AKB48を卒業後も俳優、経営者、一児の母とマルチに頑張る篠田麻里子は今年、40歳を迎えた。現在放送中のドラマ『サレタ側の復讐~同盟を結んだ妻たち~』(テレ東系)では不倫した夫に復讐していく妻役で出演。
クールな彼女のパブリックイメージに合った役作りの裏側や、デビューから20年あまり、波乱の芸能人生で感じた人生観の変化を語った。(前後編の後編)

【写真】ドラマ『サレタ側の復讐~同盟を結んだ妻たち~』に出演中の篠田麻里子【7点】

――「完璧主義だった」という篠田さんが、丸くなれたと思うタイミングは。

篠田 「失敗してもいいんだ」って思えたのは、30代になってからですね。

――20代の頃とは、何かが変わったのでしょうか。

篠田 20代は失敗が怖かったというか…「絶対的にこうでなければ」という思い込みを勝手に決めて、それに縛られていました。でも30代は「人生いろんな失敗もあるよな」と思って生きられるようになって。お芝居の役作りでもプライベートでも言えますが、自分を作りすぎたり、今持っているものを守ろうとガチガチになると、自分で自分の首を絞めてしまうのかなと気づきました。もっと柔軟に、広い角度で物事を見られるようになりました。

――34歳で母になったことも、その考え方の変化に影響していますか。

篠田 ありますね。やっぱり子どもって、親の思い通りにはならない存在です。自分の人生だって思い通りにいかないのに、子どもも独立した心を持っていますから、親からすると行動も予測できなくて(笑)。
子育て自体も未知の経験ばかりで、毎日を生きる心構えも変わってきました。

――AKB48での芸能界デビューから20年が経ちました。全てが順風満帆ではなかったかもしれませんが、例えば仕事がない時期などは、どのように自分を奮い立たせていましたか。

篠田 奮い立たせるとかもできなくて……。「どこまで落ちるんだ」っていうどん底を経験した時期はやはりあって。なにも上手くいかないっていう悪循環におちいっていました。その時の経験から、「幸福のベースを下げたら平気だ」って思います。幸せについて求めるレベルが高いと何をしても満たされないですが、どん底を経験すると何でも幸福に感じられるんです。

――その一番どん底だった時期は、「これ以上悪くなることない」のように開き直れたか、それとも不安は消えなかったか、どちらでしょうか。

篠田 不安はありました。「もっと落ちるかも」って。でもそういう時、自分の現状を一歩引いて、俯瞰してみると心を立て直せました。
「どん底を味わった分、強くなれるかな」と思えたのも初めての経験でしたし、当たり前にある日々がありがたく感じます。

――今年はYouTubeチャンネルで、地元の福岡・糸島で友人と「ダブル成人式」をやってみた動画も公開していました。今の篠田さんにとって故郷とは?

篠田 まっさらなゼロの自分に戻れる場所ですし、昔と変わらない景色と帰れる場所があるのは本当にありがたいです。芸能界に入る前からの友達もいてくれて、私が売れなくても “一生友達”でいてくれます。

――そしてこの3月で40歳を迎えました。これからどのような姿を届けていきたいですか。

篠田 ファンの方は優しくて、「幸せになってほしい」って今でもSNSやネットで、私にメッセージをくれます。こうして元気に生きられたり、俳優のお仕事で今の私を発信していくのが皆さんの喜びになっているので、ありがたいなと思います。だからこれからも、人間らしく生きていたいです。

――篠田さんの考える「人間らしさ」とは?

篠田 格好悪くてもいいから、一生懸命生きる姿を見せたいですね。綺麗でいられるのもいいけど、失敗しても頑張っていく姿に私も共感するようになったので。全て完璧でなくても、そうやって自分のペースで生きている人が愛おしいです。


(プロフィール)
篠田麻里子(しのだ・まりこ)
1986年3月11日生まれ、福岡県出身。2006年にAKB48正規メンバーに加入し、2013年の卒業後は俳優として活動。ドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(テレビ朝日系/2024年)映画『BLUE FIGHT ~蒼き若者たちのブレイキングダウン~』(2025年)などに出演。また、自身のコスメブランドを手掛けるなど多方面で活動。

【前編】篠田麻里子、「白か黒かしか許せなかった」出演ドラマ『サレタ側の復讐』と重なる“完璧主義”の過去
編集部おすすめ