AKB48の新たな海外姉妹グループとなる「CGM48」の結成が発表された。タイ・チェンマイを拠点とする新グループの誕生という明るいニュースのはずだが、AKB48グループは国内の騒動が決着していないことから、批判の声も多く上がっている。



 CGM48の結成は、チェンマイで開催されたBNK48のファン感謝イベント「BNK48 Thank You & The Beginner Chiang Mai」で発表された。タイではBNK48に次ぐ2組目で、名称はチェンマイの英語表記「Chiang Mai」に由来。ロゴカラーはチェンマイの自然豊かな森林がイメージされたという。すでに公式ツイッターやフェイスブックが開設されており、フェイスブックにある「第1期生のオーディション募集要綱」を見ると、参加資格年齢は12歳から22歳までとなっている。

 AKB48グループの海外グループとしては、昨年発表されたベトナム・ホーチミンの「SGO48」に続いて8組目となる。

 AKB48グループといえば、山口真帆暴行事件に端を発したNGT48騒動が今なお解決していない。被害を訴えた山口がグループから卒業したことで事態が終息したかのようにふるまう運営元に対する批判は、やむ気配がまったくない。

 このタイミングでの新グループ発足についても批判が多く、ネット上には「NGT48問題が終わっていないのに新グループ立ち上げなんておかしい」「そこまでして金稼ぎがしたいのかと思うと本当に腹立たしく感じる」「わざわざ海外に新グループを設置する時間があるなら、一刻も早くNGT48問題を解決してください」といった声が続出。ほかにも「日本ではアイドルが飽和状態で需要が見込めないだろうから、今後も海外進出を強めていきそう」「いつまで若い女の子を搾取するビジネスを続けるのか」との意見も見られる。

『山口百恵→AKB48ア・イ・ド・ル論』(宝島社)などの著者でアイドル評論家の北川昌弘氏は、海外で新グループを立ち上げる意図を、次のように推測する。

「海外で展開するノウハウが確立しているのだから、場所とタイミングを的確に判断していけば、ほぼうまくいくはず。そういう意味では、海外展開していくのは基本的に正しい。
もしそうしなければ、勝手に似たようなものをつくられる可能性もある。

 中国では一度トラブったみたいだが、その体験も貴重だろう。タイではバンコクに続いて2カ所目というのも、的確に展開できる場所を選んでいるということではないだろうか。そこで発掘した逸材を、日本を含めて世界展開するのも夢ではないと思うが、最近はあまり交流の話題がないのは残念。特にタイは、日本受けしそうな美少女が突然現れたりするので期待している。

 そういう意味でも、『AKB48選抜総選挙』はグループの原点でもあり、CDなどの売り上げにも大きく貢献していたのに、今年は開催しないことになり、機能しないという事態は問題ではないか。

 その問題も本質的には、本体の屋台骨が揺らいでいることにある。危機管理能力というか、問題を前向きに解決していこうとしていることを、ファンや地元にわかりやすくきっちりと示していないように見えるのは残念。

 そんなわけで、国内で派手な展開はしにくい状況にある。海外はその国の事情だけで作業が進んでいくということでしょう」

 目の前にある問題を解決しなければ、いくら新規グループを立ち上げてもファンは離れていくばかりだろう。
(文=編集部)

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