戦争を知らない世代が大半となった今、ドラマはその記憶をどう受け渡していくのか――。第34回橋田賞では、戦後80年の節目に放送された『あんぱん』(NHK)と『八月の声を運ぶ男』(同)が受賞。
○“十五年戦争”の時代を26週の半分で描く
『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんとその妻・小松暢さんをモデルに、激動の時代を共に生きた2人の物語を描いた連続テレビ小説。同賞では、「自らの戦争の体験から“逆転しない正義”とは何かを問い続け、『アンパンマン』を生み出すまでの夫婦愛と周りの人々とのつながりを温かく描いて、視聴者から高い支持を得ました」と評価された。
制作統括の倉崎憲氏は、企画の出発点として、「アンパンマンのマーチ」の歌詞に心を動かされたことを紹介。さらに、やなせさんの著書を読み進める中で、「戦争に行って一番つらかったのが空腹だった」という言葉に触れ、「これはやなせ夫妻の物語を朝ドラでやりたいと思い立ちました」と明かした。
同作がNHK在籍時最後の作品となったチーフ演出の柳川強氏は、自身が少年時代に見た橋田壽賀子さん脚本の『おしん』(NHK)の記憶に触れ、「戦争と平和を描くようなドラマを作りたい思った一つのきっかけだったかもしれない」と回想。その上で、『あんぱん』では、昭和5年から20年までの“十五年戦争”の時代を描いたことに言及し、「その時、人々が何を考えたか、何を苦しんだか、そして何を忘れてこの戦争に突き進んだかという庶民の目線を、(脚本の)中園ミホさんの筆と今田美桜さんを含む役者さんの皆さんを通じて本当に描けたと思います。今ちょっときな臭い時代感、雰囲気がある中で、朝ドラの26週の約半分で描けたことは、僕にとって“財産”です」と手応えを語った。
脚本の中園氏は、ヒロイン・のぶのモデルとなった小松暢さんの資料がほとんど残っていなかったことから、橋田さんの随筆を「読みまくりました」と告白。そこから、「普通の聡明な女の子が軍国少女になっていく恐ろしさ」「正義が逆転する虚しさ」、そして橋田さんの「強い強い反戦の思い」を受け取ったという。中園氏は「今、平和に向かう道が険しくなっている時に、この賞を頂けて身が引き締まる思いです」と述べた。
「被爆をした人たちは語らない」という経験
NHKとWOWOWの共同企画である『八月の声を運ぶ男』は、被爆者の声を録音し続けたジャーナリストの実話をもとにした作品。
WOWOWの松本太一プロデューサーは、当初は「なかなか難しい題材」だったとしながらも、脚本の池端俊策氏が「僕は書きたい」、演出の柴田岳志氏が「何が何でもこれを演出したい」と熱意を示したことで企画が動き出したと説明。NHK側からも「これはぜひ戦後80年にふさわしい作品です」と賛同を得たことを明かした。
池端氏は、かつて緒形拳さん主演のドラマ『帽子』(NHK、08年)の執筆にあたって被爆者の取材をしたものの、「被爆をした人たちは語らない。大きな不幸を背負った人は、大きな声で自分のことを語らない」と痛感したのだそう。それだけに、生涯をかけて1,000人の被爆者の声を集めたジャーナリストの話である『八月の声を運ぶ男』の企画を松本氏から受けて、「これはやろうと思った」と心を動かされたという。
柴田氏は「今、世の中を見ると、ますます戦争が増えていくような世界になっています。被爆体験をテーマにした作品を、これからでも一人でも多くの方に見ていただければ」と願いを込めた。
○「第34回橋田賞」受賞作品・受賞者
■橋田賞
・連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)
・『わが家は楽し』(TBS)
・『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)
・『八月の声を運ぶ男』(NHK)
・小日向文世(俳優)
・佐藤浩市(俳優)
・小芝風花(俳優)
・今田美桜(俳優)
・竹内涼真(俳優)
■野村昭子賞
・岩崎加根子(俳優)
■橋田賞新人脚本賞
<一時間ドラマ部門・佳作>
・『コクーン』高橋由佳
・『愛或るほうへ』佐野あすか
<短編部門・入選作>
・『へりとわらし』朝比奈千鶴











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