住民票に身に覚えのない「続柄:妻」の文字――。思いもよらない出会いから始まる物語に込めた思いとして、利重剛監督は「人生ってまだまだ面白いことがたくさんあるんだなというふうに思っていただければ、僕はうれしいです」とメッセージを送った。


○俳優として出演もした利重剛監督「2回くらい『俺、大丈夫?』って聞きました(笑)」

映画『ラプソディ・ラプソディ』(5月1日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開)の公開記念舞台挨拶が2日、都内で行われ、高橋一生、呉城久美、芹澤興人、利重剛監督が登壇した。

同作で夏野幹夫(高橋一生)の叔父・大介役で出演もしている利重監督に対し、高橋は「最初、気をつかっちゃうんじゃないかなと思ってたんですよ」と明かしつつ、「全然そんなことなかったです。杞憂でしたね。利重さんは『今ので、できてるかな?』と言いながらカットをかけて、モニターに戻っていくんですけど、切り替えというか。叔父さんとして、いてくださりましたし、とても安心してお芝居ができました」と回想。

利重監督が「2回くらい『俺、大丈夫?』って聞きました(笑)」と話すと、高橋は「聞いてましたね(笑)。『何言ってるんですか!?』と言いましたが、監督さんと俳優さんをスイッチしながらやられているということ自体は、僕にとっても負荷になっているようなことはなかったです」と穏やかに語った。

高橋一生と利重剛監督からメッセージ


舞台挨拶の最後に、これから映画を観る人へのメッセージとして、高橋は「物語というものは時にすごく残酷だったり、あるいは、皆さんの興味をとても引くものだったりします。そういうものが存在していて、僕はいいと思うんですけど」と前置きした上で、「利重さんのもと、日常が愛おしくなるような作品で、日常が愛おしくなっていくお芝居ができたような気がしています」と回想。

そして、この作品の内容を「寓話的でありながらも、どこか現実に迫ってくるような問題を抱えている2人の物語でもある」と説明しながら、「僕はこの作品を観て、人生はこうであってほしいなという思いがあります。多少ファンタジックでメルヘンチックでみんな優しくて……現実はそうじゃないかもしれないですけど、こういう映画を観ることによって、心があたたかい人になれたらいいなって。それをいろんな人に伝播させていけるようになったらいいなと僕は感じていたんで、皆さんにもどうか少しでもそういう気持ちが芽生えて、それを持ち帰っていただければなと思っておりました」と伝えた。


高橋のメッセージを聞いた利重監督は「全て言っていただいて、ありがとうございました。本当に感動しました」と感謝を述べ、舞台挨拶前に映画を観た客席の人たちにも「今日は観に来てくださって、ありがとうございました」と謝意。続けて、「皆さんにこれからとても楽しいこと面白いことがいっぱい起こりますように。そして、ギョッとするような出会いもあるかもしれませんが、怒らずにいると、それはそれで面白い生涯の出会いも生まれるかもしれない。人生ってまだまだ面白いことがたくさんあるんだなというふうに思っていただければ、僕はうれしいです」と伝えた。
○映画『ラプソディ・ラプソディ』あらすじ

“絶対に怒らない男”・夏野幹夫。ある日、住民票に身に覚えのない「続柄:妻」の文字を見つけ、繁子という名の女性が自分と勝手に籍を入れていたことを知る。でも一体なぜ? 何のために? 正体不明の妻探しに奔走する幹夫が小さな花屋でようやく見つけた繁子は、触れるもの全てを壊してしまう破天荒すぎる女性だった。

予測不能な繁子に振り回されながらも、懸命に向き合おうとする幹夫。しかし、繁子は何をされても怒らない幹夫にモヤモヤが募っていき……。どうしても怒れない幹夫の心を縛っていたある約束とは。そして、見ず知らずの人と勝手に結婚した繁子の謎めいた過去とは。
予想外の出会いからはじまったおかしな関係の行方は――。
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