◆プロボクシング ▽フェニックスバトル・スーパーフェザー級(58・9キロ以下)1000万トーナメント準々決勝8回戦 〇松本圭佑(3回TKO)龍王●(12日、東京・後楽園ホール)

 優勝賞金1000万円を懸けた「フェニックスバトル・スーパーフェザー級1000万トーナメント」準々決勝で、元日本フェザー級王者の松本圭佑(26)=大橋=が日本スーパーフェザー級7位・龍王(28)=角海老宝石=を3回35秒TKOで下した。8月に予定される準決勝で、木谷陸(25)=KG大和=と対戦する。

 松本は昨年3月に予定されていた日本王座の5度目の防衛戦で計量失格となり、日本ボクシングコミッション(JBC)から1年間のライセンス停止処分を受けた。24年10月の中川公弘(ワタナベ)戦(2回KO勝ち)以来、1年7か月ぶりのリングだった。

 2回に左で龍王の右目上をカットさせると、3回にワンツーでダウンを奪い、レフェリーがカウント途中で試合をストップした。リング上では「たくさんの方に迷惑をかけてしまいました。本当に、この場を借りて謝罪させていただきたいと思います」と改めて謝罪。「今回の試合は、日本チャンピオンの時以上に負けられない気持ちが強かった。これに負けてしまったら、本当にもう『引退』という文字がよぎるくらい、自分の中でも懸けているものがあった」と打ち明けた。

 試合前は不安もあったという。「昨日の夜とか今日も家を出るまでは、嫌な気持ちと早く終わりたいなっていう気持ちが入り混じってた。いつもより緊張していたかもしれない。ただリングに上がる直前になったらワクワクして、早く戦いたい、なんなら準決勝も早くやりたいぐらいの気持ちになっていました」

 元東洋太平洋・日本フェザー級王者の父・松本好二トレーナーとの二人三脚でU―15全国大会5連覇を果たし、フジテレビ系「ミライ☆モンスター」でもたびたび取り上げられるなどプロデビュー前から注目されてきた。復帰戦の直前のスパーリングでは「初めて父に反抗した」という。

「最後のスパーリングで『シャキッとしろよ』って言われて、こっちだってわざと動いてないわけではないのでカッとなって『分かってるよ』って言っちゃいました」。ただ、好二トレーナーは「むしろうれしかったですね。それで勝つんだったら、もっと反抗しろよと。でもスパーが終わったらすぐに『さっきはごめんなさい』って言ってきて、『早っ』て思った」と目を細めた。

 進退も覚悟して、リングに上がっていた。「今はランキングもないですし、周りから『松本のためのトーナメント』って言われているのも分かっている。ここで負けているようだったら世界も無理だなと思っていた」と松本。昨年5月13日には、23年11月に結婚した妻・沙弥さんとの間に長女・糸詩(しらべ)ちゃんが誕生した。「妻が出産終えてバイトに出てくれたり、負担をかけてしまったことはものすごく心苦しかった。この(資格停止の)期間中に、かわいい子が生まれてきてくれたことは励ましになった。家族や子供のためにも、これからまだまだ頑張りたい。(優勝賞金1000万円を獲得したら)真っ先に家族に使いたいなと思います」。

世界王者を目指し、再出発の一歩を踏み出した。

 戦績は松本が13戦全勝(9KO)、龍王が12勝(7KO)4敗1分け。

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