橋本環奈、吉岡里帆だけじゃない…平成の連ドラ女王主演・空前の“大爆死映画”を見よ

 平成は、失敗に対し厳しい時代だった。特にインターネット上では、失敗は何よりの話題のタネであった。かつてはBBSで、その後はSNSで、何か失敗をした人は徹底的に責められ続けた。また、エンターテインメントの世界でビジネス的に大失敗したコンテンツ、大きくコケた企画は、笑われ、けなされ、バカにされた。

 現在、メディアには平成をプレイバックする企画が溢れているが、失敗に厳しくなった時代の最後に、ここでは、各ジャンルの「大失敗案件」を、数回に分けてクローズアップしてみたい。今回はその第1回、映画編である。

橋本環奈、E-girls、西内まりや吉岡里帆の出演作は、興収ベスト10入りならず

 全国の大型映画館がほぼシネコン化してから、国内での映画作品の公開本数は激増しているという。つまりは、“数撃ちゃ当たる”の興行体制になっているのだ。当然、爆発的に当たる作品もある。一方で、大きくコケて人知れず上映が終了する作品もあり、それらにはテレビの人気者やブレイク中のアイドルの出演作も少なくない。たとえば、“百年に一人の逸材”と呼ばれた橋本環奈に大看板を背負わせた『セーラー服と機関銃−卒業−』(2016年/KADOKAWA)は、典型的な例。全国238館で公開されたが、興行収入は1億円に満たなかったとされる。

ただし、『セーラー服~』は興収が公表されている。一方で、監督や出演者のイメージダウンを避けるためか、動員数、興収に関する情報をシャットアウトしている作品もある。ただ、『セーラー服~』もそうなのだが、公開1週目に週末興行成績ランキング(興行通信社が発表するもので、これは隠蔽できない)の10位以内に入らなかったり、上映期間が極端に短かったり、SNSで「劇場がガラガラだった」という情報が流れたりすることによって、桁違いに不入りの作品はなんとなくバレてしまう。

 2010年代の作品でいえば、E-girlsの石井杏奈がダンス部の高校生を演じた『ガールズ・ステップ』(2015年/東映)、西内まりや主演の『CUTIE HONEY -TEARS-』(2016年/東映)、阿部サダヲ、吉岡里帆の『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(2018年/アスミック・エース)、ラストアイドルのメンバーが出演した『がっこうぐらし!』(2019年/REGENTS)など、挙げればキリがない。

●ネット普及前に「空前の不入り」と伝えられた2作品

 インターネット普及前、映画館がシネコン化する前の平成初期作品にも、もちろん興行的に大失敗した映画がある。 そのひとつが、『超少女REIKO』(1991年/東宝)だ。これは、超常現象を扱った学園物で、のちに“連ドラの女王”と呼ばれることとなる観月ありさの映画初主演作。その上映劇場には閑古鳥が激しく鳴き、当時は“東宝史上最低の興収”ともされた。

 高嶋政伸南野陽子が出演した『修羅場の人間学』(1993年/東映)も、空前の不入りが伝えられた作品。これは、いわゆる“安藤組”の末端組員の物語。ポスターをポップなイラストにして年層を狙ったが、見向きもされず、かといって従来のやくざ映画ファンからも敬遠された。

 これは、高嶋にとっては今のところ、最初で最後の主演映画。なお、この約2年前に高嶋には、『若大将~君の涙にキスしたい~』なるタイトルで、加山雄三主演のヒットシリーズのリメイクの企画があり、劇場でも特報が流れていた。ところが、いつの間にか制作中止に。賢明な判断だったといえるかもしれない。

●失敗規模がケタ違い…世界に無視された大爆死邦画

 ここまでに紹介した作品は、あくまで国内をターゲットにしたものなので、まだ傷が浅い。もっと悲惨なのが、日本映画ながら世界規模の公開を想定した超大作の失敗である。バブル期には、こうした作品がいくつかあった。その代表作に、『落陽』(1992年/にっかつ・東映)がある(公開時はバブル崩壊後だが)。

 製作費50億円! 中国大陸での大規模ロケーション撮影が行われた、“にっかつ創立80周年記念作”という肩書きを背負った、失敗が許されない作品だった。出演者として、ダイアン・レイン、ユン・ピョウ、ドナルド・サザーランドと海外の大物スターの名前が並んだ(主演は加藤雅也)。

