北海道内各地域に根差して事業を展開する企業同士が連携し、お互いのビジネスをサポートし合うという文脈を超え、北海道の未来に向けた歩みをスタートした。2026年3月17日、コンビニエンスストアチェーン・セイコーマートを運営するセコマと、NTT東日本との連携協定締結式が札幌で行われ、セコマ社長の赤尾洋昭氏、NTT東日本 執行役員 北海道事業部長の茂谷浩子氏が出席。
○ICT・DXによる地域貢献と店舗の持続的運営、さらに災害時協力が眼目
今回締結された協定の正式名称は「株式会社セコマとNTT東日本株式会社との連携と協力に関する協定」。冒頭、NTT東日本の担当者から協定の内容について説明が行われた。
セコマとNTT東日本の両社は、セコマが全道1,000店舗を超えるセイコーマートのネットワークを通じて暮らしに欠かせない商品・サービスを提供する小売・流通、NTT東日本が各地域の情報通信基盤の構築・運用と、それぞれの分野で道民及び企業を支えるインフラを担ってきた。NTT東日本の担当者は「本協定は、両社の強みと北海道全域に広がる拠点を活かし、災害時の対応力強化、地域に根差したまちづくりなどの分野で連携を深め、北海道の地域社会に一層貢献していくことを目的としています」としたうえで、協定の具体的な内容を紹介した。
1つ目は「ICT・DX技術を活用した地域貢献・まちづくりにおける連携」だ。例えば教育の分野で、NTT東日本が持つICTやDX基盤、データ分析・可視化の技術と、セコマが全道で培ってきた地域密着のサプライチェーンや小売現場の知見を掛け合わせることで、学校教育においてより実践的な学びの場を提供していくことを考えているという。担当者は「今後は地域の課題解決や新たな価値創出を目指し、検討を深めていく」と表明した。
2つ目は「地域の生活インフラであるセイコーマート店舗等の持続的な運営・維持に関する連携」である。セイコーマートの店舗網は北海道全域に広がっており、その店舗とNTT東日本の全道をカバーする通信保守体制を連携させ、各店舗の安定運営を支えていくとのこと。例えば、セイコーマート店舗にある機器や設備の簡単な修繕を行うといったことが想定されているようだ。
そして3つ目は、「災害発生時における対応力強化に関する連携」。
担当者は最後に「本協定は企業が連携して社会課題の解決に取り組む包括的枠組みです。両社は今後も地域ニーズに寄り添いながら、北海道の持続的な発展と安心して暮らせる地域社会の実現に貢献していきます」と、今回の協定の意義と目指すところを話した。
○セコマ・赤尾社長とNTT東日本 北海道事業部・茂谷事業部長が協定書に署名
協定内容の説明の後、赤尾社長と茂谷事業部長がそれぞれ協定書に署名を行い、協定が正式に締結された。
続いて、まずは赤尾社長が挨拶に立ち、「当社は食品を中心としたネットワークを北海道・関東に展開、NTT東日本は情報ネットワークを東日本中心に広げており、それぞれが暮らしに必要なものを提供しています。今回、2社で協業することにより、互いのネットワークを強化し、災害時にも復旧を今以上に早く進めることができると考えています」と語った。
一方、茂谷事業部長は、社内のエピソードを交えながら次のように挨拶した。
「大雪の日や交通渋滞で車が動かないとき、一つだけ持っていけるとしたら何がいいかという話を先日、当社社員としていました。そこで一人の社員が『セコマ』と言ったんです。確かに、セイコーマートが一つあったら何も困らないですね。両社には“なくてはならない”“止まってはいけない”機能を持っているという共通点があります。
○お互いの強みを活かし、北海道の未来に力を注ぎ込む決意を表明
両氏の挨拶の後、メディアからの質問が受け付けられ、協定のより具体的な内容が明かされた。まず災害時の対応力強化については、通信インフラ復旧作業時にセイコーマート店舗の駐車場を貸し出す話のほか、作業に携わるNTT東日本社員にセイコーマートから食事を提供してもらう、といったことも考えていると茂谷事業部長は語った。
またICTとDX技術を活用した地域貢献・まちづくりについては、赤尾社長が「セイコーマートで提供する商品・サービス等から発生するさまざまなデータをNTT東日本の技術と融合し、分析することで、例えば現時点では(道内の)中高生の学習に活かしていくことを想定しています。まずは一部地域もしくは学校との連携からスタートし、(将来的に全道の地域・学校から)声をいただくことがあり、当社側の工数も確保できれば(全道に)広げていきたいと考えています」と説明した。具体的な教育プログラムについては「個別の学校と話をしながらニーズを聞き、プログラムを組んでいくことになると思います」と話した。
さらに、セイコーマート店舗の持続的運営・維持について茂谷事業部長が「機械の故障修理や電池の交換等は基本的にセコマのグループ会社が担っているのですが、当社の保守チームでできることはお手伝いしたいということで、いま詳細を詰めています」と語った。
なお、今回の協定締結に至る直接的なきっかけは災害時における相互協力を実現することであり、「お互いに地域に根差し、地域を守ることを使命にしている会社として、まずは災害時にお互いでできることをしませんかという思いで話を持ちかけました」(茂谷事業部長)と、NTT東日本から声をかけたとのことだ。
赤尾社長は「当社は地域と生活を支えるパートナーであり続けるという経営理念を持っています。今回の協定はその理念と一致するものであり、社会に欠かせない通信ネットワークの維持・整備を担うNTT東日本と連携することで、通常時でも大きな災害があったときでも、道民の暮らしを支える点で意義が大きいと考え、締結に至りました」と背景を紹介した。
協定締結はあくまでスタート地点という茂谷事業部長の言葉のとおり、まずは第一歩を踏み出した両社連携のこれからを注視していきたい。











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