◆JERAセ・リーグ DeNA―中日(12日・横浜)

 DeNA・山本祐大捕手(27)とソフトバンクの尾形崇斗投手(26)と井上朋也内野手(23)の「1対2」トレードが合意したことが12日、両球団から発表された。山本は24年にベストナインとゴールデン・グラブ賞に輝いた実績十分の“ハマの正捕手”。

扇の要がシーズン途中に移籍する、超異例のトレードになった。DeNAは28年ぶりのリーグVを目指すため、先発投手の補強を模索。山本を高く評価するソフトバンクと思惑が一致した。

 青天の霹靂(へきれき)だった。DeNAの正捕手・山本はこの日の朝、横浜スタジアムでソフトバンクへのトレードを通告された。この日は先発するエース左腕・東克樹と名物バッテリーを組むはずだった。それが一転―。報道陣に、率直な思いを明かした。

 「すごくビックリしてます。今季も捕手として、一番出させていただいたので(28試合)。東さんは僕が1軍にいさせてもらえるきっかけを作ってくれた人。まさか東さんがきょう先発で、トレードで試合に出られない…バッテリーを組めないのは、だいぶグッと来ました」。

言葉の端々に、無念さがにじんだ。

 「1対2」のトレード成立。ソフトバンクの尾形は先発もこなせる速球派右腕で、井上は20年ドラフト1位の右の大砲だが、実績面や年俸面から考えても“不均衡”に映る。それでも断行した理由とは。木村球団社長が明かした。

 「一番の理由は今年優勝するため、中長期で強いチームであり続けるため。投手陣がずっと課題で、外国人頼りの先発投手陣だった。日本人で投手陣の層の厚みを作ることは、最重要課題と認識しています」

 補強を模索する中でソフトバンクから「山本祐大」の名が出た。同社長も「日本を代表する捕手」と認める軸の一人だが、幸いにも高卒4年目の22年ドラ1・松尾や11年目のベテラン・戸柱ら捕手陣は整っていた。「課題を埋めていかないとリーグ優勝が遠のく。そうなる前に」と決断した。

 バッテリーコーチ時代から山本を指導した相川監督は4月下旬、「牧と一緒にチームを引っ張ってほしい」と期待を口にしていた。

「個人的な感情は当然ある。さみしさはありますが、アイツのことなんで、どこに行ったって素晴らしい選手でい続ける」と前を見据えた。山本も言った。「5、6年前、筒香さんに『ソフトバンクで出られるような捕手が正捕手だ』と言っていただいた。頑張りたい」。山本放出という勝負手は正解か、あるいは―。答えは、秋に出る。(加藤 弘士)

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