 だが、そんな超大作の監督としてクレジットされたのが、映画経験がゼロの原作者・伴野朗だった。この時代は、異業種監督ブームというのがあり、ビートたけし、桑田佳祐、小田和正、村上龍などが映画を撮ったが、伴野の知名度はそうした面々より大きく劣った。

 作品の評判は散々なうえ、劇場はガラガラ。関係者に出回ったタダ券が金券ショップで投げ売りされていた。興収は制作費の10分の1となる約5億円という大惨敗。にっかつは翌年、会社更生法の適用を申請し事実上倒産しているが、この映画の失敗がその主因だというのが定説になっている。文字通り“落陽”だと揶揄もされた。

 なお、2010年代になり、当時は作品のプロデューサーで脚本家のひとりでもあった映画監督の藤浦敦が、雑誌『映画秘宝』(洋泉社)の取材を受け、“実際は自分が演出も担当した”“自分はにっかつの株を多数所有していて、その売却益を制作費に充てたので、にっかつは損をしていない”といった旨を語った。つまり、“超大作の監督を素人に任せてにっかつは潰れた”という定説を否定しているのだ……。

NHKが作ったハリウッド超大作が50億円以上の大赤字?

『クライシス2050』(1990/松竹・松竹富士)は、西暦2050年の未来が舞台で、太陽が膨張し地球に滅亡の危機が迫る……というSF超大作である。

『ベン・ハー』のチャールトン・ヘストンが出演。監督は『バニシング・ポイント』のリチャード・C・サラフィアン。特撮監督は『ダイ・ハード』のリチャード・エドランド。撮影はのちに『タイタニック』を担当するラッセル・カーペンター。音楽は『アラビアのロレンス』のモーリス・ジャール。さらに、宇宙船のデザインを『ブレードランナー』のシド・ミードが手がけた。超一流メンバーが名を連ねたハリウッドの超大作のようだが、実は学研とNHKエンタープライズが出資した日本映画なのだ(日本人俳優は別所哲也のみ出演)。

 その制作費は70億円といわれる。NHKがこんな大博打をしていたのだ。若者よ、これがバブルである。ところが、これがまったくヒットしなかった。しかも、内容も凡庸なものだというのが一般的な評価で、口コミで動員が伸びることもなかった。その配給収入は約14億円。NHKに受信料を払いたくなくなる、とんでもない大赤字となった。

 アメリカでの公開もダメだった。編集をめぐり監督とのトラブルから公開は3年も遅れ、アラン・スミシー(ハリウッドで監督を匿名とする際に用いられる名義)監督作としての公開となった。内容がイマイチだということは、監督にも大いに非があったといえるが……。

●名作RPGシリーズ史上、唯一“クソゲー”認定された作品

 バブル崩壊から約10年が経過した21世紀最初の年にも超絶大失敗作があった。『ファイナルファンタジー』(2001年/ギャガ)である。この作品は、大ヒットRPGシリーズの映画化という触れ込みで、当時はまだ珍しかったフルCGアニメで制作された。

 監督は、『FF』の生みの親であるゲームクリエイター・坂口博信が務めた。このゲームはデモ画像の美しさに定評があるが、映像美だけでは映画は成立しないということだろう。坦々とした展開が続き、ゲームのような盛り上がりがなく、ゲームに例えれば「クソゲー」の烙印を観客から押された。

 最初に全米公開されるも、公開数週で打ち切りに。遅れて日本でも公開されるが、ちょうど『もののけ姫』が大々的にプロモーションされていた時期と重なり、宣伝も不調といえた。結果的に制作費1億3700万ドル(当時のレートでざっくり170億円)に対して、全世界での興行収入は8513万ドル(100億円強)だとされる。その後、スクウェアの鈴木尚社長は引責辞任し、坂口は退社した。
(文=ミゾロギ・ダイスケ)

●ミゾロギ・ダイスケ
ライター・編集者・昭和文化研究家/映画・アイドルなど芸能全般、スポーツ、時事ネタ、事件などを守備範囲とする。今日の事象から、過去の関連した事象を遡り分析することが多い。著書に『未解決事件の昭和史』(双葉社)など。

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