以前掲載した記事では、折りたたみスマートフォンが持つ魅力と現実的な課題を整理してきた。今回はその続編として、筆者が2024年7月にGalaxy公式サイトで購入したSIMフリー版 Galaxy Z Fold 7(512GB)を、日常でどのように使っているのかを紹介していきたい(T教授)。


●折りたたみスマホの現在地を整理する
 まずは、前回掲載した内容を整理しよう。折りたたみスマートフォンは、大画面と携帯性を両立できるという強い魅力(=「光」)がある一方で、価格、耐久性、修理コストといった現実的な課題(=「影」)が現実としてある。
 また、AIの進化によって、折りたたみスマホが単なる“大きなスマホ”ではなく、複数の情報を同時に扱うための道具へと変わりつつある点にも触れた。
●Galaxy Z Fold 7という完成度
 さて、Galaxy Z Foldシリーズは2019年の初代モデルから数えて7世代目となる。新モデルが登場するたびにカバーディスプレーは拡大し、折りたたんだ状態でも“普通のスマホ”として違和感なく使えるサイズへと進化してきた。
 Galaxy Z Fold 7では、その完成度がさらに高まり、閉じた状態での日常操作に不足はない。一方で、開けばタブレットサイズの大画面が現れ、アプリの使い方は一気に広がる。
 ただし、価格帯はGalaxyシリーズの中でも最上位クラスに位置する。純粋なカメラ性能や撮影結果、あるいは処理性能だけを見れば、シングルディスプレーのハイエンドモデルの方が“らしい結果”を出す場面もある。
 つまり、Foldを選ぶかどうかは「何をしたいか」が明確であるかどうかに尽きる。とりわけ、スマートフォンに片手操作の軽快さを最優先で求めるなら、折りたたみスマホの価値は相対的に下がってしまう。
●PCに慣れた世代でも自然に使える 大画面を生かしたアプリ体験
 Foldの強みが最も分かりやすく表れるのが、地図アプリやナビ、タクシーアプリなどだ。
表示領域が広いため、全体を俯瞰する使い方と、細部を拡大して確認する使い方を瞬時に切り替えられる。これはPC時代から“大きな画面の価値”を体感してきた世代にとって、極めて自然な感覚だろう。
 また、画面を2分割して2つのアプリを使えば、操作感はスマホを2台横に並べた以上の感覚に近い。画面切り替えが不要な分、情報共有の脳内イメージもリアルで効率的だ。カレンダーと乗換案内、マップとレストランの予約サイトなど情報を「並べて考える」使い方がストレスなく成立する。
●「スマホ注文」もより便利に 日常で実感した「Foldならでは」のシーン
 印象的だったのは、家族でくら寿司を訪れた際の体験だ。二次元コードを読み込んで行う「スマホ注文」をGalaxy Z Fold 7で開くと、専用端末以上に見やすく、家族全員で画面を回覧しながら注文できた。
 最初は各自のスマホを使っていた家族も、見える情報量と操作性の違いに気づき、自然とFoldを中心にオーダーする流れになった。この「情報共有のしやすさ」は、一般的なスマートフォンでは得がたい体験だ。●完璧ではないからこそ、見えてくる課題
 Galaxy Z Fold 7は完成度の高い端末だが、すべてが完璧というわけではない。最大のハードルは、やはり価格と修理コストだ。
 筆者は以前、Galaxy Z Fold 4を約1年半使用した後、ヒンジが180度開かないという不具合で修理を検討したことがある。
その際、ヒンジには内外2枚のディスプレーが含まれる構造のため、技術料込みで十数万円という見積が提示され、修理を断念した。
 その経験から、現在使用しているGalaxy Z Fold 7でも保険サービスを24か月契約している。本体価格と保険を合わせると、実質的な負担は30万円前後になる。
●薄型化が生んだ新たな使いにくさとケースの話
 現在のGalaxy Z Fold 7は閉じた時でさえ8.9㎜という極限まで薄型化が進み、一般的なスマホより薄いくらいだ。初代モデルが約17mm前後だったことを思えば、その進化は驚異的だ。デザイン面では多くの人を感動させる完成度に達している。しかしその一方で、両手を使っても画面を開きにくいという、過去の世代にはなかった新しい問題が生じている。
純正・サードパーティを含め、筆者はこれまで10種類以上のケースを試してきたが、この点を根本的に解決できるケースにはまだ出会えていない。
ただし、分厚さを増さない純正・他社製の片面ケースやオシャレで目立ち度の高いバンパータイプでも、プロテクト性能は十分だ。現在使用しているAero Frame系の片面ケースでは、何度か不意に落下させてしまった場面でも、本体保護はよく考えられており本体やディスプレーに傷は皆無だった。
●最近の筆者にとってのベストな使い道
筆者のGalaxy Z Fold 7で使用効果の高いのはマルチアプリの同時表示だと前述した。しかし単一アプリの表示でも大きな画面と高解像度は操作性を大きく改善する。
家族LINEを使っているファミリーは多いと思うが見慣れたLINEも操作性は著しく違う。
昨今、流行りのAIによる動画生成等でもその効率は上々だ。ChatGPTとGeminiの両者を使い出力された情報を「まとめて俯瞰したり比較したりする」という使い方はFoldでやってこそ圧倒的な真価を発揮する。
またシニア世代はもちろんのこと文字を大きくして読みやすくするのか、情報量を増やすのかを即座に選べて切り替えられる点は、年齢を重ねるほどその価値が高まる。Galaxy Z Fold 7ならスムースなピンチイン・ピンチアウトを実現するパワーも全く支障はない。
●折りたたみスマホのこれから
AIスマートグラスやスマートウォッチ、専用AIデバイスが普及していけば、スマートフォンの役割は徐々に分散していくだろう。それでも、大きな画面、高解像度、高速なプロセッサーを一体で持ち歩ける折りたたみスマホの価値は、簡単には失われない。
筆者自身は、契約や運用の自由度を重視する観点から、キャリアとの直接契約を避け、SIMフリー端末をメーカーから一括、あるいは分割で購入するスタイルを長く続けている。
しかし一方で、2年程度の使用を前提に考えるのであれば、国内キャリアが提供する端末購入プログラムを活用するのも、現実的な選択肢だろう。
たとえば NTTドコモ の「いつでもカエドキプログラム」、ソフトバンク の「新トクするサポート」、au の「スマホトクするプログラム+」などを利用すれば、初期負担やトータルコストを抑えながらFoldを体験することも可能だ。
活躍の場は変わっても、情報をまとめて扱うための道具として、折りたたみスマートフォンは確実に生き残る。Galaxy Z Fold 7を日常で使って日々感じるのは、そんな現実的で明るい未来像だ。

紹介した製品
・商品:Galaxy Z Fold 7 SIM Free(512GB)
・価格:28万3750円
・Galaxy Care:Samsungオンラインショップ Galaxy Care 2年一括_Z Fold 7(512GB)
・料金:2万8380円
Profile
T教授
日本IBMでノートPC「ThinkPad」のブランド戦略や製品企画を担当。その後、国立大学芸術文化学部の教授、非常勤講師として10年間、「ブランドデザイン」などを教える。オリジナルのツバメノートなどをプロデュースする「Thinking Power Project」の創設メンバー。現在はパートタイマーで、熱中小学校の用務員。
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