◆第31回NHKマイルC・G1(5月10日、東京競馬場・芝1600メートル、良)

 第31回NHKマイルCは10日、東京競馬場の芝1600メートルを18頭で争い、1番人気のロデオドライブ(レーン)がアスクイキゴミとの激戦を推定6センチの鼻差で制しG1初勝利。3歳マイル王者の座に就いた。

管理する辻哲英調教師(46)=美浦=は開業6年目でうれしいG1初制覇。「母の日」にピンク帽の8枠からタイトルを手にしたサートゥルナーリア産駒が、ここからさらなる飛躍を遂げる。

 息をのむような大接戦の末に栄光をつかんだ。ピンク帽の2頭が直線で大外から鋭く伸びて、最後は外のロデオドライブが激しい競り合いを鼻差で見事に制した。その差は推定6センチ。1番人気に応えてG1初制覇に導いたレーンは「正直、あまり言葉が出てこないですけど、とてもハッピーです。この馬のベストパフォーマンスを見せることができてホッとしています」と、自然と笑みがこぼれた。

 外の17番枠から道中は後方14番手に構えて、じっくりとリズム重視で運んだ。3ハロン通過が33秒7と速めのペースで流れたなか、直線は爆発力を信じるだけだった。繰り出した上がり3ハロン33秒3の末脚は、勝ち馬のレース史上最速。「いいリズムで進められたし、しまいにいい脚を見せられると自信を持っていた。能力がG1クラスという証明もできて、今後もG1でいいレースができると思う」と、名手は会心の騎乗に声を弾ませた。

 管理する辻調教師にとっても、開業6年目でうれしいG1初制覇だ。指揮官は「厩舎にとって初めてというのは、そこまでではないですけど」と、あくまでロデオドライブが大きなタイトルを手にしたことを何より喜んだ。2着に惜敗した前走のニュージーランドTでコンビを組んでいた津村にも相談して、折り合い面の対策として初めてメンコ(覆面)を着用するなど馬具を工夫。「津村さんのアドバイスがなければ、この鼻差を差し切れたかも分からないので、津村さんにも感謝したいです」と周囲への感謝を口にした。

 厩舎カラーはシルバーで、そのメンコには桜色で厩舎ロゴがあしらわれていた。ミスタープロ野球・長嶋茂雄氏と同じ佐倉高校出身のトレーナー。「千葉県佐倉市出身で、日本を代表する桜とかけて」の思いを込めた色だが、くしくも「母の日」にピンク色の8枠から最高の白星を手にした。トレーナーのひたむきな信念が、将来性豊かな素質を咲かせた。(坂本 達洋)

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