24時間営業問題や人手不足問題などで苦境に立つコンビニエンスストア加盟店オーナーと本部の対立が先鋭化するなかで、ローソン本部役員と加盟店オーナーとの意見交換会が行われた。これまで一般には公開されなかった意見交換会が、今回はじめてマスコミに公開された。
舞台となったのは「オーナー福祉会 理事会」。オーナー福祉会は1987年に設立された加盟店共済会がその前身。その後1992年に全店が加盟、そこから「オーナー福祉会」に移行し、全加盟店のオーナー、家族が対象となり、福利厚生などを行うようになった。
理事会は全国の各エリアから選ばれた理事(任期3年間)が年2回、会社側の代表と意見を交換する場所だ。2002年までは社長は出席していなかったが、ローソンの経営再建のために三菱商事から派遣された新浪剛史氏が社長に就任すると、それまで冷え切っていた本部とオーナーとの関係を改善するために出席するようになったという。
「新浪氏はオーナー福祉会の理事会にも出席し、『これからは本部もオーナーもない。対等な関係だ』と宣言し、腹を割って話をしました。ときにはオーナーが激高して厳しい追及をしたこともありましたが、これがきっかけでローソンの本部とオーナーの関係は変わりました。それ以来、オーナー福祉会の理事会には社長は必ず参加することが不文律になりました」(ローソン関係者)
今回理事会が行われたのは沖縄。理事会の場所はオーナー理事たちが決めることになっている。本部側はオーナーたちの意向に沿い、決められた場所に出席する。
「マチにやさしくない店舗はマチで生き残っていけない。みなさんと一緒になって切り込んでいきたい」
●加盟店オーナーと本部が協調路線
そんな竹増の話に呼応するかのように「オーナー女子部」が進捗状況を語った。ちなみに「オーナー女子部」は竹増が副社長時代の15年に設立した女性のオーナーたちを集めた会議で、ここからさまざまなアイデアが出てきているという。
「手が荒れるようなアルコールスプレーを変更したり、妊娠している従業員のためにマタニティーバッジ付き名札を着用することでお客様にも妊婦であることを理解してもらったりするアイデアも、ここから発案されています。人手不足の改善に向けた情報なども共有し、『値引き』活用で食品ロス改善と経営改善に貢献しました。災害や防犯情報の交換、店舗従業員の保育所や託児所補助金制度の導入なども女子部からの意見です」(ローソン関係者)
女子部は初の出席とあって、緊張した面持ちでこれまでの女子部による提案事項の進捗状況を報告した。さらにエリア報告では、外国人とのネットワークが強いオーナーから人手不足対応として、「自分のお店が複数あるのでクルーさんの送り迎えを手伝って、人員の多いお店から少ない店舗に応援を派遣している」という事例などが紹介された。
その後、理事会の代表たちが声をあげた。
24時間問題も例外ではない。
「銀行のATMのように必要な売り場以外をシャッターで閉鎖して、一部売り場だけでの営業をということは考えられないのか」
こうした理事会の議論がきっかけとなって、人手不足対策のための人材派遣会社設立や店舗に集まる苦情に対応するコールセンターがつくられた。今後は理事を組織化して「ローソン加盟店アドバイザリーボード」を設置。年に2回だけではなく、問題が生じれば必要に応じて招集をかけ、本部と加盟店オーナーで問題解決を図っていくという。
竹増社長は今回の理事会で居並ぶ加盟店オーナーたちを前に「みなさんからいただいた意見に対しては、必ず回答していくような会にしたいと思います」とその決意を語った。加盟店オーナーと本部が協調路線をとるローソンのやり方で、コンビニ業界に山積する難問を乗り越えることができるのか、その動向が注目される。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

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