国民的アイドルグループ・嵐のラストツアーをめぐる「温度差」がすごい。どういう温度差かというと、現場での熱狂とは裏腹に、それが世間には伝わりにくくなっているという、一種異様な状況が生じているのだ。
これまで、有名な歌手やグループがラストツアーを行う際には、その熱狂ぶりがテレビや新聞を介して大々的に報じられてきた。しかし、今回はそれがない。会場周辺のホテルが満室とか、臨時列車が運行されたとか、経済効果などは伝えられるが、肝心のコンサート映像を紹介できないため、中核的なファン以外にはピンと来ない熱狂となっている。
ラストシングルについても、またしかり。3月4日に配信でリリースされた『Five』は、嵐が活動を終了する5月31日にCDシングルとしても発売されるが、受注生産であり、その受付はリリース前の2月23日に締め切られた。5人がテレビで披露することもなさそうで、中核的なファンのみに向けたお別れソングという感じだ。
この状況については、現代ビジネスが『「嵐のラストツアー」がついに開幕も…“テレビ出演なし”で活動終了するのはなぜか? 業界内で噂されるその実情』という記事にしている。さまざまな「実情」が語られるなか、締めくくりはこんな一文だ。
「ともあれ、明確な答えこそ出ていないものの、メディア関係者が蚊帳の外のような状態に置かれているのは間違いない」
ただ、このなかで触れられていない、あるいはあえて触れていない「実情」が、筆者には存在するような気がしてならない。2023年に始まり、今もくすぶるジャニー喜多川のセクハラ疑惑にまつわるジャニーズバッシングの影響だ。
周知の通り、この「疑惑」は法的に何の事実証明もされないまま、世の中の逆風に押し切られるようにしてジャニーズ事務所(当時)が自称被害者たちへの補償をすることを決めたことで、ひと区切りとなった。疑惑を否定するような声は無視され批判され、さらには誹謗中傷までされて、事務所は四面楚歌だったといえる。
長年、事務所に協調的だったテレビや新聞、雑誌もこぞって掌を返し、バッシングに加担。世の空気に流されやすいのは、この手のメディアの常とはいえ、史上まれに見る掌返しであり、当時の冷淡さや酷薄さは今も忘れがたい。
そのあたりについて、嵐の5人がどう考えているかは不明だが、SNSではラストツアーに参戦したファンのつぶやきも投稿されている。そのなかに、二宮和也がこんな発言をしていた、というものがあった。
「先々代のボスにこの景色を、嵐、すごいことになってるよって見せてあげたい」
騒動のあと、早い段階で退所して、ジャニーへの恨み節めいたことも口にした二宮。ジャニーが生前に疑惑を解決しなかったことへの不満などはあるようだが、それでも感謝や尊敬の念が消えるわけではないのだろう。
追悼としてジャニーの肖像画を描き、その絵があの騒動によって事務所から撤去されるという目に遭った大野智はもっと悔しい思いを抱いているのではないか。嵐の活動終了を機に退所する大野は、事実上の引退となるのではと見られている。メディアの掌返しもまた、彼のモチベーションを低下させた気がしてならない。
そんな嵐の活動終了スタイルについて、ファンは概ね好意的だ。前出の記事(現代ビジネス)には、メディア側の希望として、せめて再編集ものの特番やムックを作らせてもらえたら、という声も紹介されているが、ファンの多くは、メンバーの選んだ幕引きを支持しているように思える。騒動での不信感はもとより、そもそも、テレビや新聞、雑誌にもうそこまで期待していないし、その需要も小さくなってきたのだろう。
そんなメディア、いわゆるオールドメディアの衰退は、別の問題でも浮き彫りになっている。沖縄の辺野古沖で、修学旅行中の女子高生が抗議船に乗せられ、転覆事故で死亡した件だ。
船を運航させていた活動家団体と同志社国際高校、及び共産党や沖縄県知事とのつながりや、船の運航自体についての違法性も指摘され、もはや「事件」と呼びたいほどの大事故だが、ちゃんと報道している全国メディアは産経新聞くらいしかない。遺族がブログで経緯や気持ちを発信するようになってから、それをなぞるような報道をするメディアはちらほら出てきたものの、いつもの事故や事件に比べたら異様なほどの不熱心さであり、消極的な態度だ。
これには、この事故の原因を作った側が、メディアにとっては扱いづらくて面倒くさい存在であること、そして、メディアのなかにもそちら側の味方がかなりいること、が関係している。それこそ、メディアによっては沖縄の基地問題のような「平和」案件が聖域化していて、他の部署が手を出せないようにもなっているようだ。
さらには、日本テレビのように、辺野古抗議派の大物である宮崎駿との関係が深く、忖度せざるを得ないのでは、と指摘されるメディアも。そんななか、立川志らくが自身の動画チャンネルで、こんな発言をした。
「どういうわけだか、裏でどんな力が働いているか知らないけど、そっちを取り上げずに京都ばっかりやって……。(略)あぁ、やんなっちゃったね」
このなかにある「京都」というのは、11歳の男児が養父に殺され、死体が遺棄された事件のことだ。こちらに対するメディアの熱心さと積極性は驚くほどで、辺野古との落差に違和感を覚えた人は志らくだけではない。
そこからちょっとしたハプニングも生まれた。
「毎日、京都の事件をこれだけ報じないといけないのかって思うんですよね。どう思います? 社会を良くしているのかって思いますか?」
と、問いかけたのだ。松岡アナが固まってしまったため、とかく偏った発言で知られる反日系コメンテーターの玉川徹が、
「それを彼女に話させるのはすごくリスキーですよ。かわいそう。そんなこと聞くべきじゃないですね」
と反論して、険悪な空気となった。これにより、近年のテレビにおける報道の歪みが表面化したわけだ。
筆者は最近、ワイドショーをほとんど見なくなったが、それは全体的に明るい話題が少ないからでもある。暗い話題のほうがワイドショー向きだとしても、それを長年、中和してきたのが芸能関係のおめでたい、あるいは間抜けな話題だった。
ところが、芸能モノは誰もが知っているような人の話題でなくてはあまり盛り上がらない。そういうスターが減っているなか、最後の国民的グループともいえるのが嵐だ。そんな嵐のラストツアーをちゃんと扱うことができれば、もうちょっとバランスのよいワイドショーも作れただろうに、自業自得とはいえ気の毒な状況ではある。
国民的グループ・嵐に逃げられ、国民全体のなかでは少数派でしかない反日的勢力に牛耳られるオールドメディア。もはや、この国には必要がないところまで来ているのかもしれない。
文:宝泉薫(作家・芸能評論家)
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