこだわりがある監督が選んだホワイトチョコレートケーキはとても美味しく、意外にも甘いモノ好きな早水チーフメカが一番うれしそうに食べていたのが可愛くて印象的でした(笑)。みんなでわいわいできたのはラリー後のいい思い出です☆
他にも、ラリー前にはホテルの監督の部屋でみんなで(露出が合ってなくて道が白飛びしていた)インカー映像を確認したり、名物の井手ちゃんぽんを食べたり。地元の名物やその地域を感じ、みんなで共有しながらわいわい楽しめるのはラリーの醍醐味ですよね。ラリー前もラリー中もラリー後も楽しくて、私にとって思い出深い1戦になりました。



コ・ドライバーとして反省点はたくさんあるのですが、桜の咲く唐津で良いスタートを切れたので、次戦6月のモントレーまでにパワーアップして挑めるよう頑張りたいと思います。
目指せ! JN1クラス入賞! 今季もカラーリングもかっこいいのでみなさん、是非応援よろしくお願いします♪

■関連サイト
筆者紹介───梅本まどか

1992年7月17日生まれ。愛知県名古屋市出身。中京大中京チアリーディング部に所属しいろいろなスポーツを応援、中部大会では優勝経験も。6年間にわたるSKE48でのアイドル時代を経て、現在は地元名古屋を拠点にタレントとしてマルチに活動中。
名古屋の魅力をPRする名古屋観光文化交流特命大使として、様々な名古屋の魅力を発信しつつ、ラリーにコドライバーとして参戦しながらWRC日本開催をPRしている。モータースポーツ関連のメディアや、地元イベントMC・テレビなど幅広い分野で活躍。