大晦日にさいたまスーパーアリーナで行われる格闘技の祭典「RIZIN.26」。朝倉海vs堀口恭司のバンタム級タイトルマッチや、神童・那須川天心の一戦など、多くのビッグマッチが組まれている。


PRIDEなどで活躍した元総合格闘家の大山峻護さんは、格闘技界のレジェンドと新星の戦いに注目。その見どころを聞いた。

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大山峻護さん

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ミノワマン vs. スダリオ剛(RIZIN MMAルール:5分 3R 120.0kg)

「RIZIN.26」五味・所・ミノワマンvs皇治・太田・スダリオ、元PRIDE戦士は新旧カリスマ対決に注目

44歳のミノワマンは、ボブ・サップやチェ・ホンマンなどの階級上の巨漢にも勝利を収めてきた超人ファイター。一方のスダリオ剛は相撲界から転身し、9月の「RIZIN.24」で総合デビューを果たしたプロ2戦目の23歳。

「9年ぶりのさいたまスーパーアリーナということで、ここで選ばれるというのは、彼は本当に格闘技の神様に愛されているんだなと思いました。年齢的なことやブランクを考えても、スダリオ選手の方が有利かなというところはありますが、そういうものを全て跳ね返してきた男。

ボブ・サップとの試合とか、階級上のどう考えてもミノワマン選手が不利だろうという試合をひっくり返すことができる、もっている男。彼は純粋に格闘技が好きで、その心が届いているからみんなに愛されている選手」

「スダリオ選手は、20代前半という若さで力士のフィジカルを保ちつつ格闘技の世界に来たというのは驚異です。デビュー戦を見ましたが、格闘技の吸収率、ボティコントロールがすごかったですね。体の預け方とか、グラウンドでのコントロールの仕方、打撃のフォームとか、非常にセンスがあると感じたました。エンセン井上さんの下で厳しい練習をして、ミノワマン選手への対策もしっかりしてくると思うので、手強いだろうなと思います。ミノワマン選手のようなレジェンドと対戦できるのはすごい財産なので、まさしく胸を借りるつもりで、いろいろなものを感じて力に変えて欲しいですね。

彼には日本のヘビー級を背負うような選手になって欲しいです」

「数字的に見たら、スダリオ選手の方が体も大きいし若い。その上、勢いもある。ミノワマン選手は44歳で、試合との間隔も空いているというところから、スダリオ選手の方が有利という見方もあります。ただ、そういうものをすべてひっくり返すのがミノワマン選手。ミノワマン選手にはまだまだ若手には負けない、年齢じゃないんだぞ、というところを日本中に見せて欲しいです。一方のスダリオ選手は問題を起こして相撲界を引退したという経緯がありますが、そういった挫折をした選手がまた立ち上がり、輝ける場であって欲しいなとも思います。

どっちが勝っても勇気を与えてくれるような試合になると思うので、とても楽しみですね」

所英男vs太田忍(RIZIN MMAルール:5分 3R 61.0kg)

43歳の所英男は「戦うフリーター」として2005年に「HERO’S」でデビューすると、当時同階級最強と目されていたアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラからTKO勝利を挙げ、一躍シンデレラボーイに。一方、12月28日に27歳になったばかりの太田忍は2016年のリオデジャネイロオリンピックに出場し、レスリング男子グレコローマン59kg級で銀メダルを獲得したオリンピアン。東京オリンピック出場を狙うも道は閉ざされ、総合格闘技へ転身。今回がデビュー戦となる。

「所選手は大一番に強く、注目されればされるほど輝ける選手。太田選手もオリンピックでメダルを取っているくらいなので、どちらも大舞台に強いメンタルを持っています。太田選手は27歳という若さで総合格闘技に来てくれたのは嬉しいですね。

これからまだいくらでもアジャストしていけるし、メダリストとしてのフィジカル、メンタルは凄まじいものがあると思います。ただ、太田選手は相当厳しい相手を組まれましたよね。所選手は打撃のスキルも、グラウンドでのスキルも高く、一瞬で試合を決めることができるので、気を抜ける瞬間が一切ない。ものすごい大きな試練を一発目から与えられたなと思いますが、それだけ期待されているということ」

「所選手はどんな状況でも一瞬で関節を取れる技術を持っています。太田選手はその辺の対策もしてくると思うので、所選手の伝家の宝刀をどれだけ防ぎきれるかが決め手になってきます。所選手の技に対して、太田選手の力。

技術はパワーで封じられてしまうので、『柔よく剛を制す』ことができるのか、それとも『剛よく柔と断つ』のか、見ものですね」

五味隆典vs皇治(RIZINスタンディングバウト特別ルール:3分 3R)

「RIZIN.26」五味・所・ミノワマンvs皇治・太田・スダリオ、元PRIDE戦士は新旧カリスマ対決に注目

試合形式はキックボクシングから膝を含む足によるあらゆる打撃行為を禁止としたスタンディングバウト。42歳の五味隆典は初代PRIDEライト級王座で、総合格闘技界のレジェンド。対する皇治はK-1の中心選手として活躍し、今年9月に那須川天心との一戦でRIZINデビュー。那須川に判定3-0で敗れたものの、強烈なインパクトを残した。

「エキシビジョンマッチということでパンチのみの特別ルールですが、おもしろいですね。五味選手は総合格闘技のスーパーレジェンドですが、全盛期のパンチ力は世界トップレベル。パンチが主体の選手なので、五味選手の持ち味を出せると思います。

皇治選手もパンチが得意の選手だから、バチバチやってくれるんじゃないかな」

「皇治選手はビッグマウスでリスクは大きいですが、だからこそ大会を盛り上げてくれる。前回の那須川選手戦を見ても、口だけではなく技術も精神力も素晴らしいので、スーパーレジェンドと戦えることはさらに大きな財産になるはずです」

「五味選手は約1年半ぶりのRIZIN。よくぞここで出てきてくれたなと感じます。コロナで落ち込みがちな世の中で、日本に元気を届けようという思いがあるんだろうなと思います。ブランクもある中で、一生懸命体を作って参戦してくれる。ファンが何を望んでいるのかをすごくわかっている選手だから、バチバチに殴り合ってくれるんじゃないかなと楽しみです。今大会は世代の異なるスーパースター対決が多く組まれていますが、彼らが出てくれることでかつてのファンも熱くなってくれるはず。世代を超えて格闘技ファンが融合できる、素晴らしい大会になると期待しています」

格闘技の歴史を作ってきたレジェンドファイターと、次世代を担う新星ファイターが繰り広げる大晦日の祭典。新旧どちらが勝っても、一年の終わりにアツイ気持ちを届けてくれるはずだ。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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大山峻護(おおやま・しゅんご)

5歳で柔道を始め、全日本学生体重別選手権準優勝、世界学生選手権出場、全日本実業団個人選手権優勝という実績を持つ。2001年、プロの総合格闘家としてデビュー。同年、PRIDEに、2004年にはK-1・HERO‘Sにも参戦。2012年ロードFC初代ミドル級王座獲得。現在は、企業や学校を訪問し、トレーニング指導や講演活動を行なっている。著書に「科学的に証明された心が強くなる ストレッチ」(アスコム)。ビジネスマンのメンタルタフネスを高めていくための本「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」(あさ出版)を出版。

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「科学的に証明された 心が強くなる ストレッチ」
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